2019年1月17日 第3号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市で、空き巣によって盗まれた盗品千点以上がカナダ連邦警察(RCMP)によって押収された。

 RCMP窃盗犯罪課は昨年12月5日、同市西部のテラノバ地区の住宅に侵入していたアーロン・ヤン容疑者を逮捕したのに引き続き、同市ジェネラル・カリー通りの住宅のほか同市リバーサイド・ウェイおよびシーアイランド・ウェイ沿いの貸し倉庫、およびバンクーバー市イーストケント・アベニュー沿いの貸し倉庫を家宅捜査した。その結果、高級ブランドのハンドバッグ、服、靴、腕時計や酒類、小型電子機器、また宝飾貴金属類や楽器、電動工具、運動器具、さらに何本かの刀など千点以上の盗品が押収された。そのほか、犯行に使われたとみられる車2台も押収された。

 警察はその後何週間もかけて、この膨大な数の盗品をひとつずつチェックしていった。RCMPは、窃盗犯罪対策は、同警察の優先事項だと取材に語っている。ヤン容疑者は12月6日に仮釈放されたものの、同19日には空き巣の下見をしていたところを私服警官に見つかっている。

 検察はヤン容疑者に対し、10件の侵入盗のほか武器を用いた暴行1件、犯罪目的の変装2件、および5千ドル以上の盗品の所持2件の、合計15件の罪で告訴した。なお同被告は拘留されたままとなっているほか、捜査が進むにつれて罪状が増える見込みだと、警察は取材に語っている。

 

2019年1月17日 第3号

 アルバータ州カルガリー市とその周辺では、現金自動預払機(ATM)を機械ごと盗む侵入盗が増加している。 7日未明には同市北にある、人口約3千人の町クロスフィールドのコンビニエンスストアからATMが盗み出された。犯人は午前4時40分ごろ、閉店後の店の入り口を壊して侵入、ATMの機械を外に引きずり出して、乗り付けたバンに乗せて逃走した。

 また、この際に店内の棚や商品、キャビネット、カウンターのほか電話やPOSシステムに損害を与えていった。店主のカイール・アルゲバリさんは、その被害額をざっと15万ドルとみている。商売の上でもっとも重要な部分にダメージを被ったことで、店の再開には少なくとも1カ月はかかるだろうと、アルゲバリさんは取材に語っていた。

 カナダ連邦警察(RCMP)によると、カルガリー市では昨年12月だけで8件のATM盗難があったほか、エイドリー、ストラスモア、コクレーン、オコトクスといった近郊の町でも、昨年のクリスマス以来7件の盗難や盗難未遂が発生している。

 この事態を受けてRCMPでは、事業主に対して警戒を呼びかけるとともに、不審な人物については警察に通報するよう求めている。犯人らは犯行前に店を訪れ、店内のレイアウトを確認していくことが多いという。

 アルゲバリさんはコンビニエンスストアを経営して約20年となるが、事件後地元の人々からは次々と支援の手が差し伸べられていると、取材に語っている。

 

2019年1月10日 第2号

 ジャスティン・トルドー首相が今月初めにも3選挙区での補欠選挙日程を発表することが分かった。ただ今月2日に正式に辞職したブリティッシュ・コロンビア(BC)州ナナイモ‐レディスミス選挙区については今回の補欠選挙に含まれるかは不明だ。

 補欠選挙が行われる3選挙区は、BC州バーナビー・サウス選挙区、オンタリオ州ヨーク‐シムコ選挙区、ケベック州モントリオールのアウトレモント選挙区。ヨーク‐シムコ選挙区は保守党ピーター・バンローン議員が辞職したことで空席に、アウトレモントは新民主党(NDP)トム・マルケア前党首が辞職したことで空席になっていた。

 BC州バーナビー・サウスは、現バンクーバー市長のケネディ・ステュワート元NDP議員が昨年10月に実施されたバンクーバー市長選に参加するため議員を辞職し空席になっていた。この選挙区では、NDPジャグミード・シング党首が立候補することを表明している。NDPは現在自由党、保守党から大きく支持率で引き離されており、その要因の一つがシング党首が議席を保有していないとされることから、選挙戦に備えるために補欠選挙への出馬を決めた。党首に選ばれた当初は今年の総選挙で選挙に出馬する意向を示していた。

