2016年10月20日 第43号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドのスーパーで購入した商品が原因とみられる食中毒で、死者が発生した。

 このスーパーは、中華系のスーパーマーケット、フーディ・ワールド(3000 Sexmith Road, Richmond)。

 コースタル保健局では、死亡原因には様々な健康要因が絡んでおり、食中毒が直接の死因かどうかは調査中としている。

 その一方で、この人物がフーディ・ワールドで調理または製造された商品を購入・摂取したことが食中毒の原因であることは明白だとしている。

 同スーパーマーケットは先週から閉店しているが、店内の完全な消毒と保健局による商品の安全性の確認が終わるまでは、営業再開の許可は下りないという。店内には調理場があり、すぐに食べられる調理済み食品など、多くの種類の食品が製造されていたが、保健局の検査では食中毒を引き起こすリステリア菌に汚染されていた食品が、いくつも見つかっている。

 今までに6人が、同スーパーの食品が原因で食中毒を起こし入院する事態となっている。保健局では、症状が軽く、ホームドクターなど医療機関にかからなかった人は他にも多数いるのではとみている。

 

2016年10月20日 第43号

 ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアの中心部で、今月初めに採取したキノコを食べた3歳の男児が、約10日後にその中毒が原因で死亡した。

 家族と一緒にキノコ狩りをした男児が食べたのは、猛毒のタマゴテングタケ(death cap mushrooms、学名Amanita phalloides)。

 同地区を管轄するアイランド保健局は11日、同様の事故が再発しないよう、キノコ狩りの際には慎重に種類の特定をするよう、メディアを通じて注意を促すコメントを発表した。

 家族の話によると、男児はキノコを食べた後8時間から12時間ほどで激しい胃痛と嘔吐に見舞われた。その3〜5日後にはキノコの毒素が肝臓の細胞を破壊したことによる劇症肝炎様症状を引き起こし、肝不全に陥った。

 当初ビクトリア病院の集中治療室で治療を受けた男児はその後、さらなる治療のためにアルバータ州エドモントンの病院に搬送されたが、12日夜に息を引き取った。

 メディアの取材を受けたアイランド保健局の主任医師リチャード・スタンウィックさんは、家族からの報告を受けた後、キノコを専門とする菌学者とともに9日、採取現場を訪れ、ここで他の人がまたキノコを採取することがないよう、見つけられる限りのキノコを採取した。その数はタマゴテングタケを含む16本で、スタンウィックさんによると12人分の致死量になるという。

 タマゴテングタケは緑(オリーブ)色の傘に白い柄で、また、柄にはつば(柄のまわりを一周する、ケープ状の薄膜)があり、見た目は一般的なキノコの形をしている。なお、つぼ(柄の下、地中部分)は大きく丸く膨らんでいる。1本で成人1人を死に至らしめるだけの毒を持つ、猛毒キノコとして昔から知られている。

 タマゴテングタケは、食用キノコとして一般的なフクロタケ(paddy straw mushroom)が成長して、傘が開いた状態によく似ている。フクロタケは全体が白っぽく、柄は黄味がかっているが、やはり丸く膨らんだつぼを持っている。

 死亡した男児の家族はスタンウィックさんらに対し、悲劇が繰り返されないよう、今回の教訓を市民の啓蒙に役立ててほしいと申し出ていた。

 

2016年10月20日 第43号

 オンタリオ州ハミルトンの博物館で保存されている飛行可能な第二次世界大戦時の爆撃機に、11歳の少年が15日、搭乗した。

 ノバスコシア州ハリファックスに住むユーアン・マクドナルド君は、インターネットでこの爆撃機―イギリスのアブロ社製ランカスター―のことを知った。以来、現役を退いたとはいえ、今日までも飛べる第二次大戦中の主力爆撃機で空を飛んだら、どんな感じなのかと考え続けてきたという。「それはきっと、何ものにも比べられない素晴らしいものにちがいないと信じていた」と、彼はメディアの取材に答えていた。

 しかしそのために必要な資金は3500ドル、少年にとっては大金だった。マクドナルド君の両親は、彼が大きくなって自分で稼げるようになってから実現すればいいと思っていたが、彼は今年初めにオンライン上での募金活動を開始、そして夢を実現させた。

 ハミルトン空港内にある、カナダ・ウォープレーン・ヘリテージ博物館で維持管理されているアブロ・ランカスターは、世界で2機しか存在しない飛行可能な同型機のうちの一機。

 同機に搭乗する前にマクドナルド君は、このために自分はがんばってきたし、このために多くの人が自分をサポートしてくれたと取材に語り、笑顔で敬礼しながら機内の人となった。

 ハミルトン空港を離陸した同機はトロント上空を飛行した後、ナイアガラフォールズを経由し、約1時間のフライトを終えハミルトン空港に帰還した。

 フライトを終えたマクドナルド君は、想像以上のものだったと話していた。

 

2016年10月13日 第42号

 カナダ統計局は7日、9月の就業者数が6万7200人増と大幅増となったと発表した。専門家の予想は1万人増。ただ、予想外の就業者数増加も、求職者数も増加したため、失業率は変わらず7パーセントのままとなった。

 就業者数で最も多かったのは自営業で5万100人。2009年6月以来の大幅増となった。増加した自営業者の業種で多かったのはヘルスケアとソーシャルアシスタンス。

 全体の業種別では、行政機関が1万8900人、教育産業1万6700人と多く、建設業6400人、製造業6300人と続いている。

 地域別ではケベック州が好調で3万8300人増、続いてオンタリオ州1万6200人、アルバータ州1万3300人、ニューブランズウィック州4万400人だった。その他の州は概ね前月とほぼ同じだったが、ブリティッシュ・コロンビア州は600人減となった。

 地域別の失業率では、プリンスエドワード島州が12・1パーセントから10・8パーセントに、ノバスコシア州が8・5パーセントから8・1パーセントに、ケベック州が7・1パーセントから6・9パーセントに改善している。ニューブランズウィック州、オンタリオ州もそれぞれ0・1パーセント改善。一方で、天然資源産業が盛んなニューファンドランド・ラブラドール州、マニトバ州、サスカチワン州は0・5パーセント以上悪化、アルバータ州は8・4パーセントから8・5パーセントと0・1パーセントの悪化に止まった。ブリティッシュ・コロンビア州は5・5パーセントから5・7パーセントに悪化したものの、依然として全国で唯一5パーセント台と低い水準を維持している。

 

2016年10月13日 第42号

 連邦政府が先月27日に承認を発表したブリティッシュ・コロンビア州で計画されている液化天然ガス巨大プロジェクトについて、承認の裏には環境対策だけではなく経済とのバランスが考慮されていたとの報告書を入手したと7日、CBC電子版が伝えた。

 承認されたのは、パシフィック・ノーザンウエストLNGプロジェクト。BC州北東部から900キロメートルのパイプラインでBC州北西沿岸部プリンス・ルパート近郊ルル・アイランドまで天然ガスを運び、液化して、海外市場、主にアジアに向け輸出するための建設プロジェクトで、マレーシアの国営企業ペトロナス社が主導している。

 27日の承認発表ではキャサリン・マッケナ環境相は、190の条件を付け、環境に配慮するようになっていると語ったが、実際には環境への影響は大きなものだが、経済とのバランスを考慮し承認すると結論付けていたとCBCは伝えている。

 その後のCBCラジオのインタビューで同相は、温室効果ガス排出量は増えることは承知しているが、BC州政府クリスティ・クラーク州首相が炭素税を引き上げることを承諾していることや排出量に制限をかけていることなどをあげ、対策を主張した。

 

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