2019年1月31日 第5号

 米ワシントン州でのはしかの流行を受け、ブリティッシュ・コロンビア州疾病管理センターが旅行に関する注意情報を出した。

 米ワシントン州クラーク郡では先週末までに31件のはしかが報告され、同州は緊急事態宣言を発令している。米ワシントン州と、隣接するオレゴン州は個人的または哲学的理由からの予防接種拒否を認めている。同郡は、予防接種率が全米平均より低い『アンチ予防接種地域』として知られており、31件のうち27件は、はしかに対する予防接種を受けていない人が発病している。また1人が入院した。

 同州ポートランドの公衆衛生当局者は、はしかに感染する恐れがある場所としてポートランド空港のほか、同市のプロバスケットボールチーム、ポートランド・トレイル・ブレーザーズの試合会場、宅配荷物の一時預かり施設であるアマゾン・ロッカーやコストコやイケアといった店舗を挙げている。

 BC州疾病管理センターは、こうした場所への旅行で、はしかに感染する恐れがあると警告している。はしかは保菌者のせきやくしゃみでも空気感染する、感染力が極めて強い感染症。特に1歳未満の乳児のほか、今まではしかの予防接種を受けたことがない人に対し、旅行前に予防接種を受けるよう呼び掛けている。はしかのワクチンが含まれている新三種混合ワクチンは最寄りの医療機関、ホームドクター、また多くの薬局で受けることができる(詳しくは『immunize』『BC』で検索)。

 BC州では毎年、何件かのはしかの発症例が報告されているが、そのほとんどは予防接種をちゃんと受けずに、はしかの発生が続いている地域へ旅行、帰国後に発症しているケースがほとんだと、疾病管理センターでは話している。2018年にBC州内で報告された6件の発症例のうち、2件はインドとフィリピンで感染したものだった。今年も、フィリピンから帰国した州民が1人、はしかを発症している。

 

2019年1月31日 第5号

 オンタリオ州に住む兄弟が、カヌーを担いでエベレスト登山のベースキャンプまでの道のりを2週間以上かけて踏破した。

 この兄弟は、カイル・ロバーツさんとトム・シェレンバーグさん。二人とも精神的疾患を負っているが、今回の登山の目的は、精神的障害という余分な重荷を背負っている人々への理解を深めてもらい、ネパール・カトマンズ市にある女性のためのメンタルヘルス施設への寄付を募るというもの。

 この挑戦に多くの支援が寄せられたことから、自分たちも支援されていない人たちに何かをしなければいけないと感じたと、シェレンバーグさんはエベレストのベースキャンプからメディアの取材に答えている。

 彼らはそれぞれ1艘ずつ、自分の身長の2倍以上の長さのカヌーを担いでベースキャンプを目指した。カヌーを担ぐのに、特別な方法が取られたわけではない。車から降ろしたカヌーを湖畔まで運ぶ時のように、カヌーを両手で頭上に掲げ、食料や寝袋が詰め込まれたリュックを背負っての登山だ。これらを合わせると、彼らが背負っていた荷物は36キログラム(80ポンド)を超えるていた。

 またカヌーがあるため、2人は通常の登山開始地点よりかなり前から歩き始めるしかなかった。2人は体の痛みと、絶えないけがに耐えながら登山を続けた。シェレンバーグさんの足先は感染症を起こした。

 18日間の苦行に耐えてベースキャンプにたどり着いた時、感極まった2人は大声で泣いたという。彼らは登山の状況をオンラインで逐一公開していたが、この様子を見守っていた家族や友人らは、目的を達成した2人を誇りに思うと取材に語っている。

 これから彼らは、200キロメートル以上の道のりを約1週間かけて下山する予定だ。

 

2019年1月31日 第5号

 芝刈り機メーカーが、製品の性能を誇大表示していたことを巡って争われていた集団訴訟が和解に至ったことで、750万ドルの補償金が対象者に支払われることになった。ただしこのお金を受け取るためには、申請の必要がある。

 30馬力以下のガソリンエンジン式芝刈り機(手押し式、乗用式のどちらでも)を1994年1月1日から2012年12月31日までの間に購入した人に、この補償金を受け取る権利がある。メーカーは、クラフツマン、ホンダ、ジョンディアー、MTD、ウィードイーター、またヤードマンなど40社近くが対象となっている。

 補償金受け取りの申請には、芝刈り機の購入と、その際に示されていた馬力を証明できる書類が必要となる。受け取れる額は20ドルから55ドルの間となる。なお証明書類を用意できない場合は、一律15ドルの補償となる。

 個人のほか、小売り目的で対象製品を仕入れた小売店や卸店も、補償の対象に含まれる。書類申請の締め切りは5月22日。詳細は『lawn』、『mower』、『settlement』、『ca』で検索。

 

2019年1月31日 第5号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市を走るふたつのスカイトレイン、エキスポラインとミレニアムラインが交差するコマーシャル=ブロードウェイ駅で、新しいプラットフォームが来月オープンする。

 スカイトレインや、駅の下を通るコマーシャルドライブを行き交う車の騒音が絶えない同駅だが、新ホームにはすでにハトが巣を作り始めており、利用客に糞の被害が及ぶ恐れがある。

 スカイトレインを運用するトランスリンクは、いくつかの対策を用意している。一般的な針状のプロテクターやネットのほか、微弱な電気を流しハトが居つづけるのを防ぐテープなどだが、トランスリンクはさらに、ハトの天敵であるタカを時々ホーム内で飛ばすようにしているという。これによって、ハトがこの場所が安全でないと思ってくれることを狙っていると、同社のジル・ドリューさんは取材に語っている。

 新しいプラットフォームは、2月2日に供用開始予定。このプラットフォームでは、西行き列車に両側から乗り降りできるようになる。

 

2019年1月31日 第5号

 オンタリオ州オタワ市で、ケアワーカーを装いマンションなどに侵入した疑いで、女が逮捕された。

 アンジェラ・ドーン・ハンナ容疑者(43歳)は昨年、ケアワーカーが仕事中に着用する作業着(スクラブ)を着て同市西部のマンションのほか、いくつかの住宅に侵入したことから逮捕され、4件の家宅侵入と複数の執行猶予条件違反で告訴された。

 ハンナ容疑者がマンション内にいるところを目撃、メディアに知らせた住人によると、ハンナ容疑者は薬の入ったボトルを手に、『フィリス』という人物を探していると、居合わせたこの住人に話しかけてきたという。しかし別の時に、玄関外の植え込みに隠れていたハンナ容疑者が、玄関のオートロックのドアを開けた瞬間に飛び出してきたのに遭遇した。彼女は『ロックアウトされた』と彼に説明、マンション内部に入ろうとしたが、この住人に阻止された。この時もハンナ容疑者は青いスクラブを着て野球帽をかぶり、さらに腕で顔を隠そうとしていた。

 この時の様子を収めた住人による動画がニュースで紹介されると、他の住宅でもハンナ容疑者が家宅侵入をしていたことが明らかになり、逮捕にいたった。またハンナ容疑者は昨年1月に、同州ウィットビーでの家宅侵入で有罪判決を受けていた。

 オタワ市警察はハンナ容疑者の犯行に関する証言が集まるきっかけとなったニュースが、犯人逮捕に大いに貢献したと話している。また動画をテレビ局に提供した住人は、自分たちには何事も起こらなかったが、同じマンションの住人の注意を喚起するためだったと語り、「何か良くないことを見かけたら、放っておかないで対処すべき。そうすれば少なくともそれ以上悪いことにはならない」と付け加えていた。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。