2019年6月20日 第25号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバー地区のサレー市を走る高速道路に14日夕方、エンジンが停止した小型プロペラ機が不時着した。

 この機体は、同市の南西にあるデルタ市のバウンダリーベイ空港から飛び立った、2人乗りにセスナ152型機。この空港にあるフライトスクールに所属する機体で、生徒と教官が搭乗する通常の訓練飛行の最中だった。フレーザー川に沿うように走る高速17号線の、パトゥロ橋より少し南側の西向き車線に不時着した。時刻は午後6時45分頃だったが、まだ金曜日の夕方のラッシュアワーが続いており交通量が多かったものの、セスナ機は車と接触することもなく無事着陸、けが人も出なかった。

 この訓練機がバウンダリーベイ空港を飛び立ったのは、午後5時45分ごろ。訓練空域の一つであるピッツレーク周辺で訓練を行っていたが、帰途はラングレー市上空を経由する通常のルートではなく、フレーザー川に沿ってポートマン橋、アレックスフレーザー橋を経由する、いわゆるショートカット・ルートでバウンダリーベイ空港に戻ろうとしていた。

 エンジン停止の原因は、燃料切れ。このフライトスクールの社長兼CEOのピーター・シュリークさんがメディアに語ったところによると、両翼に1つずつある燃料タンクのうち、片方のタンクのキャップが外れていた。このため飛行中に翼の上面に働く負圧のため、中の燃料が吸い出され短時間で空になってしまった。

 運輸安全委員会の係官の現場検証の後、燃料と新しいキャップが付けられたセスナ機は日没前に高速道路から離陸、無事にバウンダリーベイ空港に帰還した。

 

2019年6月20日 第25号

 ユーコン準州中西部の、人口1400人弱の町ドーソンシティにあるホテルに、凍傷のため切断された足の親指が寄付された。

 この足指、もともとはイギリス海兵隊の隊員だったニック・グリフィスさんのものだった。イングランド北西部の都市マンチェスターの北に位置するボルトン在住のグリフィスさんは2018年3月、同準州で行われたレース、ユーコン・アークティック・ウルトラに参加した際に、凍傷で足指3本を切断する治療を、同準州の州都ホワイトホースの病院で受けていた。このレースは徒歩かクロスカントリースキー、またはマウンテンバイクで、世界一過酷といわれる犬ぞりレース、ユーコン・クエストの1000マイル(約1610キロメートル)のルートのうちの、ドーソンシティまでの483キロを走破するというもの。

 ホワイトホースの病院に滞在中、グリフィスさんは看護師からドーソンシティのダウンタウン・ホテルに伝わる『サワー・トウ・カクテル』の存在を知らされた。これは、同ホテルのバーで提供される、ミイラ化させた人の足指を入れたショットグラスで提供されるウイスキーのこと。このカクテルがメニューに登場したのは1973年で、このカクテルを飲んだ人は名誉ある『サワー・トウ・クラブ』への入会が認められる。

 グリフィスさんも退院後このホテルを訪れ、このカクテルに挑戦、晴れて『サワー・トウ・クラブ』に入会した。グリフィスさんは当初切断された足指を全部寄付するつもりだったが、親指だけをイギリスの自宅から郵送した。先々週にこれを受け取ったダウンタウン・ホテルの総支配人アダム・ジャールさんによると、足指は医療用アルコールで保存されており、良好な状態だという。そしてこれから、この足指を岩塩に漬け込みミイラ化させ、ゆくゆくは『サワー・トウ・カクテル』に使用していく予定だと取材に話していた。

 

2019年6月20日 第25号

 ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア市で8日夕方、走行中のドライバーが火のついたままのタバコの吸殻を窓から投げ捨てたとして、罰金575ドルの違反切符を切られた。

 覆面パトカーを運転中だったビクトリア市警察のデル・マナク本部長は、前を走るフォード・マスタングのドライバーが、灰を窓の外に落としながらタバコを吸っているのに気がついた。

