2019年1月17日 第3号

 ケベック州モントリオール市南部のラサールの小学校で14日、生徒と教師ら合わせて43人が頭痛などの不調を訴え病院に運ばれ、全校が近隣の学校へ避難する事態となった。消防では一酸化炭素中毒が原因だとみている。

 この小学校は、生徒数約270人のエコール・ド・デコブレア校。午前11時半ごろから、生徒や教職員が相次いで頭痛や吐き気といった不調を訴え出した。少なくとも3台の救急車が現場に急行、救急隊員が容体を確認した。この段階では15人から20人程度が不調を訴えていたが、この事態を受けて全校が近隣の学校に避難した後、再び不調を訴える人が出始めた。ある生徒はメディアの取材に対し、頭痛と胸の痛みを覚えたあと、突然意識を失い床に倒れ、前歯を欠いたと語っていた。

 最終的には、35人の生徒と、8人の大人が病院で手当てを受けることとなった。モントリオール小児病院の医師は、患者らの容態は安定しており、引き続き経過を観察していくと語っている。

 原因を調査していたモントリオール消防署によると、校舎の暖房設備から漏れ出した一酸化炭素が原因の中毒だとみている。生徒や教職員が避難した後、消防隊員が校舎内の換気を行い、作業員が暖房施設の点検修理に取りかかった。

 教育委員会は、校舎内には一酸化炭素検知器が設置されていたことを確認している。頭痛を訴えた生徒のひとりを迎えにきた女性はメディアに対し、学校の対応は組織的になされスムーズだったと話している。

 

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