2017年1月12日 第2号

 MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCで昨季活躍したFW工藤壮人選手が昨年12月30日付けで日本のJリーグ広島サンフレッチェに完全移籍したことをチームが発表した。

 工藤選手は2015年末にホワイトキャップスと契約。それまでJリーグ柏レイソルでトップフォワードとして活躍しながら、海外での活躍の場を求めてMLSに飛び込んだ。

 ホワイトキャップスでもシーズン開幕の3月からフォワードとして先発するなど、得点力を期待された。しかし5月には相手チームの選手と衝突。アゴの骨を折るほどの大けがを負い、復帰まで1カ月以上を要するなど波乱万丈の前半となった。

 後半はケガから復帰はしたものの、出場機会に恵まれず、日本で積み上げてきた実力を発揮する機会がなかなか訪れないまま海外初シーズンを終えた。

 シーズン終了後には今季に向け、ホワイトキャップスでの2年目の活躍に意欲を見せていたが、ホワイトキャップスとの契約を1年残してJリーグへの復帰が決まった。

 日本人選手としてMLSでの存在感を示すことに意欲を見せ、バンクーバーの日系イベントにも積極的に参加するなど、コミュニティとの触れ合いも大事にした。ホワイトキャップス1年目ながら、日系サッカーファンのみならず、地元サッカーファンにも愛された日本人選手だった。ホワイトキャップスHPでは1月1日付けで工藤選手のファンへの感謝の言葉を掲載している。

 広島地元紙は、サンフレッチェとは3年契約と報じている。

 

2017年1月12日 第2号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドの正教会が8日、シリアからの難民らとともにクリスマスを祝った。

 この教会は、聖グレゴリオ・アメリカ正教会。正教会は一般的なカレンダー(グレゴリオ暦)ではなく、西洋の旧暦ともいえるユリウス暦を使用しているため、そのクリスマス(12月25日)は、グレゴリオ暦の1月7日になり、その週末にクリスマスを祝う習慣がある。

 同教会は昨年、35人のシリア難民のスポンサーとなっている。シリア・アレッポの自宅アパートが爆撃を受けた難民のひとり、アラ・ストラックさんは、戦争のただ中にいると自分と家族の身の安全が最優先事項となる。ここには私たちが最も必要としていたもの、平和があると、取材に答えていた。

 同教会の難民スポンサーシップ委員会メンバーのエディ・パパチアンさんは、難民はここで全く異なる言語や文化、教育システムに適応しなければならないが、多くの彼らがシリアから逃れられたことに安堵していると話している。

 同教会では、この2〜3カ月の間にさらに20人の難民を受け入れる予定だ。ストラックさんら難民たちは、自分たちが助けられたように、今度は自分たちが新しい難民を受け入れ、役に立ちたいと語っていた。

 

2017年1月12日 第2号

 オンタリオ州トロントの地下鉄に8日、100人近い乗客がパンツやスラックス、スカートを脱いで乗車した。

 この「ノー・パンツ・サブウェー・ライド」は、2002年にアメリカの大道芸人グループ、インプロブ・エブリウェア(Improv Everywhere)がニューヨークで企画したのが始まりで、今年はトロントをはじめ世界32カ国の都市で実行された。

 このライドに参加した乗客は、老若男女様々。同市を南北に、U字状に走るヤング=ユニバーシティ線の北端、フィンチ駅から乗車。そのまま南下して最南端のユニオン駅を通過し、北上した同線が東西に走るブロア=ダンフォース線と交差するセント・ジョージ駅で乗り換え、ダファリン駅へと向かった。

 この日が誕生日というジャニス・シンクレアさんは、何か思い出になるユニークな方法で誕生日を祝いたかったと言い、このライドに参加するのが夢だったと取材に話していた。

 ほぼ半分の乗客がパンツ姿となったこの列車の車内では、ダンスパーティーが始まるなど大いに盛り上がった。2年前からこのライドに参加しているというカップルは、その醍醐味は乗り込んできた一般客の狐につままれたような表情やリアクションを見ることだと語っていた。

 ダファリン駅で下車した参加者らは、マイナス10度近い気温の中、そのまま一駅ほど先にある記念パーティー会場のペニーズ・バーへ向かった。

 

2017年1月12日 第2号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市内のトラウト湖が、20年ぶりに十分な厚さの氷に覆われた。

 バンクーバー公園委員会は4日、厚さが12センチ以上に達したことを確認した上で、スケート禁止の看板を撤去した。ちなみに、前回このような氷が張ったのは1996年のことだった。

 同公園委員会は市内の池や湖の氷の厚さを定期的に測定しているが、トラウト湖が安全基準である12センチを超えた市内最初の湖となった。

 スケートが解禁となったと同時に、多くの市民が湖の上でスケートなどを楽しんでいた。なお湖には係員などは配置されないため、同委員会は各自が注意してスケートを楽しむよう呼びかけていた。

 しかし8日には気温が上がったことと、週末の人出が多くコンディションが悪化したことから、湖は再び閉鎖されることになった。湖畔には立ち入り禁止のテープが張り巡らされ、無断で立ち入る者がないようにライフガードが定期的に見回っていた。

 なお、同じように5日から解禁となったコキットラム市のコモ湖は、今のところ閉鎖されていない。

 

2017年1月12日 第2号

 アメリカの新聞大手ニューヨークタイムズは、2017年の旅行先ランキング1位に、カナダ国全土を選んだ。ちなみに2位は南米チリのアタカマ砂漠、3位には世界遺産に登録されているタージマハルやアーグラ城塞で有名なインドのアーグラが入っている。

 4日付の同紙の記事は、カナダはいくつもの国際都市から、人類未踏の大自然までの幅広い旅行資源を有する国だと紹介、今年建国150周年を迎えるカナダにとって大きな宣伝となった。

 また150周年記念としてカナダ公園局は今年、200を超える国立公園や史跡の入場料を無料にしている。(ただしキャンプ料金や予約料金、またガイドツアーなど入場料とは別途料金となっているものなどは、無料にならない。)

 そのほかオタワや、今年375周年を迎えるモントリオールでも年間を通じて様々な催しが企画されており、今回ニューヨークタイムズがカナダを1位に選んだのも納得できる。

 その一方で都市別ランキング(トップ52都市)で昨年7位だったトロントは、今年はランク外に落ちてしまった。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。