2019年12月12日 第50号

 ビル・モルノー財務相は9日、中間層への減税に向けた準備のための動議を提出した。記者会見したモルノー財相は「政府として最初に着手したいと考えていたのは中間層への減税措置で、今日その第一歩を示した」と語った。

 動議は所得税法の改正案で、2023年までに最大で収入の1万5千ドルまでは連邦税が課税されないというもの。4年間で段階的に実施していくという。1年目の2020年は現在免税対象となっている1万2298ドルを約千ドル引き上げ、1万3229ドルとする。そして最終的に1万5千ドルまで引き上げる。

 これにより約2千万人の国民が個人で最大年間300ドル、家族では600ドルの減税の恩恵を受けるという。高収入を得ている国民は対象外とすることも発表した。

 政府の試算によると、今回の減税による歳出額は2020〜21年で30億ドル、2023〜24年で約60億ドルになるとしている。

 

2019年12月12日 第50号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーの公共交通機関トランスリンク社は10日、同社スカイトレイン部門BCラピッド・トランジット・カンパニーと労働組合が労使協定で合意に達したと発表した。

 今年8月に協定が失効して以降、両者は話し合いを続けていた。しかし交渉がまとまらないことから、労働組合は11月21日にストライキの実行を決定。この時に実行の時期は発表されなかったが、メトロバンクーバーのバスとシーバスの労働組合ユニフォが20日に、27日から3日間ストライキによる全面運休を発表した直後だったため、メトロバンクーバーの公共交通機関が全て止まるという最悪の事態になる可能性もあるとして早急な協定合意が望まれた。

 結局ユニフォは26日深夜に合意に達し、27日からバス・シーバスの完全ストライキは寸前で回避された。12月5日にはユニフォは協定内容を承認。バス・シーバス労働組合によるストライキの可能性はこれで完全に回避された。

 しかし翌日の6日にスカイトレインの労働組合が10日から3日間完全ストライキに突入すると発表。公共交通機関を利用する人々にとってはストライキが続く悪夢のような事態となった。

 ただユニフォとは異なり、スカイトレイン労働組合は話し合いを続行していた。組合側も完全ストライキ回避のために努力することを強調。9日午後から10日早朝まで話し合いは続き、直前でストライキを回避。始発から多少の遅れが生じているものの通常運行に戻った。

 トランスリンクは午前5時45分に声明を発表し、労使交渉が合意に達したことと完全ストライキの回避を伝えた。

 

2019年12月12日 第50号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にあるオッペンハイマー公園は現在ホームレスの人々の生活の場として利用されている。

 公園にはテントが多く張られ人々が生活しているが、寒さが厳しくなっているため暖を取るために火を起こす行為がみられると懸念されている。

 先週には2件の火事で数個のテントや所有物が燃えるという事件があった。消防署によると、発火原因は暖を取るためと料理をするためにプロパンヒーターやバーベキューで火を起こしたためとみられると語っている。

 バンクーバー市や消防署は、火事による事故でケガ人などが出る前にテントを強制撤去するよう主張しているが、公園を管理するバンクーバー市公園庁は強制撤去には消極的な姿勢を見せている。

 現在は50人ほどがテントを張っているという。

 市は、これからますます寒さが厳しくなるため、近くのセンターに避難するなどの対策を講じてほしいと語っている。

 

2019年12月12日 第50号

 ウォールマート・カナダのオンラインショップで販売されているセーターの模様が不適切として、同社は販売を停止すると発表した。

 きっかけはツイッターでの投稿だった。ウォールマート・カナダのオンラインショップで、サンタがこれからコカインを使用しようとしている柄のセーターが販売されていると紹介された。投稿されたのは12月7日。その後、グローバルニュースが放送し、ウォールマート・カナダが謝罪する事態となった。

 コカインサンタのセーターは一見すると分からないが、オンラインでのセーター紹介文に、『雪がどういうものかはみんなよく知っているだろ。白くて、粉っぽくて、最も質の高い雪は南アメリカから来るんだ』と書かれ、『だからサンタさんも最高級のコロンビア産の雪を手にした時は味わうのを楽しむんだ』と説明している。この「コロンビア産の白い雪」がコカインを連想させると指摘している。

 これ以外にも、お尻を出したサンタが暖炉にあたっている柄とか、サンタの格好をした鞭を持った女性の前に四つん這いになったサンタの柄とか、「アグリー・セーター(醜い柄のセーター)」の度を超したセーターがオンラインで販売されていることが明らかになった。

 これについてウォールマート・カナダは声明を発表。「これらのセーターはウォールマート・カナダのオンラインショップで、外部販売店が独自に販売しているものでウォールマートの価値観を代表するものではなく、当社のサイトにはふさわしくないと判断しました。よって商品はオンラインショップより削除しました」と発表した。続けて「これにより気分を害されるようなことがあった場合は謝罪します」としている。

 しかし、こうした不適切だと指摘されたセーターやTシャツをウォールマートが販売するのは今回が初めてではない。今回の謝罪では、どのような会社がこのようなセーターを販売したのか、再発防止策は講じるのかについては言及していないとメディアは伝えている。

 

2019年12月12日 第50号

 警察に下車を促されたバスの乗客が暴れだし、警察官の拳銃を奪おうとする事件が起きていたことが分かった。

 事件が起きたのは6日午後6時ごろ。ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーを走るバスの中で起きた。警察官が、男の乗客がバスの中でマスタベーションをしているようだとの通報を受けて駆け付け、男に下車するように促した。しかしこの男は突然暴れだし、警察官1人、公共交通機関警備員2人が対応している最中に警察官の顔を殴り、警察官が持っていた拳銃を奪おうとしたという。

 拳銃を奪われることはなく、男は逮捕された。

 金曜日の帰宅途中に起きたバス車中での捕物は、同乗した乗客にとってはとんだ迷惑。ただ同乗者にケガ人が出たという報告はされていない。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。