2019年7月25日 第30号

 カナダ統計局が22日に発表した2018年犯罪報告書によると、警察に届けられた犯罪件数は前年比で2パーセント増加した。

 大幅に増加したのは性的暴行で前年比15パーセント増。大きな理由として昨年アメリカを中心に起こった#MeToo運動の影響で、警察への届け出が増加したことがあげられると分析している。

 詐欺による被害も増加。前年比12パーセント増となっている。個人情報盗難や身分詐称などもこの項目に含まれる。

 さらに大幅に増加したのは強奪被害で44パーセント増。全ての州で増加しているという。理由の一つには昨年起こった中国人留学生を対象にした誘拐を装った身代金要求などの被害をあげている。

 一方で殺人事件は4パーセント減少。ただオンタリオ州では昨年、トロントで起きた3件の無差別大量殺人などで件数が増加している。

 ヘイトクライム(憎悪犯罪)も13パーセント減少。5年連続で増加を続けたヘイトクライムが昨年は減少に転じた。特に2017年に急増したイスラム教徒を狙ったヘイトクライムが昨年は50パーセント減少。一方でユダヤ教徒への犯罪は4パーセント減にとどまった。地域別では、ヘイトクライムが最も多かったのはオンタリオ州ハミルトン市、次いでケベック州ケベックシティ、オンタリオ州オタワ市だった。

 カナディアン・アンチヘイト・ネットワークの代表は、ヘイトクライムが減少していることは歓迎できるとしながらも、警察に届けられているのは氷山の一角、統計方法にも問題があり、これから改善する必要があると語った。

 

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