2016年10月13日 第42号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドの中心部にあるショッピングセンターの駐車場で4日、買い物に来ていた女性の子供が、誘拐されそうになる事件が起きた。

 ブリタニー・ランズさんの息子を誘拐しようとした女性は、執拗に子供をブリタニーさんから引き剥がそうとしたという。同行していた妹とともに助けを求め叫びながらセンター内に戻ったランズさんは、警備が厳しそうな宝飾店に駆け込んだ。しかしその間、センター内にいてこの様子を見ていた買い物客は誰も助けてくれなかっただけでなく、警備員も警察に通報した後は遠巻きに見守るだけだったという。

 この女は警察に知られている人物で、警察によると重度の精神障害をわずらっているとのこと。事件の翌日にメディアの取材を受けたランズさんは、もし駐車場で子供を一人にさせていたら、最悪の事態になっていたかもしれないと語り、他の犠牲者が出る前に精神疾患患者へのケアを改善すべきだと語っていた。

 

2016年10月13日 第42号

 シーズン終盤を迎えているカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)で、西地区のプレーオフ進出3チームが決定した。BCライオンズは8日、ウィニペグで西地区3位のブルーバマーズと対戦。35ー37で負け、勝ち点18で並ばれたものの、試合数の差で2位を維持し、3位のブルーバマーズと共にプレーオフ進出を決めた。ただ、順位は今後も入れ替わる可能性がある。4位のエドモントン・エスキモーズは10日モントリオール・アロエッツに勝利し、勝ち点16としたものの、プレーオフ進出を決めることはできなかった。エスキモーズのプレーオフ進出は東地区の試合結果次第となる。

 CFL以上にシーズン終了が近いメジャーリーグサッカー(MLS)では、東カンファレンスのトロントFCがプレーオフ進出を決定。モントリオール・インパクトも現在4位で、2試合を残しプレーオフ進出の可能性が高くなっている。

 一方、西カンファレンスのバンクーバー・ホワイトキャップスFCは、前回の試合結果によりプレーオフ進出の可能性が消滅。現在9位、2試合を残し最下位の可能性すらある厳しい状況となった。

 すでにプレーオフが始まっている大リーグ(MLB)ではトロント・ブルージェイズが快進撃を続けている。ワイルドカードで宿敵ボルチモア・オリオールズをエンカナシオンのサヨナラ本塁打で破った後、アメリカンリーグ地区シリーズ(ALDS)では西地区1位のテキサス・レンジャーズと対戦。テキサスでの第1戦を10ー1で快勝すると、第2戦では先発ダルビッシュ投手を打ち砕き2連勝。トロントで迎えた第3戦は、相手内野手のエラーからさよならを決め、一気に3連勝で2年連続優勝決定戦(ALCS)進出を決めた。

 ALCSの相手は中地区1位クリーブランド・インディアンズ。第1戦は14日クリーブランドで開幕、ブルージェイズの先発は11日にALDS第1戦でも先発したエストラーダと発表された。

 

2016年10月13日 第42号

 超常現象が絡む事件を追う捜査官が主人公のSFテレビドラマシリーズ、Xファイル。1993年にシーズン1が放映されて以来、根強い人気を保ってきており、映画化もされている。

 同番組は2002年を最後に制作が中断されていたが、バンクーバーで撮影された新シリーズ(6回)が今年、放映された。その制作が環境に配慮した持続可能なものであったことから、ブリティッシュ・コロンビア州で先ごろ行われたバンクーバー国際映画祭(VIFF)で、インダストリー・ビルダー賞が贈られた。

 同番組の監督、クリス・カーターさんは授賞式に出席するためバンクーバーを訪れた際、バンクーバーはこうした番組製作にとって「クルー、ロケ地、設備など、必要なものがすべて揃っている上に、米ドルとの為替レートによるコスト削減の恩恵まで付いてくる」最高の環境だと、賞賛していた。

