2019年1月31日 第5号
オンタリオ州に住む兄弟が、カヌーを担いでエベレスト登山のベースキャンプまでの道のりを2週間以上かけて踏破した。
この兄弟は、カイル・ロバーツさんとトム・シェレンバーグさん。二人とも精神的疾患を負っているが、今回の登山の目的は、精神的障害という余分な重荷を背負っている人々への理解を深めてもらい、ネパール・カトマンズ市にある女性のためのメンタルヘルス施設への寄付を募るというもの。
この挑戦に多くの支援が寄せられたことから、自分たちも支援されていない人たちに何かをしなければいけないと感じたと、シェレンバーグさんはエベレストのベースキャンプからメディアの取材に答えている。
彼らはそれぞれ1艘ずつ、自分の身長の2倍以上の長さのカヌーを担いでベースキャンプを目指した。カヌーを担ぐのに、特別な方法が取られたわけではない。車から降ろしたカヌーを湖畔まで運ぶ時のように、カヌーを両手で頭上に掲げ、食料や寝袋が詰め込まれたリュックを背負っての登山だ。これらを合わせると、彼らが背負っていた荷物は36キログラム(80ポンド)を超えるていた。
またカヌーがあるため、2人は通常の登山開始地点よりかなり前から歩き始めるしかなかった。2人は体の痛みと、絶えないけがに耐えながら登山を続けた。シェレンバーグさんの足先は感染症を起こした。
18日間の苦行に耐えてベースキャンプにたどり着いた時、感極まった2人は大声で泣いたという。彼らは登山の状況をオンラインで逐一公開していたが、この様子を見守っていた家族や友人らは、目的を達成した2人を誇りに思うと取材に語っている。
これから彼らは、200キロメートル以上の道のりを約1週間かけて下山する予定だ。