5月19日、バンクーバーのコースト・プラザホテルで堀口智顕(ともあき)さんの講演会が開催された。

堀口さんの会社は盛和塾・稲盛塾長に出会う前には、売上高4000万円のどこにでもある零細企業だった。出会いからわずか9年で東証一部上場した会社の経営体験談が聞けるとあって、その極意を知ろうと80人の参加者が、前のめりになって聞き耳を立てた。しかし、その体験談はごく自然な人生観の実践であった。経営戦略などという難しいロジックより、「ただ、素直にお客さまの教えに学び、誰よりも一生懸命に働いたその結果です」と、さらりという堀口さんの言葉が身にしみる。なんの気負いもない。「ただ、盛和塾生の皆さまに少しでもお役に立てれば」と自らの経験談を披露した堀口さん。 会場では笑いあり、感嘆のため息ありで、あっという間に予定の2時間を大幅にオーバーしていた。

 

ホープチェストプロジェクト 2011 ― 2015
6月12日まで開催 バーナビー・アート・ギャラリー

この世界のあちこちで、少女たちが非人道的な状況に置かれていることを知り、怒りを覚えた鈴木道子さん。芸術家である自分にできることは何かと問いかけた。その答えを形にしたのが「ホープチェスト(希望箱)プロジェクト」である。

 

ことしの4月上旬、カナダ北極圏に位置する町・イヌビックからバンクーバー経由で日本へ帰国途中の関口さんに話を聞いた。

今回の「厳冬期カナダ北極圏海氷面スキー&徒歩踏破/400km・34日間」は、関口さんが今まで経験のなかった海氷面での冒険だった。厳冬期北極圏の海氷面が年々少なくなってきていることは、カナダでも時々報道される。冒険家関口さんにとってもそれは無縁なことではない。 北極圏の冒険というと日本人なら植村直己さんを思い出す人も多いだろう。植村さんのころと比較すると、厳冬期の北極圏海氷面の不安定さが増し、リードと呼ばれる海面の出現の頻度が上がるなど困難さが増している。そんな海氷面でのトレーニングを行い、来年には海氷面500kmの冒険を予定していた。

ところが、ことしの「海氷面スキー&徒歩踏破/400km・34日間」の経験から、500kmは踏破できるとの確信を得たので、次回にはさらに難度が高く、命に危険性のある冒険に挑戦することにしたという。  

極地冒険には必需品といわれる衛星携帯電話などを持たず、凍ったカリブーやクジラの脂を食べ、カリブーの毛皮にくるまって夜を過ごした。もちろん最新のものを拒否しているわけではない。今までの極地での経験を生かし、原点回帰のスタイルと最新のスタイルとを融合して、関口さん独自の冒険スタイルを生み出しつつある。

新たな冒険についても「難易度的にとても高難度のことができつつ面白いラインを見つけることができたので」と屈託がない。そんな関口さんに今回と今後の冒険について話を聞いた。

 

日系文化センター・博物館の理事長に、ことし4月から就任した五明明子さん。その双肩にかかるのは、あまりにも重く、厳しい道程といえるだろう。これまでもさまざまな日系センターの事業が発進され、成功をおさめてきたにもかかわらず、さらなる深化と高みへと導かなければならない。同じことを継続するだけでは、乗り越えられない。時には、成功体験をも否定するほどの覚悟が必要だろう。その覚悟のほどはいかに。4月30日、日系センターで直球のインタビューを試みた。ストレートな答えが返ってきた。

 

4月24日、バンクーバー日本語学校並びに日系人会館で、JALTA(BC州日本語教育振興会)の主催による日本語教育講座が開かれた。バイリンガルの土台作りというテーマのもとに、BC州公認スピーチセラピストの高井おさむ氏と、教育学博士でSFU(サイモン・フレーザー大学)日本語コース講師の竹井尚子氏が講演した。また、ゲストスピーカーとして日英バイリンガルの弁護士、森永正雄氏もみずからの日本語学習について語った。ここで講演内容の一部を紹介する。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。