2016年12月15日 第51号
ブリティッシュ・コロンビア州野党の新民主党(NDP)ジョン・ホーガン党首は13日、改めてトランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画に反対の立場を強調した。
同パイプライン建設計画は、今月6日にジャスティン・トルドー首相が承認を発表し、バンクーバー周辺では大規模な反対運動が展開されている。
キンダーモーガン社が手掛ける同計画は、アルバータ州エドモントン近郊からBC州バーナビー市までオイルサンドを運ぶパイプラインを拡張する工事で、完成すればオイルサンド輸送量はこれまでの3倍となり、タンカーの航行量は7倍になるといわれている。タンカーはバンクーバーに大きく入り組んだバラードインレットを通るため、以前から環境保護活動家、先住民だけではなく、関係する周辺住民、周辺市町村が反対の立場を訴えていた。
一方でBC州政府は、条件さえ満たせば賛成の立場を取っている。ホーガン党首は、「今回の計画はBC州民が歓迎しているとは思えないし、海洋環境にも良くないことは明らか。さらに経済にも好影響はないと思っている」と語り、もし選挙に勝ったなら、できる限りの手段を使って連邦政府の承認を覆すとも語っている。
BC州では来年5月に州議会議員選挙が行われる。