2019年7月11日 第28号
ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバー地区の人口52万人弱のサレー市が、年々増え続ける不法投棄対策の一環として、無料で粗大ごみを受け付ける特別日を設けた。
不法投棄が後を絶たない理由のひとつは、粗大ごみの処理に相当の費用がかかること。このことから同市が考案した対策が、粗大ゴミの無料受付だった。
2016年から開始されたこのイベントは、毎年春と夏に計4回開催されてきた。同市ニュートン地区にあるサレー・オペレーション・センターで7日に設けられた粗大ごみ受付所には、粗大ごみを積んだ車が長蛇の列をなした。イベントを開始した当初は1100台から1200台の車が粗大ごみを置いて行ったが、最近では1900台ぐらいに増えており、より多くの人がこのイベントのことを知り、どうやって粗大ごみを適切に処理するかを理解するようになったと、市当局は取材に語っている。
サレー市は不法投棄の量を2020年までに半分に減らす目標を立てており、このイベントはその一環。これまでに30パーセントの削減に成功しているという。かつて不法投棄の処理費は年間100万ドルを超えていたが、このイベントなど対策プログラムのおかげで、その額は減っていると、市では説明している。
2019年7月11日 第28号
アルバータ州のジャスパー国立公園で4日、雪渓の上に現れていた不発弾を、通りがかった登山者が発見した。
場所は同公園を代表する山、アサバスカ山の北稜で、カナダ山岳ガイド連盟(ACMG)のメンバーが発見した。一行は現場には手を付けず写真だけを撮って下山、ジャスパーの町に駐在するカナダ連邦警察(RCMP)に報告した。
RCMPは付近一帯を立ち入り禁止にするとともに、爆発物処理班が国防省と協力して不発弾の処理方法を検討した。7日には同州デンウッドのウェーンライト陸軍基地から到着した弾頭処理チームが、現地で弾頭を爆破処理した。
不発弾は突然爆発する可能性もあり、同様の物体を発見した場合は決して触らないよう、RCMPは注意を喚起している。またその観点から、今回の登山者が取った行動は称賛に値するとコメントしている。
2019年7月11日 第28号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島中南部東海岸にある、人口1万2千5百人あまりの都市パークスビル市が、犯罪予防政策の一環として防犯カメラを設置する家庭や事業所に対する補助金の支給を開始した。しかし街中に防犯カメラがあふれ、プライバシーの侵害につながる恐れを指摘する声もある。
補助金支給は個人住宅や事業所に対し1回のみで、最高100ドルが支払われる。申請には所定の申請書類のほか、購入した防犯カメラや施工費の領収書を添付する必要がある。
同市ではこのための予算として今年、2千5百ドルを計上した。さらに来年度は5千ドルに増額する予定。市民の安全を考えたとき、こうした防犯カメラが盗難や器物破損といった様々な犯罪に対する警察捜査の一助となることが期待できると、同補助金の申請書には、その目的が説明されている。
しかしこれに対し、個人情報保護の啓蒙活動を行っている団体、BC州情報とプライバシーの自由協会(BCFIPA|BC Freedom of Information and Privacy Association)は、街が防犯カメラで覆い尽くされるようなことを防ぐため、市民への教育とコンサルテーションが必要だと訴えている。
同協会エグゼクティブ・ディレクターのサラ・ノイアートさんは、補助金制度により市民が、防犯カメラを家の回りに設置することが簡単で当たり前に思うようになると指摘。そのうち散歩をしているだけの自分が、常にどこかの防犯カメラに監視されているような日が来たら、どう思うかと問いかけている。
市によると、先週の段階ではまだ申請書は提出されていなかったものの、市民からの問い合わせは非常に多いと取材に答えている。
2019年7月11日 第28号
ソーシャルネットワーク(SNS)への投稿を通じ、多くのフォロワーを獲得して強い影響力を持つようになった人のことを、インフルエンサーと呼ぶ。
そんなインフルエンサーのひとりが、大手衣料品チェーン店によって自分のスローガンを盗用されたとして抗議していた問題で、このたび両者が和解に至った。
世界中を旅行してその様子をSNSのインスタグラムに投稿し続けているベルギー人のジョナサン・クッベンさんは、約36万人のフォロワーを持つインフルエンサー。彼が投稿写真に必ず添えるスローガン「母さん、僕は大丈夫(Mom, I'm fine)」は彼のトレードマークとなっている。
そんな彼のスローガンを自社製品のデザインに用いたのは、ケベック州モントリオール市に本社を置く衣料品チェーン大手ライトマンズ。2018年の母の日キャンペーンとして、このスローガンをつけた商品を売り出した。
2016年からこのスローガンを使用していると主張するクッベンさん。ライトマンズは自分のスローガンを盗用したとして、6月末には同本社前にテントを張るなどして抗議活動を行ってきた。「自分は仕事もやめ、車も何もかも売り払って世界中を旅する道を選んだ。スカイダイビングもやったし、サメとも泳いだ。そんなときでも必ず母に対するメッセージ『母さん、僕は大丈夫』を掲げてきた」と取材に語るクッベンさん。そんな彼の3年間の人生をかけてきた『母さん、僕は大丈夫』を、一回限りの母の日キャンペーンのために奪い取ることが道徳的に許されるのかと訴えていた。彼によると、ライトマンズは『母さん、僕は大丈夫』ブランドのTシャツとバッグを合わせて1万点以上販売したという。
クッベンさんの訴えを受けたライトマンズは、キャンペーンから1週間と経たないうちにこれをキャンセルし、それ以降の商品にはこのスローガンを使用していないと取材に答えている。
最終的にライトマンズは、カナダ国内での『母さん、僕は大丈夫』の商標をクッベンさんに譲渡することと、クッベンさんが求めていた、このブランドを使った商品の売り上げを彼の指定した人道支援団体に寄付することで合意した。
2019年7月11日 第28号
日系カナダ人の祭典パウエルストリート・フェスティバルが今年は例年と様相が変わって開催されることが分かった。フェスティバルを主催する実行委員会は声明で、現在オッペンハイマーパークで生活しているホームレスの人々に影響を与えないよう、公園内は使用せず、公園の周りで行うと発表した。
ホームレスの人々への配慮から同フェスティバルが公園使用を断念したのは2014年以来2回目となる。
バンクーバー市の公園を管理する公園庁ストゥワート・マッキンノン委員は、もっと市やブリティッシュ・コロンビア州政府、連邦政府が協力して積極的にこうしたホームレスの人々が生活できる環境を整備すべきと今回の件で意見を述べている。
現在公園には約100個のテントが張られているという。公園は市民の憩いの場として提供されるべき場所で、安全でなくてはならないと語り、現状では公園を利用したい人も、テントを張るホームレスにも決して安全とは言えないと主張した。