 そして最後の一服を吸ったドライバーが、そのまま吸殻を窓から投げ捨てるのをマナク本部長は見逃さなかった。吸殻はそのまま道路上に落下した。これはBC州の森林火災条例に違反する行為で、マナク本部長はこの21歳のドライバーに違反切符を手渡した。なぜ吸殻を投げ捨てたのかと尋ねたところ、この青年は車内のカップホルダーを指差し、自分の車にこげを作りたくなかったからだと答えたという。

 青年の態度は協力的ではなかったものの、マナク本部長がこのような乾燥した天気では、火のついた吸殻のポイ捨てが森林火災を引き起こす危険性を指摘すると、そこまでは考えていなかったと答えていた。

 BC州森林火災サービスによると、乾燥した屋外での裸火の使用のほか、車やエンジンの使用、吸殻のポイ捨てといった人的行為が森林火災の原因となったのは、発生した火災全体の件数の約40パーセントにのぼっている。

 マナク本部長がタバコのポイ捨てで違反切符を切ったのは、今回が初めてではなかった。昨年9月にも彼は同様な違反で81ドルの罰金を科している。マナク本部長は、吸殻をきちんと処理する方法は幾通りもあり、罰金がドライバーにとって、もっと注意深くなるための授業料となってくれることを願っていると、取材に語っていた。

 

2019年6月20日 第25号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市で毎夏行われている帆船フェスティバル『リッチモンド海洋フェスティバル』で、今年は帆船同士による模擬海戦が繰り広げられる。

 7月の最終週末に、同市ブリタニア・ヘリテージ・シップヤードで開かれる同フェスティバルは、今年で16回目となる。フェスティバルのために寄港するのは、米ワシントン州アバディーンを母港とする2本マストの帆船レディー・ワシントンと、ハワイアン・チーフテン。

 さらにこの2隻は、夕方には一般客を乗せての模擬海戦も行う。船に装備された大砲からは空砲が撃たれ、大音響が緊迫感を高める。海戦場所は、イベント会場からほど近いスティーブストンのゲリー・ポイント公園沖。この3時間のイベントに参加するためには、事前に乗船チケットを購入する必要がある。

 そのほか、ローワーメインランドを流れるフレーザー川で1863年から1921年の間、運行していた外輪船M・V・ネイティブのレプリカによる、ディナークルーズも企画されている。フェスティバルの詳細やチケット購入については、そのウェブサイトから確認できる。

 

2019年6月20日 第25号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドのラングレー郡区にある、人口1万5千5百人ほどの町アルダーグローブで、女性が自宅前に性的少数者(LGBTQ)を表すレインボー・フラッグを掲げたところ、立て続けに2回盗難に遭った。さらにその2回目は、ラングレー郡区を管轄する役所の職員が無断で旗を撤去したことが明らかになった。

 6月がLGBTQの支援月間(pride month)であることから、アルダーグローブのリサ・エブナルさんは先週、自宅前にレインボー・フラッグを掲げた。ところが直後に誰かがこれを盗んだため、エブナルさんは再び同じ旗を掲げたものの、再び盗まれた。盗まれたと思われる時間に、彼女の家の前に役所のロゴが入った車が止まっているのが目撃されたことから、職員が撤去したことが明らかになった。

 ラングレー郡区役所はこのことに関し、匿名でレインボーフラッグが公共の場所に掲げられているというクレームが入ったことから、この旗を撤去したと説明している。しかしエブナルさんによれば、旗を掲げた塀は自宅の前庭の中にあり私有地であることは一目瞭然で、役所が不正確なクレームを鵜呑みにし、本人に連絡もせずに撤去したことにショックを受けたと話している。

 役所はこの旗をエブナルさんに返すとともに謝罪したが、最初に盗まれた旗の行方は分からないままだ。しかしこの一件がメディアで報じられると、エブナルさんの近所の住民もレインボー・フラッグを掲げはじめ、エブナルさんを支援し始めた。彼らも、近所に何人かの性的少数者が住んでいることを知って、彼らにも快適な住宅地とするために、旗を掲げるのは悪くないとエブナルさんに話していたという。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。