2019年6月27日 第26号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市のいちご農家が40年以上にわたり、いちごの宣伝のために掲げてきた看板が、市から撤去命令と罰金を受けた。最初は拒否していた農家も、最終的には看板の撤去に応じざるを得なかった。
この農家ビル・ザイルマンさん一家は、同市東部に所有している約500エーカーの土地で半世紀以上農園を営んできた。そんなザイルマンさんが1978年から掲げてきたのは、同農園のいちごの収穫を知らせる縦5フィート、幅10フィート(約1・5メートル×約3メートル)の看板。ザイルマンさんは毎年いちごの収穫時期だけ、これをトレーラーの荷台の横に固定してウェストミンスター・ハイウェイとナイト通りの交差点付近に置いてきた。
しかし、そのトレーラーが置かれた場所が市の所有地であったことから、市は先々週500ドルの罰金の支払いを命じた。その後市の担当者と協議した結果、看板の即時撤去を条件に、この罰金はいったん取り下げられた。
しかしザイルマンさんが撤去を拒否したことから、11日には新たに1千ドルの罰金が課せられたほか、48時間以内に看板のついたトレーラーの移動も命令された。「これは自分の農園の宣伝というよりも、いちご農家全体のための看板」だと主張するザイルマンさん。また、この看板は16年間、以前の看板も25年間、合計41年間この場所に掲げつづけきて何も言われなかったのに、どうも最近の市役所の役人は自分のことを嫌っているようだと、取材に語っている。
2019年6月27日 第26号
オンタリオ州トロント・ピアソン国際空港で今月初め、同空港に到着した時に眠っていた乗客が、そのまま飛行機に取り残された。目覚めたあとに、この事態に気がついた女性はパニックに陥ったと、取材に語っている。
ケベック州ケベックシティ発のエアカナダ機でトロント・ピアソン国際空港に到着したティファニー・アダムスさんが目覚めたのは、その数時間後の真夜中近くのことだった。機内には誰もいないどころか全ての電源が落とされており、暗く冷え切っていた。彼女はショックを受けながらも、友人のディアンナ・ノエル=デールさんに電話をかけ状況を説明しようとしたが、バッテリーが間もなく切れてしまった。充電しようと座席のUSBポートに接続したものの、飛行機全体の電源が落とされていたため、徒労に終わった。
パニック状態になりコックピットに向かったアダムスさんは、そこにあった携帯無線機で助けを求めようとしたが、うまく作動しなかった。たまたま見つけた懐中電灯で、外に向かって合図を送り始めた。さらに客室ドアを開けることに成功したものの、地面まで15メートルほどもある出口からは、飛び降りるわけにもいかなかった。
さらに飛行機はゲート近くではなく、ターミナルビルから離れたところに止められていた。再び懐中電灯で開け放ったドアから合図を送り続けたアダムスさん。ようやくグラウンドハンドリングのスタッフが彼女に気づき、はしご車を出して彼女を救出した。この作業員は、こんなところに乗客が置き去りにされたことにショックを受けていたが、「私も同じ気持ちだった」と語るアダムスさん。着陸前に背もたれがちょっとでも戻っていなかったり、テーブルが収納されていなければすぐに気がつくくせに、シートベルトをしたまま居眠りしている乗客に気がつかず皆帰ってしまうというのは、一体どういうことなのかと苦言を呈している。
ターミナルに戻ったアダムスさんは、すぐさまエアカナダの地上係員に苦情を伝えた。係員はその夜を過ごすホテルと、そこまでのリムジンを用意すると申し出たが、アダムスさんはとにかく家に帰りたいと、これを拒否。係員は謝罪するとともに調査すると彼女に告げた。
この一件以来、アダムスさんは睡眠障害の一種である夜驚症に度々襲われ、暗いところにひとり閉じ込められるのではという恐怖心から夜中に目を覚ますようになり、十分な睡眠がとれなくなったと訴えている。
エアカナダはそのフェイスブックで、アダムスさんの体験談に驚くとともに、事態を深刻に受け止め調査を行うとしている。
2019年6月27日 第26号
フランスで開催されているFIFA女子ワールドカップは、ベスト16が出揃い、白熱した戦いが続いている。
カナダはグループEを2勝1敗ポイント6で2位通過。ベスト16ではグループFを2位通過したスウェーデンと24日に対戦した。
