2016年12月22日 第52号

 カナダ統計局は14日、第3四半期の1世帯当たりの可処分所得に対する返済負担率は166・9パーセントと過去最高になったと発表した。

 これは可処分所得1ドルに対して1・67ドルの借金を抱えることを意味する。第2四半期は166・4パーセントだった。  世帯が負う借金の総額は2兆4億ドルに膨れ上がり、うち住宅ローンが65・5パーセントを占めている。

 世帯の借金がここ

まで膨れ上がった要因を統計局は、長年にわたる低金利政策と高騰する住宅価格が、国民を借金に追い込んできたのではないかとしている。統計局によれば、所得の上昇率は1パーセントなのに対し、世帯の借金額は1・3パーセント上昇しているという。

 カナダ銀行はこれまで何度となく膨れ上がる借金額に対し、仮に住宅価格が急落するような事態が発生すれば、カナダ経済に大きな影響を与えると以前から返済負担率の上昇に警鐘を鳴らしている。

 

2016年12月22日 第52号

 オンタリオ州トロントのディスカウント店、オネスト・エド。同市ブロア通りとバサースト通りの角にあり、店の外壁を埋め尽くす電飾で有名な店だが、今年末でその66年の歴史に幕を閉じる。

 同店をさらに有名にしていたのは、バースデーケーキやホットドッグなどが無料で振る舞われる、創業者エド・マービッシュさんの誕生日を店全体で祝うバースデー・パーティーや、サンクスギビングやクリスマスに無料で配られるターキーだった。

 クリスマス・ターキーの無料配布は30年近く続いてきた。オネスト・エドの閉店とともに、この恒例行事もなくなってしまうかに思われたが、この伝統を受け継ごうと決めた近所の事業主らが、今年のクリスマス・ターキーを17日に無料配布した。

 この事業主は、不動産業のフリーマン・リアル・エステートと、学習塾のスピリット・オブ・マス。この日のために504羽、重さにして4トンあまりのターキーを購入した。

 1972年に、バリー・フリーマンさんがこの場所で開業したフリーマン・リアル・エステート。現在は息子のエルデン・フリーマンさんが社長を務めるが、一家はこの45年間コミュニティとともに歩んできたと取材に語り、またオネスト・エドの行ってきたこの伝統は正しいことであり受け継がれるべきだと、クリスマス・ターキーを始めた理由を述べていた。

 無料配布は正午から始まった。最初の年ということもあり出足は鈍かったものの、たまたま通りがかって配布のことを知った人などが集まり、次第に行列が長くなっていった。氷点下の気温の中、フリーマン・リアル・エステートから寄付を受けているセント・アルバン・ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブと、スピリット・オブ・マスの子供たちが、並んでいる人にコーヒーやキャンディ・ケーンを配っていた。

 

2016年12月22日 第52号

 1985年から1992年まで放映されたアメリカの人気TVドラマ、「愉快なシーバー家(Growing Pains)」。日本でも放映されたこの番組で、父親のジェイソン・シーバー役をつとめたアラン・シックさんが13日、アメリカ・カリフォルニア州バーバンクで死去した。

 享年69歳だった。シックさんはオンタリオ州カークランドレーク生まれ。現在住んでいるバーバンクで息子のカーターさん(19歳)とホッケーをしているときに心臓発作を起こした。すぐさまプロビデンス・セント・ジョセフ・メディカルセンターに運ばれたが、そこで息を引き取った。

 「愉快なシーバー家」の前、70年代後半にシックさんが司会を努めていた番組「アラン・シック・ショー」は、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市で製作されCTVが放映していたなど、アラン・シックさんとBC州は長く深い関係にある。

