2019年12月19日 第51号

 冷たい風の朝、海の上に広がる薄い雲の間に間から、春の陽光が差せば何となくホットする僕は、寒々とした海辺のボートを繋ぐデッキの箱の上に座り、遠くの空を眺めながら、海に沈めた蟹取りの籠に大きな蟹が入るのをじっと待つ翁になったのかと思えば、早春の陽光が差すのは微かな喜びでもある。

 遠い過去の日々に想いを巡らせ、一人静かに海を眺めれば、空ははげしいあかね色へ、海上にかすかに白い霧のような雲が流れゆき、力強い太陽の赤いオレンジの光が変化してゆくさまは、新しい時代の夜明けのように見える。

 熱い思いを蟹取りの籠のように深く深く沈めゆけば、海の底から引き上げられた大きな蟹の甲羅の怪しげな模様は、占い師のように何やら吉の模様に嬉しくも妙な気持ちとなり、希望を持ち明日を生きることの大切さを思うのである。

 明日への希望のために仕事をしてきた中村医師が襲撃されたアフガニスタンは、大乗仏教が西洋文化であるギリシャ文明の影響を受けてギリシャ風の仏像ができた処でもある。そのアフガニスタンで献身的に努力されてきた中村哲医師が何者かに襲撃されて、残念なことに死亡されたことに、心よりご冥福をお祈り申しあげます。

 私的なことではあるが、小生自身は古希になる。まだまだ仕事を続けている。人生をヒマラヤにたとえれば、七千メートルぐらいまで登攀した気分である。あとの三千メートルの登攀は自己との体力の挑戦であり、体力との闘いである。

 アフガニスタンからシルクロードをへてはるばる日本に伝わった大乗仏教、言い換えれば、西洋文化や中国の文化などいろんな文化を載せた大乗仏教の牛車をゆっくりと前へ進めることは、先生の熱い平和の思いを伝えることであろう。

 

 

 


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