コキットラムにある犬のグルーミングサロン、Dog Station。2008年のオープン以来、地域に密着したビジネスを心がけ、数多くのリピーターを持つ。ドッグトレーニングやデイケアサービスもおこなっているが、今回はグルーミングにスポットをあてて、同店のオーナーのヨシさんとマサミさんに話を聞いた。
グルーミングの大切さ
フルグルーミングはヘアカット、爪切り、耳の掃除、足の裏をきれいにするなど全体的なお手入れだ。見た目を美しく保つだけではなく、飼い主でも気がついていなかった皮膚トラブルや耳の中の炎症などを見つけ飼い主にアドバイスすることもあるという。
また、爪切りも意外と難しいケアだ。爪切りを嫌がる犬は多く、無理やり押さえつけて切ることになるので上手に切れなかったり、犬はますます爪切りが嫌いになってしまう。カナダで飼われている犬は、アスファルトやコンクリートの上より土や芝生の上を歩くことが多く、爪があまりすり減らないのだそうだ。同店では爪切りだけでも受け付けており、ウォークインで訪れる人も多いとのこと。「私たちは(犬が)嫌がらない方法で爪切りをしています。爪は伸びてくるものなので切ってあげなくてはいけません。犬が怖がって飼い主さんがしてあげることが難しい場合は、グルーマーに任せて頂くことも安心ですね」とマサミさん。
様々な種類の犬のグルーミングをおこなっているグルーマーさんたち。難しい犬もくるのでは?という質問には「とても警戒心が強かったりひどく怖がる犬もいますが、私たちが心がけているのは、(犬が)嫌がることはしないし、戦うつもりでもないということを行動で示し続けるということです。犬との信頼関係を築いてそれを壊さないように維持していくことが大切なんです」という。1つの例として、グルーミングが嫌で噛み付く犬がいたという。おそらく前に通っていたサロンで怖い思いをしたせいだろうと考え、その恐怖心を取り除いてあげるように接していった。以前はサロンから帰ってくると2週間くらい下痢をして体調を崩していたというが、Dog Stationに来るようになってからはそれが治まったという。「こんなに怖がってしまっていると慣れてくれるまでにとても時間がかかります。いまだに(マサミさんにしか)扱えないんですよ」とヨシさん。
犬が一番信頼する飼い主にできること
家族や仕事の都合などでなかなかグルーミングに連れて行くことができないという人もいるだろう。そんな時でも家庭でこまめなブラッシングを心がけることが大切だという。ブラッシングを怠っていると毛が絡まって毛玉ができやすくなる。毛玉ができてしまうと皮膚が引っ張られる状態になり皮膚トラブルにもつながるので、特に毛が伸びる犬種は注意したい。また、目の周りの毛が伸びる犬種は目に入らないように切ったり、お尻の周りの毛も清潔にするなど、日常の細やかなケアをすることが犬の健康維持に役立つ。
夏場は暑さ対策に毛を短くする犬が増えいつも以上に忙しくなるという。また、キャンプなど自然の中で遊んだ後に足に松ヤニがついてしまったり、ノミがついたりする犬も多いので、夏のお出かけ後のケアもしてあげたい。「グルーミングというと犬の美容院のように思われがちですが、爪、耳、皮膚など(犬の)健康状態に直結するようなケアも含んでいます。そういった広い意味で考えるとグルーミングの大切さが分かっていただけると思います」。取材中も、待機している犬たちがヨシさんやマサミさんに甘えている様子を見た。Dog Stationのスタッフのみなさんが一匹一匹個性を持った犬たちに愛情をもって接していることがよく分かる光景だった。
(取材 大島多紀子)
Dog Station
住所:1956 Como Lake Ave, Coquitlamr
電話:604-936-7297
メール:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.