2019年6月20日 第25号
ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドのラングレー郡区にある、人口1万5千5百人ほどの町アルダーグローブで、女性が自宅前に性的少数者(LGBTQ)を表すレインボー・フラッグを掲げたところ、立て続けに2回盗難に遭った。さらにその2回目は、ラングレー郡区を管轄する役所の職員が無断で旗を撤去したことが明らかになった。
6月がLGBTQの支援月間(pride month)であることから、アルダーグローブのリサ・エブナルさんは先週、自宅前にレインボー・フラッグを掲げた。ところが直後に誰かがこれを盗んだため、エブナルさんは再び同じ旗を掲げたものの、再び盗まれた。盗まれたと思われる時間に、彼女の家の前に役所のロゴが入った車が止まっているのが目撃されたことから、職員が撤去したことが明らかになった。
ラングレー郡区役所はこのことに関し、匿名でレインボーフラッグが公共の場所に掲げられているというクレームが入ったことから、この旗を撤去したと説明している。しかしエブナルさんによれば、旗を掲げた塀は自宅の前庭の中にあり私有地であることは一目瞭然で、役所が不正確なクレームを鵜呑みにし、本人に連絡もせずに撤去したことにショックを受けたと話している。
役所はこの旗をエブナルさんに返すとともに謝罪したが、最初に盗まれた旗の行方は分からないままだ。しかしこの一件がメディアで報じられると、エブナルさんの近所の住民もレインボー・フラッグを掲げはじめ、エブナルさんを支援し始めた。彼らも、近所に何人かの性的少数者が住んでいることを知って、彼らにも快適な住宅地とするために、旗を掲げるのは悪くないとエブナルさんに話していたという。