2016年12月15日 第51号

 連邦保守党の第2回党首討論会が6日、ニューブランズウィック州モンクトン市で行われた。現在立候補を登録している14候補が一堂に会し、それぞれの持論を述べた。今回は初めての英仏二カ国語による討論会。候補者のフランス語能力が試される初めての機会となった。

 討論会の内容は、アルバータ州からニューブランズウィック州までパイプラインを建設するイーストエナジーパイプライン建設計画、同州の雇用問題、炭素税などで、各候補が自身の考えを示した。

 今回もケリー・リーチ候補の新移民を対象にした「カナダの価値観」検査の導入について意見が分かれた。また今月3日にアルバータ州エドモントン市の州議事堂前で行われた炭素税反対集会で、同州ノテリー州首相に対し参加者が「投獄しろ」コールを繰り返した件で、その場に居合わせたクリス・アレキサンダー候補に批判の声が上がった。

 前移民相のアレキサンダー候補は、右翼系メディアの呼び掛けにより行われたこの集会でステージに立ちスピーチを行った。その最中に群衆からノテリー州首相を「投獄しろ」コールが沸き上がった。それをステージから見ていたアレキサンダー候補が笑みを浮かべて、そのコールに合わせて相槌を打っているようなしぐさを捉えた動画がネット上にアップされ、批判が相次いだ。アレキサンダー候補は翌日には「投獄しろ」コールには自分は関係ないと一定の距離を保つ発言を繰り返した。ただ「彼らが怒っていることは事実」と群衆を保護する発言をした。

 この行為に対して討論会中には、選挙で選出された州首相に対し「投獄しろ」というのは非常に非民主的と批判が上がった。

 その他ではフランス能力で大きな差が出たことが注目された。今回の討論会でフランス語で討論できたのはアレキサンダー候補を含め6人。なんとかフランス語を話せるというレベルの候補は4人。リーチ候補を含めその他4人はほとんど話せないというレベルだった。与党自由党ジャスティン・トルドー首相は完全なバイリンガル。2019年選挙に向け、フランス語で討論できない党首は国政選挙に勝てないことは一目瞭然で次の討論会が注目される。

 次の第3回討論会は舞台をケベック州ケベックシティに移して、フランス語のみで来年1月17日に行われる。党首選討論会は投票日までに全5回行われ、第4回、5回も英仏両語での討論会になる予定。次期党首は来年5月27日に決定する。党は党首選立候補を来年2月末まで受け付けている。

 今後はテレビ出演で知られるカナダ人ビジネスマンのケビン・オラリー氏が出馬するかにも注目が集まっている。

 

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