2016年12月22日 第52号

 「あなたの息子は、生命の危険にさらされている…」とてもホリデーシーズンのカードとは思えないメッセージだが、これはブリティッシュ・コロンビア州アボッツフォード市警察が発送したクリスマスカードに実際に書かれていたもの。

 こんなカードが届いたのは、ギャング活動への関与が疑われている人物の、親や家族。

 同警察は、2012年からこうしたクリスマスカードを作っている。2013年のカードは、警察官扮するサンタクロース先生の横で「悪い子」サンタが黒板に「もう拳銃ではあそびません」とチョークで反省文を書いている様子が描かれている、ある意味ほほえましいものだったが、最近では防弾チョッキとヘルメット、拳銃とマシンガンで警察の特殊部隊さながらに武装したサンタクロースが「あなたの息子が、現在発生しているギャング抗争に巻き込まれていることを知らせるために」このクリスマスカードを発送したと語る、よりシリアスなものになってきた。そして今年の内容は、その度合いがさらに強まっている。

 今年のカードはさらに「もしこのままギャング活動を続けるならば、命を落とす危険性はきわめて高い」と忠告し、さらに息子のギャング活動が他人の生命を奪うことになるとも指摘している。同市タウンヒル・ライン地区の抗争では今年、少なくとも5人の犠牲者が出ている。

 そのうえでカードは、自分の息子に限って…と思っている親に対し、息子らと話し合いを持つよう訴えている。14日に発表された警察のコメントには、これはギャング抗争と、それに関わっている人物の命に対する真剣な取り組みだと説明されている。また、抗争を終わらせようとしている警察に情報提供することは、自分たちのコミュニティを救うことになることを覚えていてほしいと市民に呼びかけている。

 

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