2019年1月17日 第3号

 アメリカの自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)がオンタリオ州オシャワの工場を今年末までに閉鎖するという決定を覆そうと連邦政府、オンタリオ州政府が働きかけていることが15日分かった。

 アメリカ・ミシガン州デトロイトで今月14日から開催されている北米国際オートショー2019の舞台裏で、14日には連邦政府ナヴディープ・ベインズイノベーション・科学・経済開発大臣がGMメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)と、15日にはオンタリオ州ダグ・フォード州首相がGMマーク・ロイス社長と面会し、オシャワ工場閉鎖を再考するよう要請したとカナディアン・プレスが伝えた。しかしGMの考えは変わらないことを告げられたという。オシャワ工場はカナダ最大のGM工場で、閉鎖されれば約3千人の雇用に直接影響するだけでなく、関連会社への影響も大きい。

 労働組合UNIFOR会長ジェリー・ディアス氏は15日記者会見を開き、両政府の努力に一定の評価をし、GMのオシャワ工場閉鎖決定は間違っている、組合はGMの決定を覆すために最後まで努力すると語った。

 

2019年1月17日 第3号

 ケベック州モントリオール市南部のラサールの小学校で14日、生徒と教師ら合わせて43人が頭痛などの不調を訴え病院に運ばれ、全校が近隣の学校へ避難する事態となった。消防では一酸化炭素中毒が原因だとみている。

 この小学校は、生徒数約270人のエコール・ド・デコブレア校。午前11時半ごろから、生徒や教職員が相次いで頭痛や吐き気といった不調を訴え出した。少なくとも3台の救急車が現場に急行、救急隊員が容体を確認した。この段階では15人から20人程度が不調を訴えていたが、この事態を受けて全校が近隣の学校に避難した後、再び不調を訴える人が出始めた。ある生徒はメディアの取材に対し、頭痛と胸の痛みを覚えたあと、突然意識を失い床に倒れ、前歯を欠いたと語っていた。

 最終的には、35人の生徒と、8人の大人が病院で手当てを受けることとなった。モントリオール小児病院の医師は、患者らの容態は安定しており、引き続き経過を観察していくと語っている。

 原因を調査していたモントリオール消防署によると、校舎の暖房設備から漏れ出した一酸化炭素が原因の中毒だとみている。生徒や教職員が避難した後、消防隊員が校舎内の換気を行い、作業員が暖房施設の点検修理に取りかかった。

 教育委員会は、校舎内には一酸化炭素検知器が設置されていたことを確認している。頭痛を訴えた生徒のひとりを迎えにきた女性はメディアに対し、学校の対応は組織的になされスムーズだったと話している。

 

2019年1月17日 第3号

 オンタリオ州トロント中心街で7日深夜、ポルシェの販売店に車が突っ込み、ショールームに展示してあった何台かが損傷した。

 車を運転していたのは20歳の男性。同日午後11時少し前、車はビルの1階にある、通りに面したショールームの全面ガラス張りの正面から突っ込み、中に展示してあったポルシェに激突した。この衝撃でポルシェはさらに、別のポルシェにぶつかった。

 男性にけがはなかったが、彼は車から降りるとショールーム内にあった、損傷したのとは別のポルシェ何台かに『Eve』と落書きをしたという。男が販売店の従業員に語ったところによると、彼はつい最近ガールフレンドと別れたばかりで、落書きしたのは彼女の名前だったということだが、警察は落書きされた名前が何であったかについては、コメントしていない。

 その後男は駆けつけた警察官に逮捕され、販売店の向かいにある警察署に連行された。男からはアルコールや薬物は検出されず、故意にショールームに突っ込んだとみられている。男は危険運転行為と、5千ドル以上の器物損壊2件、5千ドル以下の器物損壊1件の罪で告訴された。販売店は取材に対してコメントを差し控えている。

 

2019年1月17日 第3号

 アルバータ州南部、人口9万3千人弱の都市レスブリッジの市道で5日夜、けがを負った若い子鹿を安楽死させるため、警察官がパトカーでひき殺す場面を撮影した動画がインターネット上に投稿され、物議をかもしている。

