2019年12月5日 第49号

 オンタリオ州トロントの地下鉄で12月2日に火災が発生し、月曜日朝のラッシュアワーを直撃した。

 火災が起きたのは午前7時ごろ、地下鉄ライン2のダンダスウエスト駅の近く。地下鉄を管理運営するトロント・トランジット・コミッション(TTC)は、火事の原因を木製の板が送電レールに触れて発火したとみられると発表している。

 TTCは火事のため送電を停止。1便が走行途中に停車を余儀なくされた。そのため停止した電車に乗り合わせていた乗客約200人は煙が充満する暗いトンネルの中を最寄り駅まで歩いて避難した。

 TTCによると、電車が止まった後、乗客が窓を開けたため、電車内に煙が入り動揺した乗客もいたが、TTC職員の誘導の下、全員無事に脱出。この事故によるケガ人はいなかったと報告している。

 カナダ最大都市トロントでラッシュアワーに起こった地下鉄火災は、通勤通学の足を直撃した。地下鉄が運行を再開したのは午前10時ごろ。ただ火事はすぐに消火されたため大事故には至らなかったと発表している。

 

2019年12月5日 第49号

 ブリティッシュ・コロンビア州沿岸で体に矢が刺さったカリフォルニア・アシカのオスが発見され、救助活動が行われた。

 傷ついたアシカが発見されたのは同州パウエルリバーで、束ねて浮かべられている材木用の丸太の上に矢が刺さった状態で横たわっていた。矢はクロスボーと呼ばれる威力の強い弓から放たれたもので、腹部辺りに刺さっていた。

 連絡を受けた同州バンクーバー市のバンクーバー水族館海洋哺乳類救助センターの職員が駆け付け、カナダ政府漁業海洋省と、地元の協力者とともに救助に当たった。アシカは約250キログラムあり、地元の人々の協力がなければ成功しなかったと、センターの職員は感謝した。

 センターによると、アシカはケガをしてからかなり時間が経っているという。傷は大きく、脱水症状もひどく、やせて、かなり衰弱していると説明。さらに両目が正常ではなく、銃で撃たれた傷が原因ではないかと語っている。

 現在は、センター職員によってアーチーと名前付けられて、治療とケアを受けている。

 人間の手によって傷つけられたアシカがBC州沿岸で救出されるのは、最近ではアーチーが3頭目となる。2017年には銃で撃たれたことが原因で失明したアシカが救助された。現在は回復し元気にしている。しかし2018年に救助されたアシカは頭蓋骨に銃弾がはまっていたため、結局助からなかった。

 バンクーバー水族館海洋哺乳類救助センターは、BC州沿岸の海洋生物の救助や保護、リハビリなどの施設として活動している。

 

2019年12月5日 第49号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市議会は11月28日、来年以降の空室税について25パーセントの引き上げを承認した。

 バンクーバーでは不動産価格が上昇し、市民の一般的な給与では住宅購入が困難な事態にまで悪化している。その要因の一つに投資目的による購入がある。さらに新しく建設されるコンドミニアムは投資目的用の分譲住宅が多く、これが賃貸住宅不足と賃貸料上昇を招き、バンクーバーに最悪の住宅事情を作り出している。

 それにもかかわらず、実際には誰も住んでいない空き家状態の住宅が多いことが指摘され市が対策に乗り出した。そこで「空室税」導入となった。

 2016年バンクーバー市は、一定の条件を満たしている場合を除き、居住していない住宅に対して課税する「空室税」の導入を決定。2017年1月から1パーセントを課税している。

 そして2018年、BC州地方選挙で空室税を3倍に引き上げることを公約として掲げていたケネディ・スチュワート市長が当選。今回の25パーセント引き上げはスチュワート市長が提出した動議を市議が承認した。2021年、2022年にも適用される。

 しかし急激な大幅引き上げは混乱を招くとして、2020年は現行の1パーセントから0・25パーセント引き上げて1・25パーセントから始まることが決定した。

 空室税は、居住者のいない住宅へ課税することで、所有者に賃貸活用を促す目的がある。また課税による税収を、適正価格の住宅建設に充てるとしている。

 市議会は2018年の空室税対象件数は1989軒で、前年の2538軒より減少していると発表している。

 

2019年11月28日 第48号

 ジャスティン・トルドー首相は20日、新内閣を発表した。10月21日の総選挙で過半数を取れず少数派内閣として発進する第2期トルドー政権だが、閣僚数は以前よりも多く34となった。

