2019年7月18日 第29号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市のアパートで10日午後、漏れた天然ガスによる爆発が起きた。けが人は出なかったが、住民が外に退去する騒ぎとなった。
爆発が起こったアパートは、同市南西の港町スティーブストン近くのナンバー2ロードとアンドリューズ・ロードの交差点の南側にあるノーティカ・ノース。天然ガスは、アパートのガス暖炉のメンテナンス作業中に漏れ出したとみられている。爆発後、小規模な火災が発生したが、駆けつけた消防によって消し止められた。また公共交通機関を運営するトランスリンクは、退去した住民のために、バス2台を一時的な待避所として提供した。
この爆発でアパートの4戸が被害を受けた。ソーシャルメディアには、爆風で大きく外に向かって開いたベランダのドアや、破損した水道管から水が漏れている様子などの画像が上げられていた。
2019年7月18日 第29号
カナダ運輸庁が定めたカナダで飛行機を利用する乗客が航空会社の責任において影響を受けた場合に補償を受けることができる新たな基準が15日から開始された。
新基準では、航空会社で対応できる理由によって搭乗を拒否した場合には航空会社は最高で2400ドルを補償することとし、オーバーブッキングで搭乗できなかった場合がこれにあたるとしている。
また、航空会社が預け入れ荷物を紛失したり傷つけたりした場合には最高で2100ドルを補償し、預け入れ料金を返金することなどのほか、乗客の権利を簡潔に明確に伝えること、フライトの遅延やキャンセルについて最新情報を提供すること、すでに搭乗し駐機している状態で飛行が遅延する場合には適切な対処をすることなどが盛り込まれている。
7月15日からの基準実施は第1段階で、第2段階は今年12月15日から実施。第2段階では、安全に関する理由以外で航空会社の都合でフライトが遅延・キャンセルした場合は最高1000ドルまでの補償や14歳以下の子供が同乗の場合追加料金なしに親に近い席を用意することなどが盛り込まれている。
今回のカナダ運輸庁の決定に、航空会社や国際航空運送協会は国際法に違反している可能性があると反論している。
一方で乗客の権利を守る団体などからは、天候や機材不良などの理由では補償対象外となるため、航空会社寄りの基準になっていると批判の声があがっている。
今回の新基準はカナダ入国、出国、国内線とカナダを利用する全ての航空会社に適用される。
2019年7月11日 第28号
LGBTQ(性的少数派)コミュニティの祭典プライドパレードが迫る中、パレードを主催するバンクーバー・プライド・ソサエティはブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)の大学としての参加を見送ると発表した。ただUBCの学生や教授、関係者などの参加は自由としている。
理由は、6月23日に同校で開催されたジェン・スミス氏の講演会。スミス氏は自身もトランスジェンダーだが、反SOGI(性的指向および性自認)者として知られている。ソサエティはUBCがスミス氏に「ヘイトスピーチをする機会を与えた」ことがソサエティのパレード参加基準を大きく下回る要因となったと説明している。
スミス氏の講演については、ニューウエストミンスター市にあるダグラス・カレッジやラングレー市のトリニティ・ウエスタン大学で取り止めた。しかしUBCは表現の自由を理由に実施、当日は会場の周りで反対デモも行われた。
UBCは今回の講演の件について検証すると発表している。
ソサエティはバンクーバー市警の制服警官の参加も2017年から禁止している。
2019年7月11日 第28号
カナダ統計局は5日、6月の雇用統計で就業者数2200人減となり、失業率は前月比で0・1パーセント悪化し5・5パーセントとなったと発表した。しかし前月の5・4パーセントに続き歴史的に低い失業率となっている。
就業者数はフルタイムで24100人増となったものの、パートタイムが26200人減となった。
業種別ではヘルス・ソーシャルサービス関連で21900人増、一方で製造業は15000人減と2018年7月以来の大幅減となった。3日に発表された民間リサーチ会社による自動車販売台数報告書では6月の販売数は前年同月比で7・2パーセント減少。16カ月連続の減少となっていると報告されている。
地域別ではケベック州、サスカチワン州、アルバータ州で0・1パーセント改善、オンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州は0・2パーセント悪化した。最も失業率が低いのはBC州で4・5パーセントだった。
主要都市ではBC州バンクーバーで0・2パーセント、オンタリオ州トロントで0・4パーセント改善、ケベック州モントリオールでは0・1パーセント悪化、アルバータ州カルガリーは横ばいだった。最も失業率が低かったのは、BC州バンクーバー、ビクトリアで4・0パーセント。
雇用統計を注視しているカナダ中央銀行は10日の金融報告書で金利を据え置くと発表した。
2019年7月11日 第28号
最新の世論調査結果でジャスティン・トルドー首相率いる自由党が支持率を持ち直していることが分かった。9日に発表されたナノス・リサーチの報告書で、自由党が34・6パーセントと保守党30・4パーセントを引き離した。新民主党(NDP)は17・9パーセント、グリーン党は8・8パーセント、ケベック連合党(BQ)4・9パーセント、カナダ国民党(PPC)1・6パーセントだった。
6月18日に同社が発表した調査結果では保守党34パーセント、自由党29パーセントと保守党がリードしていた。
自由党が支持率をやや回復した理由をナノス・リサーチの代表は女性の支持が上がったためと分析している。今年2月から始まったSNCラバランスキャンダルで支持率を落としたトルドー首相率いる自由党だったが、スキャンダル効果が薄れたことと、アメリカのマイク・ペンス副大統領が5月にカナダを公式訪問した時に女性の権利についてアメリカの政策に懸念を示したことなどが理由に挙げられると説明した。
カナダの首相として支持する党首という質問では、トルドー首相が31・5パーセントとトップ、次いで保守党アンドリュー・シェア党首22・2パーセント、NDPジャグミード・シング党首9・6パーセント、グリーン党エリザベス・メイ党首7・1パーセント、PPCマキシーム・ベニエ党首2・4パーセントだった。
しかしCBCが発表している各社の世論調査を統計した支持率では、ナノス・リサーチの最新結果を含めても保守党が引き続きトップで34・4パーセント、自由党31・1パーセント、NDP14パーセント、グリーン党11・1パーセント、BQ4・4パーセント、PPC3・2パーセントと保守党がリードしている。