2019年7月18日 第29号

 カナダ運輸庁が定めたカナダで飛行機を利用する乗客が航空会社の責任において影響を受けた場合に補償を受けることができる新たな基準が15日から開始された。

 新基準では、航空会社で対応できる理由によって搭乗を拒否した場合には航空会社は最高で2400ドルを補償することとし、オーバーブッキングで搭乗できなかった場合がこれにあたるとしている。

 また、航空会社が預け入れ荷物を紛失したり傷つけたりした場合には最高で2100ドルを補償し、預け入れ料金を返金することなどのほか、乗客の権利を簡潔に明確に伝えること、フライトの遅延やキャンセルについて最新情報を提供すること、すでに搭乗し駐機している状態で飛行が遅延する場合には適切な対処をすることなどが盛り込まれている。

 7月15日からの基準実施は第1段階で、第2段階は今年12月15日から実施。第2段階では、安全に関する理由以外で航空会社の都合でフライトが遅延・キャンセルした場合は最高1000ドルまでの補償や14歳以下の子供が同乗の場合追加料金なしに親に近い席を用意することなどが盛り込まれている。

 今回のカナダ運輸庁の決定に、航空会社や国際航空運送協会は国際法に違反している可能性があると反論している。

 一方で乗客の権利を守る団体などからは、天候や機材不良などの理由では補償対象外となるため、航空会社寄りの基準になっていると批判の声があがっている。

 今回の新基準はカナダ入国、出国、国内線とカナダを利用する全ての航空会社に適用される。

 

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