 注目されたのはクリスティア・フリーランド前外相。政府間関係大臣に任命されるとともに副首相に就任した。重要な任務は国内の分裂を和らげること。今回の選挙でカナダ西部アルバータ州、サスカチワン州で1議席も取れなかった自由党は、アルバータに縁が深いフリーランド氏を政府間関係大臣に任命し、西側との亀裂修復を図る狙いがある。さらに、外相時代の功績から新北米自由貿易協定も引き続き担当する。国内外で重要な役目を一手に担った。

 外務大臣の後任にはフランソワフィリップ・シャンパーニュ前インフラ・地域社会大臣が就任した。国際多様化大臣を務めていたこともあり、TPP11(11カ国による環太平洋経済連携協定)締結に尽力した功績を買われての大抜擢となった。

 注目の環境・気候変動大臣にはジョナサン・ウィルキンソン前漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣が任命された。カナダを二分する問題にまで発展しているトランスマウンテン・パイプラインの終着点近くブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバー選挙区ということで、建設を推進する政府代表として当事者たちとの調整役も任されるとみられている。

 キャサリン・マッケナ前環境大臣は、天然資源推進派からも環境活動家からも指示されないという問題が噴出した。今回の新内閣では環境大臣を外されることはすでに漏れ聞こえていた。そこで今回就任したのはインフラ・地域社会大臣。環境大臣時代からトランスマウンテン建設推進の旗振り役として前面に出ていたため、今回の任命はまさに適任といえる。

 次いでパイプライン関連大臣として天然資源産業大臣にシームス・オリーガン前先住民サービス大臣が就任した。この任命には疑問の声が上がっている。天然資源大臣はこれまでアルバータ州など天然資源産業が中心の州で当選した大臣が任命されていた。しかし今回は議席が取れなかったため、やはり天然資源が重要な産業のニューファンドランド・ラブラドール州からの任命となった。しかし、この任命にはトルドー首相の「お友達内閣の典型」という批判が上がっている。

 公安・非常時対応準備大臣にはビル・ブレアー前国境警備・組織犯罪削減大臣が就任、環境大臣に就任するのではとみられていた環境活動家のスティーブン・ギルボルト氏はカナダ民族遺産大臣に就任した。

 ビル・モルノー財務大臣、マルク・ガルノー運輸大臣、ハルジット・サージャン国防大臣、デイヴィッド・ラメッティ法務大臣兼司法長官は留任した。

 前回の第1期トルドー政権同様、今回も閣僚男女比は同じ。しかし、フリーランド副首相を除いて主要閣僚に全て男性議員が就いているとの批判が出ている。

 さらに地域格差も鮮明になった。最も大臣が多いのはオンタリオ州で17。全閣僚の46パーセントを占める、次いでケベック州11で30パーセント。この2州で閣僚の4分の3を占めることになった。これは人口比率からしても格段に多い数字となっている。ブリティッシュ・コロンビア州は4人、東海岸4州で各州1人、どちらも11パーセント、マニトバ州で1人が任命された。

 過半数は取れなかったが辛うじて少数派でも政権が取れた要因はオンタリオ州、ケベック州での議席獲得だっただけに、ご褒美任命ではないかとの声も上がっている。

 国会は12月5日に再開する。

 

2019年11月28日 第48号

 連邦新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首は24日、党の重要ポスト院内総務にピーター・ジュリアン議員、院内幹事にレイチェル・ブレイニー議員を任命することを発表した。

 両議員ともブリティッシュ・コロンビア(BC)州の選挙区で当選。バーナビー選挙区のシング党首とともに、BC州議員が重要な地位を占めることになった。

 この日シング党首はBC州ビクトリアで開催されたBCNDP党大会に出席。その席で、ブリティッシュ・コロンビア州でNDPが結束を強めている、BC州は全国で唯一ジョン・ホーガン州首相の下、NDPが政権を取っている州だとBC州の重要性を強調した。

 ジュリアン議員はトム・マルケア前党首時代から院内総務を担当しているベテラン議員。今回は特に少数派政権ということで、党間の調整役である院内総務の役割は大きい。トルドー新政権は政策を進めるためには野党の協力が必要となる。その時に駆け引きをするのが院内総務の役割。シング党首は、「ピーターは党内でも最も経験が豊富な議員の一人」と全幅の信頼を寄せていると語った。

 院内幹事は党内での調整を図る役割を担っている。ブレイニー議員は昨年、副幹事を務めていて、「レイチェルは党内外で多くの信頼を得ている」ため適任とシング党首は語っている。

 その他のシャドーキャビネットは後日発表すると語った。国会は12月5日に再開する。その時に新民主党がトルドー政権を信任するのか注目される。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。