2019年1月10日 第2号

 ブリティッシュ・コロンビア州内陸部にある小学校で、保護者諮問評議会(Parent Advisory Council― PAC)の銀行口座から、何者かが預金を勝手に引き出していたことが発覚した。

 この小学校は同州内陸部最大の都市、ケロウナ市の東部にあるサウス・ラットランド小学校。同校のPACの銀行口座から、約2万2千ドルがひそかに引き出されていた。PACによると、口座からの出入金は通常はデビットカードではなく、小切手か窓口での現金受け渡しによって行われているという。PACのメンバーの中で口座にアクセスできる人物が、何年もの間に少しずつ預金を引き出し続けていたとみられている。

 実は同じような事件が昨年9月にも、オカナガン湖を挟んだ対岸にあるグレンローザ小学校のPACでも発生していた。奇しくも損失額は2万2千ドル程度と見積もられているが、サウス・ラットランド小学校とは人的にも地理的にも関連性がなく、別件として扱われている。

 この事態を受けて、ケロウナ市とその一帯を管轄するセントラル・オカナガンPACは、他のPACにも銀行口座の管理を徹底するよう注意を喚起する通達を出した。PACが口座に預けているお金は、もともとファンドレージングや寄付によって集められた、生徒の家族からのもの。それを横領することは各家庭からお金を盗んでいることに等しいと、同PACのサラ・シェークスピアさんは非難している。

 PACが集めた資金は、遠足やホットランチ、生徒のための設備・備品購入などに充てられている。サウス・ラットランド小学校PACでは、この損失を補填するための寄付集めの名案を探している。なお犯人については目星がついており、告発を受けた警察が捜査を行っている。

 

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