55分に先制をされ0‐1となった後、カナダは69分にペナルティキックのチャンス。ここでチームが選んだのはベテランFWシンクレアではなく24歳MFベッキー。左隅に蹴ったシュートは、スウェーデンGKのスーパーセーブで弾かれ同点にはならなかった。
カナダはこのまま0‐1で敗け、ベスト16での敗退が決まった。
試合後、ベッキーは自分がペナルティキックを蹴ったことについて、シンクレアから「やってみたいかと聞かれたのでやると言った」と語った。シンクレアは結果的にGKに止められて負けたため「(ベッキーに)聞いたこと自体、悪かったと思っている」と自分を責めた。ベッキーは、この結果はしばらく引きずるだろうと悔しそうに語った。
W杯はベスト8が出揃った。25日にオランダと対戦した日本は1‐2で敗れ3大会連続で決勝へ進むことはできなかった。8チームはアメリカを除いて全てヨーロッパのチームとなった。
2019年6月27日 第26号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市に住む3人兄弟が、病気治療のためにバンクーバーを訪れる子供たちへの募金集めのため、家族が経営する農家でレモネード・スタンドを開いてきた。
この3人は、長男で10歳のルーカス・マックスウェル君、次男で5歳になるダラス君、そして1歳のハリソン君。彼らがレモネード・スタンドで集めたお金は、病気治療のためにバンクーバーを訪れる子供と、その家族に宿泊先を提供している団体、ロナルド・マクドナルド・ハウス(BC州およびユーコン準州)に寄付される。
3人は祖母が経営している農場、マックスウェル・ストロベリー・ユー・ピック・フィールドで今月6日から、朝の時間帯にスタンドを営業してきた。また彼らが学校に行っている時間には、祖母のノーマ・マックスウェルさんが集金を行った。
寄付の目標額は2000ドルで、月半ばまでに1000ドルを達成。さらに子供たちの父親は、2000ドルを上限に、集まった寄付と同じ額を寄付することを約束している。
なお兄弟が寄付集めをしたのは、今回が初めてではない。昨年は約500ドルを集め、BC州小児病院へ寄付している。しかし子供たちが楽しんでいるのは、寄付だけではない。今年85歳になる祖母と一緒に過ごせることがうれしいのだと、母親に語っているという。子供たちは今月末までレモネード・スタンドの営業を続ける予定だ。
2019年6月27日 第26号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市に住むジェイソン・チャンさんが先月、自転車に乗っている最中に財布を落としたのは、同市内のキャンビー・ロードとNo・5ロードの交差点付近だった。後からこのことに気がついたチャンさんは、探すことはあきらめて、財布の中にあった銀行カードやクレジットカードの解約と、自動車免許証の再発行手続きを進めることにした。
そしてそれからちょうど1カ月たった11日、チャンさんのもとに郵便物が届いた。消印は、オンタリオ州トロント市の東部、スカボローのものだった。緩衝材入りの封筒の中に入っていたのは、紛れもなく彼が落とした財布だった。さらにチャンさんが驚いたのは、カード類が1枚も失われていなかったことだ。もちろん免許証も無事だった。また現金はもともと財布の中には入っていなかったという。
チャンさん自身は、財布探しのために何かしたような覚えはなかったが、これにはとても驚いたと、取材に話している。「どこの誰かは知る由もないが、感謝せずにはいられない。小さなことかも知れないが、私にとってはとてもありがたいことだ」と語るチャンさん。
財布に添えられていたカナダ・ポストからのメモには、配達不能の郵便を調査するオフィスが、財布の中にあった免許証の住所に返送することにしたと書かれていた。カナダポストの規定により、配達不能の郵便物で金銭的価値があるものは、その状況調査を行うため全てスカボローの郵便局に集められることになっている。
自分の財布を拾った誰かが、そのまま郵便ポストに投函したのだろうとチャンさんは推測する。その結果、財布は片道4千キロ以上になるカナダ横断の旅を果たして、再び自分のところに、無事に戻ってきた。チャンさんはメディアを通じ、財布を拾って投函した人と、その後財布を自分の元に送り返す処理を行ってくれたカナダ・ポストの従業員に感謝の言葉を述べていた。またこのことで、人間性やコミュニティに対する信頼を強めることができたとも語っていた。