 VIFFのエグゼクティブ・プロデューサー、ジャクリーン・ダピュイスさんは、彼の作品によってバンクーバーが、世界的に有名な映画や番組のロケ地になったと話している。2000年代初頭には落ち込んだ当地の映画業界だったが、その後のカナダドル安や優遇税制の導入、そして経験豊富なスタッフの数などから、現在では世界でも屈指のロケ地となっている。

 Xファイルのシーズン1から5まではバンクーバーで撮影が行われたが、その後ロサンゼルスにロケ地が移された。しかし、劇場版Xファイル「真実を探せ」と、最新シーズンの撮影が再びバンクーバーで行われた。

 取材に応じたカーターさんは、これからのXファイルもバンクーバーで撮影できるよう、真剣な交渉を行っている最中だと明かしている。さらに主人公の2人を演じた俳優、デビッド・ドゥカブニーとジリアン・アンダーソンへの出演交渉も進んでいるという。

 まだ何も正式に決定したわけではないが、全てはバンクーバーでのロケを念頭において進められているとカーターさん。彼がバンクーバーを気に入っている理由の一つは、森が隣接していること。同ドラマの超常現象の不気味さを醸し出す背景として、よく利用されているという。ただ、昨年のロケは夏に行われたため、気候が良すぎたとのこと。以前は秋から春の間の曇りがちな季節に撮影していたため「そのままで完璧なロケ環境だった」とカーターさんは語っていた。

 

2016年10月13日 第42号

 サスカチワン州レジャイナ市で7日、飼い犬が突然7歳の少女を襲った時の様子を、助けに入った祖母がメディアの取材に語った。

 それによると、床に落ちていた手袋を拾おうと屈んだ少女に、体重30キログラム前後の犬が突然、襲いかかった。その寸前まで、犬には興奮している兆候はなかったという。

 犬は少女のポニーテールを咥え、まるでぬいぐるみ人形のように少女を振り回した。現場に居合わせた祖母のイーレ・ピーターズさんはとっさにそばにあった棒で犬の頭を打ったが、今度は彼女に噛みつき、離れようとしなかった。自由になった少女は隣家に逃げ込み、警察と救急隊員が到着するまでそこにいた。

 ピーターズさんは腕に32針のけがを負い、皮膚移植も必要になるかもしれない状態。

 彼女によると、3歳になるこの犬は生後6週の時からこの家に飼われているが、今まで人を襲うようなことは1度もなかったという。ピーターズさん自身は、家族がこの犬を飼いつづけたいと思うなら、それはそれで構わないとしているが、家族の1人は殺処分にするつもりだとメディアに話していた。

 

2016年10月13日 第42号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのリハビリ施設に、障害を持った人でも運転できるように改造されたミニバンが寄付された。

 この施設は、バンクーバーGFストロング・リハビリテーション・センター。また同センターに2015年モデルのトヨタ・シエナを寄付したのは、同州の自動車保険を扱うICBC。

 同センターのリハビリ・プログラムの一環として利用されるこのミニバンには、特別仕様のハンドルや、タブレットによる操作を可能にする装置のほか、利用者の障害度合いに応じて脱着が可能な車椅子エレベーターも用意されている。ちなみに車両価格は15万7000ドル。

 同センターに勤務しているセラピスト、リサ・クリスタロビッチさんは、多くの人にとって車の運転は自由を意味すると指摘する。長期間にわたりここでリハビリを続けているシャーリーン・フルームさんは車椅子の生活だが、今でも自分の車を運転している。しかしその度に重たいもの上げ下ろししなければならず、それが苦痛だと訴えていた。

 それでも家族や友人、また公共交通機関には頼りたくない彼女にとって、今回のハイテク・ミニバンは自由の象徴だと、歓迎している。車椅子の上げ下ろしのためのエレベーターがつけられるとは、夢にも思っていなかったと、フルームさんはこのミニバンの先進性に感心していた。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。