2019年3月7日 第10号
アルバータ州野党連合保守党(UPC)ジェイソン・ケニー党首は4日、州の法人税を現在の12パーセントから8パーセントに引き下げると発表した。
「雇用促進減税」と命名し、今年7月1日から実施。段階的に1年に1パーセント引き下げ、2022年までに8パーセントにするという。これによりアルバータ州への投資を増やし、結果的に歳入増加につながると説明した。
ケニー党首は現在の新民主党(NDP)政権が法人税を10パーセントから12パーセントに引き上げたのは愚策として、その結果現在のような景気後退につながったと、法人税増税と景気後退が直結しているかのような印象を与えようとしている。
しかし、同州の景気後退の主な要因は原油価格の下落で、法人税引き下げが投資増加に直結するかは不透明との指摘がある。
アルバータ州では今春にも選挙が実施される。現在、支持率ではNDP政権よりUPCがリードしている。
2019年3月7日 第10号
ケベック州モントリオール市で2月16日朝、凍った歩道を避けて車道を歩いていた男性が、通りかかったパトカーの警察官から道路交通法違反で反則切符を切られた。この男性は切符の無効を訴えるつもりだと取材に語っている。
ラティーフ・マーティンさんはこの時、友人宅から出てきたところだった。実際のところ、この友人はこの少し前に氷で転んで作った青あざを、マーティンさんに見せていたという。同じ目に遭わないようにと、彼は車道を歩き始めた。当時の外気温は氷点下で、歩道には新たに降った雪がうっすら積もっており、その下の凍った歩道の大部分を覆っていた。
彼はジャケットのフードをかぶり、携帯電話を操作しながら歩いていた。それでも、車の往来には注意を払っていた。そんな彼が最初に見かけた車が、パトカーだった。中から警察官が、何も問題ないかと尋ねてきたのに対し、大丈夫だと答えた彼だったが、警察官の次の質問『どこへ行く?』に対しては、「お前の知ったことか」と返した。
これがきっかけで、警察官の態度が変わったとマーティンさんは語っている。警察官は彼に対し、ケベック州の道路安全法に違反したとして、48ドルの罰金を科した。これに納得できないマーティンさんは、警察官に論議をふっかけ、次第に声を荒げていった。この時彼が携帯電話で撮影した動画を見ると、対応していた警察官はほとんど無言か、反論したとしても落ち着いた物腰だった。マーティンさんは、自分が発した言葉には後悔しないが、もう少し興奮を抑えられたらよかったとも述べている。
違反切符を切られた彼を擁護する声が、オンライン上で高まっている。そもそもケベック州には歩道が利用可能な場合に、車道を歩くことを禁止した法律があったことに驚く人も多かった。
2019年3月7日 第10号
アルバータ州エドモントン市に住むジャスティン・ホエーリングさんは週4回、エドモントン市総合病院で患者のためにピアノを演奏している。
実はホエーリングさん、生まれた時から目が見えない。それでも3歳の時にはピアノを弾き始めた。祖母とピアノの特別教師の2人の後押しを受け、ホエーリングさんはピアノの練習を続け、全て耳で覚えたレパートリーは200曲を超えるまでになった。
祖母も教師もすでに他界しているが、他人を助けるという精神を彼はしっかり受け継いでいる。病院で働くボランティアのひとりは、ホエーリングさんが人々に喜びを与えているのを見るのは素晴らしいことだと、取材に語っている。別の女性も、誰にでも人生の中でつらい時があるが、そんな時でも彼のピアノは喜びを運んでくると言い、人を鼓舞する力があると話している。
また病院でピアノを弾くことは、ホエーリングさん自身にも恩恵があると本人は語る。ここでピアノを弾くことでスターのように感じ、何か特別な気分にさせてくれるという。
2019年3月7日 第10号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー空港で2日、機内食に自分が食べられるメニューがなかったことからビジネスクラスの乗客の男が怒り出し、いったんゲートを離れて離陸準備中だった飛行機が引き返す騒ぎが起きた。
この飛行機は、オンタリオ州トロント行きのエアカナダ118便。午後2時出発予定の同便は、出発準備が整いゲートを離れた時点で、すでに1時間ほど遅れていた。滑走路へ向かう間、客室乗務員が機内食のメニューをビジネスクラスの乗客に説明し始めた時、この事件が起きた。
その場に居合わせた目撃者によると、この男は自分の食べたかった魚料理がないとわかると攻撃的な物腰になったという。客室乗務員は終始冷静かつ丁寧に、いくつかの可能な選択肢を述べたものの、男は自分は肉や小麦が入った料理が食べられないと言い張り、客室乗務員に罵声を浴びせるようになった。男は酔ってはいなかったようだという。むしろ落ち着いた調子で「魚料理がないのは問題だ。とにかく私が魚を調達するから、それをそっちが調理して出すか、自分で調理して自分で食べるかだ」などと言っていたという。
この騒動に対し機長は男を降ろすことを決め、飛行機はゲートに戻った。
男が去り一件落着かと思いきや、この騒ぎで生じた遅れによって、操縦席の2人のパイロットの勤務時間が、航空法で定められている1日の勤務時間の限界に近づいてしまった。法定内の勤務時間に抑えるため、同便の操縦を他のパイロットに交代する必要があるとのアナウンスが、機長からなされた。
いったん待合室に戻され待たされていた乗客らが、再び同機に搭乗しバンクーバー空港を離陸できたのは、当初の出発予定から5時間半遅れの、午後7時30分だった。そして目的地のトロント空港に着陸したのは、日付が変わった3日の午前2時30分すぎとなり、到着後の予定をキャンセルしなければならない乗客もいた。
魚料理を得られなかったことに子供じみた態度を取ったこの男を、他の乗客全員が迷惑がっていたと、目撃者は語っていた。
2019年3月7日 第10号
ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーの教育委員会のひとつが2月26日、学区内にある学校の女子および共用トイレに、生理用品を無料で常備する案を可決した。
この委員会は、ニューウェストミンスター市教育委員会で、全会一致で今年の新学期(9月)から配布を開始することを可決した。昨年秋にはオンタリオ州のロンドン市教育委員会が、学区内の高校に生理用品を無料配布すると決定しており、今回の決定とともにカナダ初の取り組みとして評価されている。
同教育委員会のマーク・ギフォード議長は、これは非常に当たり前のことでありながら、長らく実現してこなかったことのひとつだと、取材に答えている。
なお今回の決定のきっかけとなったのは、娘が通う学校に生理用品が常備されていなかったことを知ったひとりの母親、セリーナ・トライブさんの教育委員会への働きかけだった。彼女は今回の決定は女生徒と女性にとって重要なもので、他の教育委員会もこの流れに加わることを願っていると、取材に語っている。
同教育委員会も、BC州内の学校で生理用品を常備するための予算を確保するよう、政府に求めていくことを同時に議決している。このことについてのメディアからの質問に対し州教育省は、当面は事態の推移を見守っていくと答えている。