『いま、ここを、いきいきと生きる』 (祥平塾合気道』モットー)

初対面とは思えない人なつこさ。気取らぬ笑顔。瞳の奥に映るやさしさと思いやり。「たま先生!」と生徒さんみんなから慕われるわけは、そんな大らかな人柄にあるのだろう。
 中嶋田玉美先生がカナダで合気道を教え始めて25年。現在4つの道場を運営しながら指導にあたっている。毎朝近くの小学校で交通安全のボランティアをし、昼には校庭の監視員として勤務。さらに息子さん(15)のアイスホッケーの練習と試合をサポート。園児のころからかけっこが得意で、「今も走りまくってます(笑)」と多忙な毎日を送る。

日系3世としてカナダに生まれながら、日本舞踊を舞い琴を弾き、尺八に合わせて歌う田保照沙先生。琴の師範である母から日本の伝統を身近に受けて育った姿は、まさに“日本人よりも日本的”といった印象を受ける。琴の素晴らしさを多くの人に伝えたいと、長年の演奏活動に加え、後輩の指導にも力を入れている。

ビジュアル・アートの世界で60年以上に渡り、活動を続けるタカオ・タナベ氏。だが、日系社会で彼の名を知る人は少ない。抽象画を中心に描いた時期を経て、ヨーロッパや日本で研鑚を積み、さらに水彩画へと広がっていった作風。可能性を追求する姿勢は、日系カナダ人として生きるアイデンティティー模索とも重なるかのように見える。

日本とカナダのふたつの文化を合わせた独自の文化をふたりで作っていく過程において、自分の文化や常識を押しつけてしまい衝突することがある。しかし衝突を通して相手を知り、自分自身をも知ることができるのではないか。
11月23日、国際結婚の会が今年4回めのワークショップを開催した(JCCA後援・隣組協賛)。寒気に襲われた夜のミーティングだったが、会場の隣組には約17人が集まり、質問や疑問を出し合い、精神科医、野田文隆先生の話を聞き、幸せな国際結婚について話し合った。

新楽章の幕開け
出生率が低下している一方で、平均寿命が延びる中、高齢化社会の問題はカナダでも取り上げられている。加えて、核家族化や女性の社会進出が進み、ここバンクーバー周辺の日系社会でも、高齢者の介護、支援問題への対応の必要性が叫ばれるようになり、新さくら荘と日系ホームがそれぞれ1998年と2002年にオープンした。

開設から10年前後の年月が経過した両施設について、概要と今後の計画について、Nikkei Seniors Health Care & Housing SocietyのExecutive Directorキャシー・マキハラさんに話を聞いた。

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。