 シング党首がバーナビー・サウスから立候補することを発表した後、シング党首の地元オンタリオ州ヨーク‐シムコ選挙区が空席になったが、シング党首はBC州から立候補することに変わりはないと強調した。バーナビー・サウスはこれまでステュワート氏が2期連続当選しているが、2回とも僅差での当選となっている。シング党首がここで当選するかは今年の総選挙でのNDPの選挙戦を占う上でも重要な選挙となるため、注目されている。

 BC州ナナイモ‐レディスミス選挙区は、今月実施されるBC州ナナイモ選挙区補欠選挙に立候補したNDPシーラ・マルコルムソン議員が1月2日に辞職したため空席になった。連邦補欠選挙は2月に実施される予定とみられている。

 

2019年1月10日 第2号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ジョン・ホーガン州首相は1月2日、ナナイモ選挙区の補欠選挙を1月30日に実施すると発表した。

 ナナイモ選挙区では昨年10月に実施されたナナイモ市長選にBC州新民主党(NDP)レオナルド・クロッグ元議員が出馬し当選したため空席となった。

 この補欠選挙にはすでにNDPのほか、自由党、グリーン党からも候補が発表されている。NDPはナナイモ‐レディスミス選挙区の連邦NDP議員シーラ・マルコルムソン議員が立候補する。グリーン党は元教師でナナイモ元市長フランク・ネイ氏の娘ミッシェル・ネイ氏、自由党はビジネスマンのトニー・ハリス氏を候補に立てている。

 この選挙区では長年NDPが議席を確保してきた。本来ならそれほど大きな注目を集める選挙区ではないが、現在BC州議会の状況が非常に僅差のため結果次第ではNDPの短期政権になる可能性がある。

 現在のNDP政権はグリーン党3議席との非公式の連立で成り立っている。NDPは40議席。一方自由党は42議席で、仮に自由党候補が勝利すれば議席数は、NDP・グリーン43、自由党43と同数になる。そのため4年を待たずに選挙が実施される可能性が出てくる。

 グリーン党が候補者を立てることによりNDPとグリーン党の票が割れる可能性があるのではとの懸念があるが、グリーン党アンドリュー・ウィーバー党首はその心配はないと語っている。

 

2019年1月10日 第2号

 今秋実施される総選挙を前に自由党政権ジャスティン・トルドー首相の支持率が政権交代する1年前の保守党前政権のスティーブン・ハーパー前首相とほぼ同じとなっていることが3日、世論調査で分かった。

 世論調査会社ナノス・リサーチとインスティテゥート・フォ・リサーチが昨年11月30日から12月5日までに電話とインターネットで行った調査によると、トルドー首相の実績に対して「良い」、「まあまあ良い」と答えたのは35パーセントだったと発表した。

 この数字は2014年のハーパー前首相の37パーセントと類似しているという。トルドー首相は2015年の総選挙でハーパー保守党政権に大勝し政権を奪回した。

 ただ当時の状況と現在とは簡単に比較できないため数字がすべてではないが、カナダが正しい方向に向かっているかという質問に対する答えでは、トルドー首相が政権を取った当初の2015年には63パーセントだったが、今回の調査では47パーセントと大きく低下した。

 ナノス調査会社のニック・ナノス氏はカナダ国民の典型的な傾向として政権が交代した直後には、カナダは正しい方向に進んでいるという回答を示すが政権が長くなっていくとそれが変化していくと分析している。

 一方、毎年実施される世論調査会社イプソス社による家計状況を国民がどのように感じているかの調査結果が発表された。2018年12月に実施された2019年への見通しに関する調査では、「良い」と感じていると答えたのが71パーセントで、2017年の80パーセント、2016年の75パーセントを下回った。また家計状況が現在「良い」状況と答えたのは2018年は61パーセント、2017年が66パーセント、2016年は62パーセント。2019年に備えて貯金を十分にしているという人は64パーセント、2017年は72パーセント、2016年は65パーセントだった。

 ほとんどの調査結果で2018年が最も低くなっている。トルドー首相は2015年に政権を取って以降、中間層の経済的な向上を目指すと繰り返し訴えてきたが国民が必ずしも経済状況が良くなったと感じていない実態が浮き彫りになった。

 これが今年の選挙にどう影響するのか。選挙は今年10月に実施される。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。