2019年7月4日 第27号

 フィリピンを6月1日に出発したカナダのゴミが6月29日、ブリティッシュ・コロンビア州デルタ市の港に到着した。これでフィリピンとの間に起こったゴミを巡る闘争は一応の決着をみる。

 発端は2013、2014年にカナダのオンタリオ州からフィリピンにリサイクルゴミとして輸出されたゴミが、実際には中身は一般ゴミで使用済みオムツや家庭用ゴミがプラスチックゴミと一緒に混じっていたという。

 フィリピン側はカナダに引き取りを求めていたがカナダはフィリピンで処理してもらうように交渉を続けていた。

 しかし今年4月フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、カナダがこのままゴミの引き取りを拒否するのであれば自身で送り返す、戦争も辞さないと発言。5月15日までの引き取りをカナダに要求していた。

 カナダはこの期限にも応じず、ドゥテルテ大統領は在加フィリピンの大使と総領事を本国へ召還。カナダ政府はようやく重い腰を上げ、6年にもわたってフィリピンに置かれていたコンテナ69個分1500トンのゴミをカナダに送り返す手続きを取った。

 デルタ港に到着したゴミはバーナビー市の焼却場で処理される。ゴミの引き取りにかかった費用は114万ドル、償却費用は37万5000ドル。

 この件に関しキャサリン・マッケナ環境・気候変動相は、前保守党政権の法整備に不備があったために起こったことで自由党政権は二度とこういう事態が起こらないように法改正したと野党を責めた。

 

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