2016年12月22日 第52号

 アルバータ州カルガリーの西130キロメートルほどにある、リゾート地カナナスキスの中の自然公園の駐車場に13日、風変わりな注意看板が立てられた。

 ピーター・ローヒード州立公園にアルバータ公園局が設置したこの看板は、最近チェスター湖やバーストール・パスのトレールに出没するムースが駐車場まで下りて来て、車に付着した塩を舐めるのが目撃されていることをハイカーに知らせている。

 そして、ムースを目撃した場合には距離を30メートル以上とることや、ムースを車からどかすには、直接ムースを押しのけるのではなく(ムースの平均体重は、メスの成獣で340キロから420キログラム、オスの成獣で450キロから500キログラムになる)、クラクションやセキュリティアラームを鳴らすようアドバイスしている。

 塩分は血液中の重要な成分であり、自然界からの摂取が足りなくなるこの季節には、融雪剤に含まれる塩が付着した車を舐めて補うこともあると、カルガリー動物園のダグ・ホワイト医師は説明する。

 一体何件ぐらい、こうした「ムースの車舐め」が報告されているのかは把握されていないが、この動物は塩分の摂取源については比較的柔軟であることが知られているため、毎年のように起こっているのではないかとみられている。

 この看板には、特にその期限は明記されていないという。

 

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