 動画には、パトカーが子鹿を何度かひく度に、子鹿が金切り声をあげている状況が映されている。

 安全な動物の捕獲や扱い、また安楽死に関して30年以上の経験がある、同州カルガリー大学の獣医麻酔学教授ナイジェル・コールケットさんは、どんな理由であれ、安楽死のためにひき殺すことは許されないと取材に語っている。また特に鹿の苦痛と、その対処方法についても研究を続けてきたコールケットさんによると、鹿が叫び声をあげるのはきわめて異例だという。そのことを知っている彼にとって、この動画を見るのは非常に苦痛だったと話している。

 また負傷した野生動物の対処に出動した警察官の置かれた状況に理解を示しつつも、対応する警察官は人道的な方法で安楽死を実行するよう訓練を受けているべきだとしている。またレスブリッジ警察の警察官が所持している拳銃が9ミリ弾や40口径弾を使用している場合、至近距離から発砲すれば動物を即死させることも可能だったかもしれないと指摘する。しかし弾が動物を貫通し、その流れ弾が市民に危害を与える恐れがあることから、拳銃の使用をためらった可能性もあると取材に説明している。

 そのほか安楽死のために適切な器具がなかった場合、自然保護官が勧める方法としては、『クイック・キル』と呼ばれる、頚動脈を切る方法もあり、自分がこの警察官の立場だったら、この方法も選択肢としていただろうと語っていた。

 一方、アルバータ重大事故対応チーム(Alberta Serious Incident Response Team - AIIRT)は9日、この件に関して調査を開始したことを発表した。またその中で、当時は警察官の生命に危険が及ぶ状況だったとしている。また公開された動画は事実であるとしても、それは事件の一部を切り取ったものであり、動画撮影の前に起こっていたことも目撃者の証言などを集めて検証し、事件の全体像を公平に調査する必要があると付け加えている。

 

2019年1月17日 第3号

 オンタリオ州オタワ市西部のバスターミナルで11日、通勤用2階建てバスが待合所の建物から突き出したひさし部分に激突し大破した。この事故で乗客3人が死亡したほか、20人以上が負傷した。

 事故が起きたのはウェストボロー・バスターミナルで、午後4時少し前のこと。バスは同市の西約20キロのところにある、人口およそ9万人の都市カナタのブライドルウッド行きだった。事故の様子を目撃していた人の証言によると、2階建てバスが道端の停留所に近づいてきたところ、突然歩道に乗り上げその上を走るような格好になり、その上にあったひさしに激突した。ひさしの高さは、ちょうどバスの2階部分と同じだったため、バスの前方約3分の1の2階部分が、このひさしによって切り裂かれた状態となった。

 この事故で乗客2人と、停留所でバスを待っていた1人が死亡したほか23人が負傷し、そのうちの何人かは重傷だという。また大きく壊れたバスの2階部分に取り残された乗客を救出するのには、かなりの時間がかかった。

 14日には死亡した3人の身元が、警察から公表された。それによると、死亡したのはカナダ国境警備局のブルース・トムリンソンさん(56歳)、カナダ国家財政委員会のアンヤ・バン=ビークさん(65歳)、そして国家首都委員会を退職後、引き続きパートタイムとして勤務していたジュディ・ブースさん(57歳)。ジム・ワトソンオタワ市市長は14日、市庁舎で記帳を行い「全市が深い悲しみに沈んでいる」と、哀悼の意を表していた。

 警察は当時バスを運転していた女性の身柄を拘束し警察署で取調べを行ったが、その後釈放している。地元メディアによると、この女性ドライバーは採用されてから1年たっていないほか、それ以前に2件の事故を起こしているという。しかしワトソン市長は市民に対し、警察の捜査が終了し公式な事故報告が発表される間では、勝手な推測や判断は慎むよう呼びかけている。

 オタワ市では2013年にも、2階建てバスが遮断機が降りている踏切に突っ込み、通過中の旅客列車に衝突、バスの乗客6人が死亡する事故が起きている。

 

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