2019年8月1日 第31号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市の農場で、同市初となるヒマワリ・フェスティバルが開催される。場所は同市南部、スティーブストン・ハイウェイ沿いのリッチモンド・カントリー・ファームで、3日から15日まで開催される。8エーカーの農場には20種類以上のヒマワリやダリアが植えられている。開園時間は毎日午前10時から午後7時まで。冷たい飲み物やアイスクリームが販売されるほか、週末にはフードトラックも店を開けるほか、ビアガーデンやヤードゲーム、各種パフォーマンスも繰り広げられる予定。
2019年8月1日 第31号
ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市で7月23日昼過ぎ、市内の目抜き通りを走るバスの中で乗客が刃物で刺される事件が起きた。
場所は、同市中心部を南北に走るナンバー3ロードと、キャンビー通りの交差点の南。目の前にはコーヒーショップのティムホートンズが、また道の反対側にはダイソーなどが入るアバディーン・センターがある。
BC州救急サービス(BC Emergency Health Services - BCEHS)によると、刺されたのは42歳の男性で、病院に搬送されたが翌日に死亡した。刺した男はリッチモンド市在住の22歳で、バスから降りたところを警察官に逮捕された。現場を目撃した人によると、17台の警察車両が駆けつけ、ライフルのようなものを構えた武装警官もいたという。バスに乗り合わせていた何人かの乗客は、犯人が逮捕された後に運転手とともに警察官に付き添われてバスから降りた。
警察によると2人は最初、何かについて言い争っていたようだが、次第にエスカレートし殴り合うようになった。刺された乗客が死亡したことから、合同殺人捜査本部が捜査を引き継ぎ、何が争いの原因になったかが重要な鍵になるとして、バスに乗り合わせていた人などから当時の状況を調べようとしている。なお警察は現時点では2人の情報は公開しないこととしている。
2019年7月25日 第30号
カナダ統計局が22日に発表した2018年犯罪報告書によると、警察に届けられた犯罪件数は前年比で2パーセント増加した。
大幅に増加したのは性的暴行で前年比15パーセント増。大きな理由として昨年アメリカを中心に起こった#MeToo運動の影響で、警察への届け出が増加したことがあげられると分析している。
詐欺による被害も増加。前年比12パーセント増となっている。個人情報盗難や身分詐称などもこの項目に含まれる。
さらに大幅に増加したのは強奪被害で44パーセント増。全ての州で増加しているという。理由の一つには昨年起こった中国人留学生を対象にした誘拐を装った身代金要求などの被害をあげている。
一方で殺人事件は4パーセント減少。ただオンタリオ州では昨年、トロントで起きた3件の無差別大量殺人などで件数が増加している。
ヘイトクライム(憎悪犯罪)も13パーセント減少。5年連続で増加を続けたヘイトクライムが昨年は減少に転じた。特に2017年に急増したイスラム教徒を狙ったヘイトクライムが昨年は50パーセント減少。一方でユダヤ教徒への犯罪は4パーセント減にとどまった。地域別では、ヘイトクライムが最も多かったのはオンタリオ州ハミルトン市、次いでケベック州ケベックシティ、オンタリオ州オタワ市だった。
カナディアン・アンチヘイト・ネットワークの代表は、ヘイトクライムが減少していることは歓迎できるとしながらも、警察に届けられているのは氷山の一角、統計方法にも問題があり、これから改善する必要があると語った。
2019年7月25日 第30号
中国の通信大手ファーウェイのカナダ本社ファーウェイ・カナダは22日、カナダ北方の高速通信インターネット網4Gネットワークの構築で、ICEワイアレス社、アイリステル社と協力すると発表した。北極圏の20コミュニティーとケベック州の遠隔地70コミュニティー、合わせて約20万人に高速通信サービスを提供できることになるという。2025年までの完成を目指している。
この日記者会見したファーウェイ・カナダのアリカン・ヴェルシ氏は、ファーウェイ・カナダはカナダの企業であり、2008年からカナダでサービスを提供し、カナダの法を順守し、全国で1100人が働いていると、ファーウェイ・カナダがカナダの企業であることを強調した。
背景にはカナダと中国の硬直した関係がある。カナダ当局が2018年12月1日にファーウェイ孟晩舟CFOをアメリカの要請によりブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー国際空港で拘束した後、中国国内で2人のカナダ人男性が拘束された。ジャスティン・トルドー首相は、この拘束を「恣意的」と表現している。孟CFO拘束に対する報復とみられている。
今年に入り、中国はカナダ産キャノーラ製品の輸入や精肉製品の輸入を停止。両国で大使が不在状況になっているなど、緊張した状態が続いている。
カナダが導入を計画している超高速通信網5Gの構築については、アメリカが国家防衛の観点からファーウェイを採用しないよう要請しているという状況もあり、カナダ政府は決定を先延ばしにしている。
今回の北方通信網構築についてはカナダ政府の許可が下りているが、専門家はカナダの北方地域でファーウェイが独占的に通信網構築を行うことは危険だと指摘している。
2019年7月25日 第30号
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が訴えていたアルバータ州政府の石油輸送停止法について、アルバータ州裁判所は連邦裁判所で争うことが適当との判断を19日に下した。州境を越える案件については連邦裁判所の管轄との認識を示した。
アルバータ州政府は、アルバータ州から輸送されている石油を州政府の判断で停止することができる法案を可決。必要となればBC州に対して適用する用意があるとしていた。
これに対してBC州政府は、法律は石油輸送を制限することによりBC州民の生活に支障をきたすことを目的として可決されたものであるとして、憲法違反であることを認識すること、法律の差し止めを命令することを求めていた。
今回のアルバータ州裁判所の判断についてBC州政府デイビッド・イービー司法長官は、決定を精査すると語っている。BC州はすでに同様の訴えを連邦裁判所に提出している。
アルバータ州政府は裁判所の判断を「歓迎する」との声明を発表。連邦裁判所でアルバータ州の主張を示せることを期待していると語っている。
BC州とアルバータ州は、トランスマウンテン・パイプライン拡張工事を巡って昨年から対立している。
同パイプラインはアルバータ州エドモントンからBC州バーナビーまで延びている現存のパイプラインを拡張する事業計画で、2016年に自由党政権が1度承認した。しかし2018年1月に、BC州政府は州内を通るパイプラインについては州の環境基準強化する政策を発表。これがパイプライン事業を遅らせアルバータ州経済に大きな打撃を与えるとアルバータ州とBC州の対立が始まった。
一方で2018年8月にはパイプライン反対派の先住民族や環境保護団体らの訴えに対して、連邦上訴裁判所がパイプライン承認について、先住民族への説明不足と海洋動物への保護政策が不十分として事業計画承認を無効とする判断を下した。
アルバータ州政府はBC州政府の事業遅延政策への報復として石油輸送停止法案を今年可決した。
事業無効の判決に連邦政府は改善に努めるとの姿勢を見せ、今年6月には先住民族への説明と環境対策が整ったとして事業の再承認をした。自由党政権は昨年45億ドルで現存するトランスマウンテン・パイプラインを買収している。