2019年6月13日 第24号

 北米プロバスケットボール協会(NBA)のオンタリオ州トロントを本拠地とするトロント・ラプターズが快進撃を続けている。

 レギュラーシーズンを東カンファレンス2位で終えたラプターズはプレーオフを勝ち上がり、カンファレンス決勝でミルウォーキー・バックスを4勝2敗で下し、NBA優勝決定戦に勝ち進んだ。相手はゴールデンステート・ウォリアーズ。今季で5年連続NBA優勝決定戦に進出、過去4年で3回優勝しているNBA最強チームだ。

 そのウォリアーズに7日、105-92で勝利し、シリーズを3勝1敗として優勝に王手をかけ、10日、本拠地トロントに戻ってきた。NBA30チーム中、カナダにあるのはラプターズのみ。カナダのチームとして優勝をかけたこの日の一戦に、カナダ中のファンが盛り上がった。

 トロントでは街にラプターズファンが溢れ、西はバンクーバー、東はハリファックス、北はヌナブト準州まで、国民が固唾を飲んで決戦を見守った。結果は105-106のワンポイント差で惜敗。優勝は13日、カリフォルニア州オークランドでの第6戦に持ち越しとなった。

 

2019年6月13日 第24号

 オンタリオ州南部、トロントから西に100キロほどのところにある、13万2千人弱の都市ゲルフで6日午後、自転車に乗った少年らが、線路に倒れていた男性の救助に貢献した。

 11歳から12歳の3人、ジョーダン君、ガブリエル君、そしてグリフォン君はこの日の午後、線路上に何かが横たわっているのを見つけた。近くに寄ってみると、それが自転車であり、さらに人が気を失って倒れているのも分かった。

 線路の先には工事現場があったので、彼らはそこへ向かい、働いている作業員に見たことを話した。作業員が911番通報を行い、駆けつけた救急隊員がこの男性に処置を施した。

 ゲルフ警察のジェニファー・ナダリン巡査は、この男性には医療処置が必要だっただけではなく、この線路を30分後には列車が通る予定だったと話し、この年頃の子供たちとしては緊急事態をよく把握して、人命を救ったことに讃辞を送っていた。

 この自転車3人組には、地元のアイスクリーム・チェーン店からアイスクリームがプレゼントされたほか、警察活動に関するジュニア市民賞候補に推薦された。

 

2019年6月13日 第24号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバー地区の都市サレーにある墓地が、環境に優しい埋葬『グリーン埋葬(Green Burial)』を開始した。

 この墓地、ヘリテージ・ガーデンズのオーナー、トレバー・クレインさんはこれを「ビーガン埋葬」と呼んでいる。また、社会全体が環境に配慮した「レデュース・リユース・リサイクル」の時代に移っていくのに比べ、葬儀業界はその動きが鈍かったと取材に話している。

 ヘリテージ・ガーデンの「ビーガン埋葬」では、火葬された遺灰やエンバーミング(遺体保全処理)や化学薬品を用いた遺体などは埋葬しない。また遺体に着せる衣装や棺桶も生物分解性の素材を用いるなどして、極力環境に優しい埋葬を実現する。さらに墓石も置かず、人工的な痕跡が後世に残ることを極力避けるという。

 グリーン埋葬の啓もうと、そのガイドラインを設定している団体、カナダ・グリーン埋葬協会が認証しているカナダ国内の墓地は5つあるが、このヘリテージ・ガーデンもそのうちのひとつだ。グリーン埋葬に使用されるのは同墓地の中の一角で、200墓分が用意されている。まだ実際の埋葬は行われていないが、これまでに15墓分の予約が入っているという。

 

2019年6月13日 第24号

 カジュアル衣料品の生産販売大手ユニクロと、アメリカの著名アーティスト、カウズ(Kaws)によるコラボTシャツが、先週発売された。ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドのショッピングセンター、リッチモンドセンター内にある同店では販売開始の7日、この商品を手に入れようと未明から店舗前に並ぶ人が出始め、最終的に何百人の長蛇の列となった。

 これに先駆け販売が開始された中国では、開店と同時に店内になだれ込んだ客がこのTシャツを奪い合う事態となり、その様子を撮影した動画が投稿され話題となった。一方リッチモンド店ではこの日、店内の利用客を一定の人数に抑える入店制限を行ったため、大きな混乱は起こらなかった。しかし開店から30分たった10時30分頃でも、入店待ちの列は少なくとも100人以上となっていた。

 市内の高校に通う高校生の一人は、特にカウズのデザインには興味はないものの、友達がこの話題で盛り上がっていたり、中国のセレブがこのデザインの服を着ていたりしていることから、このTシャツが母親へのいいプレゼントになると思い、3時間待ち続けたと取材に話していた。またある女性は、この商品を欲しがっていた友人が仕事で来れなかったため、自分が列に並んで買いに来たと語っていた。また中年の男性は、妻に言われるままに買いに来たと答えていた。

 もちろんカウズの熱狂的なファンも列に並んでいた。ほぼ全デザインの商品を購入した客の一人は、朝の7時半にショッピングモールに来たものの、一番乗りとはならなかった。午前4時半ごろには、すでに誰かが並び始めていたという。

 

2019年6月13日 第24号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドにある、人口2万6千人弱の町ラングレーに、認知症の老人を対象とした施設が間もなくオープンする。

 『ザ・ビレッジ』と名づけられた、約5エーカーの広さの施設には、平屋建ての住居(キャビン)のほか、コミュニティセンターなどが建てられている。この『村』の建設が自分にとって最後のプロジェクトであり、成し遂げたかったことだと語るプロジェクトリーダーのエルロイ・ジェスパーセンさんは、シニア世代の住宅問題の中でも、これまでは看過されがちだった、こうした人たちへの住宅提供に情熱をかけてきた。

 『村』の中には6つのキャビンがあり、1棟あたり12〜13人の認知症高齢者が暮らすことになる。『村』の敷地は完全に仕切られているほか、外との出入りは1カ所で管理されているため、入居者はその中を安全に歩くことができる。

 この施設のモデルとなったのは、オランダにある世界初の認知症高齢者向けの村『ホーフウエィ(Hogeweyk)』で、BC州でもこのコンセプトに基づいた施設がいくつか建設予定となっている。

 しかし入居費用はそれなりにかかり、ザ・ビレッジの基本料金は月決めで6千9百50ドルから7千8百ドルとなっている。このほかにも、個人の出費(トイレ用品など)が必要となる。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。