2019年7月4日 第27号
中国は6月25日、カナダからの牛肉・豚肉製品の輸入を停止すると発表した。翌日記者会見したジェームズ・カー国際貿易多様化相は、カナダからの豚肉製品に偽造証明書が使用されていたためと理由を語った。
カー国際貿易相によると偽造された証明書の発行者も利用業者も分からないという。「誰かがカナダのブランドを使って中国市場に入ろうとしたのではないか」との見方を示した。偽造証明書を使って中国に輸入された豚肉製品が本当にカナダからのものかどうもかもまだ分かっていないという。
マリークロード・ビボー農務・農産食品相は26日、偽造証明書で中国に輸入されたという豚肉製品の販売元について連邦警察に捜査を依頼したことを明らかにした。この件については、中国側と緊密に連絡を取りながら進めているという。
その数日前にはケベック州の業者が輸出している豚肉製品から中国で禁止している物質ラクトパミンが見つかったとしてその業者の製品を輸入停止にしていた。しかし今回の件で、豚肉製品だけではなく牛肉製品も対象となっている。
中国とカナダは、昨年12月1日に中国通信大手ファーウェイの孟晩舟CFOがアメリカ当局の要請によりブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー国際空港で拘束されて以降、緊張状態が続いている。孟CFOが拘束された約2週間後には中国でカナダ人男性二人が拘束された。今年に入り中国は、害虫が見つかったとしてカナダ産キャノーラ製品の輸入を禁止、大豆などの輸入も制限され、今回は精肉製品全てが対象となった。
中国は孟CFOの釈放を求めているが、カナダは法に則って対応するため政治的介入はしないと明言している。今回の件に関しては孟CFOの件とは関係ないと中国側は発表している。
中国はカナダにとって3番目の豚肉輸出先で、今年の1月から4月までにすでに3億100万ドルを輸出し、昨年を上回るペースだった。