 アラン・シックさんは今月初めに、同州のスキーリゾート・ウィスラーで開かれたウィスラー・フィルム・フェスティバルで「カナダのアイコン賞」を受賞するため同地を訪れている。フェスティバルのエグゼクティブ・ディレクターを務めたシャウナ・ハーディ・ミショーさんは訃報に触れ、「カナダのアイコン賞」のコンセプトは、絶え間ない努力で常に新境地を開いていった人を讃えるもので、アラン・シックさんは誰からも愛され続けてきた、カナダの精神を代表する人物であり、アイコン以上の存在だと取材に語っている。さらに授賞式で彼が語ったスピーチに感動したとも付け加えている。

 アラン・シックさんには、最初の妻との間に生まれたロビンさん(シンガーソングライター兼プロデューサー)とブレナンさんが、また2人目の妻との間に生まれたカーターさんの3人の息子がいる。現在の妻のタニヤ・コーローさんは3人目の妻となる。

 

2016年12月22日 第52号

 「あなたの息子は、生命の危険にさらされている…」とてもホリデーシーズンのカードとは思えないメッセージだが、これはブリティッシュ・コロンビア州アボッツフォード市警察が発送したクリスマスカードに実際に書かれていたもの。

 こんなカードが届いたのは、ギャング活動への関与が疑われている人物の、親や家族。

 同警察は、2012年からこうしたクリスマスカードを作っている。2013年のカードは、警察官扮するサンタクロース先生の横で「悪い子」サンタが黒板に「もう拳銃ではあそびません」とチョークで反省文を書いている様子が描かれている、ある意味ほほえましいものだったが、最近では防弾チョッキとヘルメット、拳銃とマシンガンで警察の特殊部隊さながらに武装したサンタクロースが「あなたの息子が、現在発生しているギャング抗争に巻き込まれていることを知らせるために」このクリスマスカードを発送したと語る、よりシリアスなものになってきた。そして今年の内容は、その度合いがさらに強まっている。

 今年のカードはさらに「もしこのままギャング活動を続けるならば、命を落とす危険性はきわめて高い」と忠告し、さらに息子のギャング活動が他人の生命を奪うことになるとも指摘している。同市タウンヒル・ライン地区の抗争では今年、少なくとも5人の犠牲者が出ている。

 そのうえでカードは、自分の息子に限って…と思っている親に対し、息子らと話し合いを持つよう訴えている。14日に発表された警察のコメントには、これはギャング抗争と、それに関わっている人物の命に対する真剣な取り組みだと説明されている。また、抗争を終わらせようとしている警察に情報提供することは、自分たちのコミュニティを救うことになることを覚えていてほしいと市民に呼びかけている。

 

2016年12月22日 第52号

 アメリカの調理器具メーカー、クイジナートは13日、回転刃が欠損する恐れがあるとして、同社のフードプロセッサーをリコールすると発表した。

 合計800万個の製品がリコールされ、カナダでは約30万個が対象となる。

 フードプロセッサー内で食材を刻む回転刃が、使用を続けているうちにリベット止めされた部分からひびが入り、欠けた回転刃の一部が調理された食材に紛れ込む可能性がある。同ブランドを製造販売しているコンエアー社に、何十件もの被害の訴えが寄せられたという。

 不具合が発生する回転刃は、湾曲した二枚刃で、ベージュ色の回転ハブに4本の銀色のステンレス製リベットで固定されている。カナダ保健省は、この製品の使用を直ちに中止して、メーカーに連絡を取り、回転刃を無料交換してもらうよう呼びかけている。

 対象となる製品の番号は、以下のとおり。

CFP-9, CFP-11 DFP-7, DFP-11, DFP-14, DLC-5, DLC-7, DLC-8, DLC-10, DLC-XP, DLC-2007, DLC-2009, DLC-2011, DLC-2014, DLC-3011, DLC-3014, EV-7, EV-10, EV11, EV-14 KFP-7 MP-14

 これらの番号は、製品の底のクイジナートのロゴとともに記されている。

 製品の販売時期は、1996年7月から2015年12月の間。デパートやキッチン用品店などのほか、インターネット上でも販売されていた。

 カナダ国内では11月末の段階で、2件の口内裂傷や歯の欠損など10件の事故が報告されている。

 

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