2016年12月22日 第52号

 オンタリオ州トロントのディスカウント店、オネスト・エド。同市ブロア通りとバサースト通りの角にあり、店の外壁を埋め尽くす電飾で有名な店だが、今年末でその66年の歴史に幕を閉じる。

 同店をさらに有名にしていたのは、バースデーケーキやホットドッグなどが無料で振る舞われる、創業者エド・マービッシュさんの誕生日を店全体で祝うバースデー・パーティーや、サンクスギビングやクリスマスに無料で配られるターキーだった。

 クリスマス・ターキーの無料配布は30年近く続いてきた。オネスト・エドの閉店とともに、この恒例行事もなくなってしまうかに思われたが、この伝統を受け継ごうと決めた近所の事業主らが、今年のクリスマス・ターキーを17日に無料配布した。

 この事業主は、不動産業のフリーマン・リアル・エステートと、学習塾のスピリット・オブ・マス。この日のために504羽、重さにして4トンあまりのターキーを購入した。

 1972年に、バリー・フリーマンさんがこの場所で開業したフリーマン・リアル・エステート。現在は息子のエルデン・フリーマンさんが社長を務めるが、一家はこの45年間コミュニティとともに歩んできたと取材に語り、またオネスト・エドの行ってきたこの伝統は正しいことであり受け継がれるべきだと、クリスマス・ターキーを始めた理由を述べていた。

 無料配布は正午から始まった。最初の年ということもあり出足は鈍かったものの、たまたま通りがかって配布のことを知った人などが集まり、次第に行列が長くなっていった。氷点下の気温の中、フリーマン・リアル・エステートから寄付を受けているセント・アルバン・ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブと、スピリット・オブ・マスの子供たちが、並んでいる人にコーヒーやキャンディ・ケーンを配っていた。

 

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