2019年7月25日 第30号

 中国の通信大手ファーウェイのカナダ本社ファーウェイ・カナダは22日、カナダ北方の高速通信インターネット網4Gネットワークの構築で、ICEワイアレス社、アイリステル社と協力すると発表した。北極圏の20コミュニティーとケベック州の遠隔地70コミュニティー、合わせて約20万人に高速通信サービスを提供できることになるという。2025年までの完成を目指している。

 この日記者会見したファーウェイ・カナダのアリカン・ヴェルシ氏は、ファーウェイ・カナダはカナダの企業であり、2008年からカナダでサービスを提供し、カナダの法を順守し、全国で1100人が働いていると、ファーウェイ・カナダがカナダの企業であることを強調した。

 背景にはカナダと中国の硬直した関係がある。カナダ当局が2018年12月1日にファーウェイ孟晩舟CFOをアメリカの要請によりブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー国際空港で拘束した後、中国国内で2人のカナダ人男性が拘束された。ジャスティン・トルドー首相は、この拘束を「恣意的」と表現している。孟CFO拘束に対する報復とみられている。

 今年に入り、中国はカナダ産キャノーラ製品の輸入や精肉製品の輸入を停止。両国で大使が不在状況になっているなど、緊張した状態が続いている。

 カナダが導入を計画している超高速通信網5Gの構築については、アメリカが国家防衛の観点からファーウェイを採用しないよう要請しているという状況もあり、カナダ政府は決定を先延ばしにしている。

 今回の北方通信網構築についてはカナダ政府の許可が下りているが、専門家はカナダの北方地域でファーウェイが独占的に通信網構築を行うことは危険だと指摘している。

 

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