2019年12月12日 第50号

 ケベック州モントリオールで12月6日、30年前に犠牲になった女性14人の追悼式が行われた。

 式典には、ジュリー・パイエッテ総督、ジャスティン・トルドー首相、ケベック州フランソワ・レガルト州首相、モントリオール市バレリー・プランテ市長も参列した。

 事件は1989年12月6日、モントリオール大学の提携校であるエンジニアの専門学校で起きた。男が突然教室に入ってきて「フェミニズムと戦っている」と主張、教室にいる男子学生に退室するように告げ、男子学生が教室からいなくなると、残っていた女子学生9人に向け突然銃を乱射、6人が死亡した。その後男は廊下やカフェテリア、他の教室を回り女子学生を標的にして20分間うろついた後、持っていた銃で自殺。わずか20分足らずで20代前半の若い14人の女子学生が犠牲になった。男はこの大学に入学できなかったのだという。

 式典では犠牲になった14人全員の名前が読み上げられた。元宇宙飛行士でもあるパイエッテ総督は、事件が起きた時、自分もエンジニアリングを勉強中だったとあいさつで語り、悲しいことに反フェミニズム発言は今でも社会で当たり前のように繰り返されていると述べた。トルドー首相は「性別による偏見からくる暴力に対して協力して立ち向かわなければならない」と述べ、より厳しい銃規制が必要と語った。

 カナダ国内ではこの事件をきっかけにより厳しい銃規制を求める声が上がった。しかし現在でも状況は30年前からほとんど変わっていないという。事件の犠牲者の一人は、現在のカナダの銃規制は「銃規制と呼ぶに程遠い状況」とメディアに語っている。「悲劇から30年、カナダではあの事件で使用され14人の女性を殺した銃すら禁止されていない」と訴えた。

 この日は、全国で東はニューファンドランド・ラブラドール州セントジョーンズのニューファンドランドメモリアル大学からブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学まで、14大学で追悼式典が行われた。

 

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