2016年10月27日 第44号

 カナダ銀行は19日、金利を0・5パーセントのまま据え置くと発表した。金利は2015年7月に同年2回目の引き下げ以降、据え置かれたままとなっている。

 ただこの日の記者会見で、スティーブン・ポロス総裁は金利を引き下げる可能性もあったと述べた。しかし今回は据え置いた理由として、今月発表された連邦政府の住宅ローン規制の影響を見極めること、輸出が上向いていること、さらには来月のアメリカ大統領選の影響などをあげた。専門家は2018年に入るまでは金利は変更されないのではと予測している。

 さらにこの日発表された金融報告書で、実質国内総生産(GDP)を7月の予測よりも下方修正した。

 今年第3四半期の実質GDPは3・2パーセントと予測、7月の3・5パーセントから下方修正した。第4四半期は2・8パーセントから1・5パーセントに修正した。今年全体としては、7月の1・3パーセントから1・1パーセントに、来年は2・2パーセントから2パーセントに修正した。

 7月、8月と輸出が伸びたものの、それまでの5カ月間での落ち込みを埋めるまではいかず、アメリカの経済が依然として伸び悩んでいることなどから経済予測を下方修正したと語った。

 また連邦、州政府が実施した不動産に対する政策については「歓迎」すると語り、国内経済の不安定要素緩和に一役買うとの認識を示した。カナダ銀行はこれまでも高騰し続ける不動産による国民の負債額の膨張に対して、金利が上昇した時に国内経済が危機的な状況に陥ると警鐘を鳴らしていた。

 

2016年10月27日 第44号

 シーズンも佳境を迎えているカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)。バンクーバーを本拠地とするBCライオンズは22日、ホームBCプレースで西地区4位エドモントン・エスキモーズと対戦。32―26で圧勝した。

 序盤から常にリードする展開となった。第2クオーターには2タッチダウンを決めて引き離すと、後半も追加点を重ね、勝利した。

 この試合に負ければ西地区4位転落もあったライオンズ。これで勝ち点を20に伸ばし3位を保持。勝ち点では2位ウィニペグ・ブルーバマーズに並んだ。ライオンズは残り2試合。どちらも現在西地区最下位サスカチュワン・ラフライダーズとの対戦。ホームは11月5日今季最終戦となる。

 

2016年10月27日 第44号

 カナダ最大の新聞社グループの一つポストメディア・ネットワーク・カナダは20日、経費削減のため人員整理をすると発表。早期退職者を募り、約20パーセントの経費削減を目標とする。この数字が達成できなかった場合は、解雇もあるとしている。

 同社は、8月末までの3カ月の損失が9940万ドルと報告、昨年同期の損失は5410万ドルだった。同期の収入は昨年の2億3020万ドルから1億9870万ドルに減少。同社によると新聞の広告収入と発行部数による収入の減少が原因としている。一方でデジタル版での収入は増加しているものの、印刷版の落ち込みを埋めるほどの伸びになってはいない。

 同社は、全国紙ナショナル・ポストをはじめ、バンクーバー・サン、プロビンス(ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー)、カルガリー・ヘラルド、エドモントン・ジャーナル(アルバータ州)、オタワ・シチズン(オンタリオ州)、モントリオール・ガゼット(ケベック州)などトロントを除く主要都市地方紙を傘下に入れているほか、サン・メディアなども含め、約4千人を抱えている。今年1月には90人の記者・編集者を解雇した。今回は全従業員を早期希望退職の対象としている。

 

2016年10月27日 第44号

 ヨガウェアで知られるアパレル会社ルルレモン・アスレティカが、7月に連邦政府に対し外国人雇用プログラムの免除を求めていたことが20日分かった。免除が実現しない場合、本社を現在のバンクーバーから移転することも示唆していた。

 同社が必要とする人材がカナダ国内では見つからないことから、海外から雇用する必要があるが、同プログラムがその妨げになっている。アパレル会社としてファッション界で世界的な競争力を高めていく必要がある中で、プログラムの免除を要請するとの内容を連邦政府に提出していた。

 現在は本社移転についてはややトーンダウンしているものの、外国人労働者プログラムがカナダの企業発展の妨げになっているとの意見がルルレモン以外からも出ているという。バンクーバー市グレゴール・ロバートソン市長もルルレモンの主張を援護した。

 外国人労働者プログラムは2014年に保守党前政権が導入。あるファーストフードレストランで外国人労働者がカナダ人の雇用を奪っていると報道されたことがきっかけとなった。導入後は海外からの雇用手続きが煩雑になっているとの指摘が噴出しているという。自由党政権になり規制はやや緩和されている。

 

2016年10月27日 第44号

 家事手伝い募集の広告がインターネット上の掲示板サイトに掲載されたが、これは事実上召使い募集の広告だと、非難された。

 広告主はバンクーバー市のガスタウンにある高級コンドの住人。広告には、専門職で働くカップルが、家事手伝いを探していると記述されていた。

 仕事の内容は洗濯、軽い食事の用意、部屋の片付けや整理整頓など。

 この広告を見たブリティッシュ・コロンビア大学で雇用と不平等について研究している教授シルビア・フューラーさんは、要は召使い募集の広告だと指摘した上で、貧富の格差が広がり続けているバンクーバーでは、必然的に起きたことだとも話している。

 またこの仕事に就いても、将来のキャリアアップのためには何にもならない点が問題だとも。

 さらに、フューラーさんは、個人宅の中だけで完結する仕事では、見合った給料が支払われなかったり、虐待や搾取的な対応をとられたりする危険性もあると警告している。

 この広告は、現在取り下げられている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。