2020年1月1日 第1号

 日曜日の昼下がりに突然ワニがのんびりと道路を横切っている姿が目撃された。ワニが姿を現したのはケベック州モントリオール。目撃した市民によると12月15日の午後、ワニは車が行きかう通りを悠々と横切り停車している車の下に潜り込んだという。どうやら寒さをしのぐための場所を探していたようだ。

 市民の通報で駆け付けた警察の発表によると、このワニは近くに止めていたバンから逃げ出したという。ワニの持ち主は珍しい動物を紹介する仕事をしている人たちで、モントリオール市バレリー・プランテ市長によると、ワニを所有するための正式な許可を市から得ていて、動物は教育目的で使用されているという。

 では、なぜモントリオールの昼下がりの路上をワニが歩いていたかというと、持ち主がランチを取るためにワニを運んでいたバンを駐車していたところ、どうやらそこから逃げ出したようだと警察は説明している。

 この時近くのカフェでコーヒーを飲んでいたメイサム・サマハさんは、ワニが怖いというよりも車にひかれるのではないかとそっちの方が心配になったという。そこでワニが道路を渡っているあいだ、通行中の車を停車させてワニを手助けしたという。「コーヒーを飲んでいたら突然、道路をワニが渡っていたのでびっくりした」とメディアに語っている。

 警察が到着する前には持ち主が気づいてワニをバンに戻し、けが人や事故などもなく一件落着したということだ。

 

2020年1月1日 第1号

 カナダ公衆衛生局はヘビやネズミをペットとして飼っている人にサルモネラ菌の影響による症状が発生していることを受けて、なるべくペットに触ったりしないように呼び掛けている。

 当局の発表によると、2017年8月から2019年10月までの期間に全国でサルモネラ菌による症状が発生したケースが92件あったと報告している。サルモネラ菌が引き起こす症状としては、発熱、寒気、下痢、頭痛、嘔吐、腹痛などがある。全国6州でサルモネラ菌によるこうした症状が報告され、52件がケベック州で起きているという。ブリティッシュ・コロンビア州でも4件が報告されている。

 この事実を受け当局が調査したところ、原因はヘビやネズミなどのげっ歯類との接触による可能性が高いことが分かったとしている。「症状があった人の多くが症状を発生する前に、ヘビやペットのネズミ、また爬虫類用の餌とするげっ歯類と直接、もしくは間接的に接触があった」と報告している。

 当局はペットとしてヘビやネズミを飼っている人にサルモネラ菌による体調悪化を避けるための注意事項を紹介している。その中には、台所や洗面所のシンク、湯ぶねでペットの体を洗わないなどが含まれている。そして、「絶対にペットのげっ歯類や爬虫類にキスしない」よう注意を促している。

 

2020年1月1日 第1号

 全国でスーパーマーケットチェーン店を展開するロブロウは、同社が発行している会員専用カードPCオプティマムを利用した詐欺行為が報告されているとして会員に注意を促した。

 詐欺行為はテキストメッセージで「我々のシステムによるとあなたのオンラインアカウントが作動していないことが分かりました。ポイントなどを失うことを避けるためには、アカウントが有効に継続していることを承認してもらう必要があります」と、リンクしているウェブサイトから承認するよう促していると説明している。

 このウェブサイトをクリックすると、PCオプティマムの正規ウェブサイトと似たサイトが現れるという。しかしウェブサイトのURL自体が正規サイトとは違っていると注意を促している。

 正規サイトはpcoptimum.caだが、詐欺サイトはpcoptimumsavings.online。ロブロウは、「PCオプティマム会員はセキュリティが強化されているアプリや正式サイトを通してアクセスすることを推奨します。さらにセキュリティを強化したい場合は、数種類ある認証サービスを利用してください」と発表している。

 専門家によると、この時期になると毎年こうした詐欺が多くなり、今回も特にPCオプティマム会員を狙ったものではないと思われるとし、消費者には同類の詐欺行為に注意するよう呼びかけている。

 

2020年1月1日 第1号

 アルバータ州ジェイソン・ケニー党首率いる統合保守党(UCP)の支持率が最近急低下していることが世論調査の結果で分かった。

 世論調査会社シンクHQパブリック・アフェアの調査によるとUCPの支持率は2019年10月の調査と比べると12パーセント低下しているという。UCPを支持すると答えたのは44パーセント、一方で支持しないと答えたのは過半数を超える53パーセントとなった。中でも38パーセントは強く不支持と回答している。強く支持は16パーセントにとどまった。

 連邦保守党政権時代に主要閣僚を務めたケニー氏が党首として就任したUCPは、今春の選挙で同州新民主党(NDP)前政権を抑えて圧勝。連邦政府にも影響力のあるケニー党首への期待は大きかった。そのため、州首相就任当初は高い支持率を獲得していた。

 しかし、ここにきてその影響力はやや薄れつつある。ケニーUCPに投票したという有権者でさえ不支持を表明していることが、今回の世論調査結果で明らかになった。

 要因は雇用、経済への不安と、ケニー政権の予算削減案によるものとみられている。特に雇用への不安は、10月の調査に比べて14パーセント増加。一方でケニー政権の雇用対策を支持するとした人は13パーセント下落している。

 これにはケニー政権が10月に打ち出した予算削減対策のための公務員数削減政策が影響しているとみられている。アルバータ州政府は、2023年までに公共サービスを7・7パーセント削減するとし、2022年度までに公務員の給与を2・1パーセント削減、高等教育への費用を5パーセント削減することを発表した。

 今回の結果についてシンクHQマーク・ヘンリー代表は、6カ月前に行われた選挙で進歩保守党に投票した有権者の5人に1人が、すでに政府の対策を支持しないと答えているのは、それが経済問題であれ、ヘルスケアや教育問題であれ、問題はかなり深刻と分析。「政府としては無視できない数字だろう」と語っている。

 アルバータ州選挙のあと、有権者は経済がすぐにでもよくなるという期待をしたに違いない。しかし実際はそんなにすぐに経済が回復するわけではなく、現実とのギャップも支持しない要因になっているとも語っている。

 今回の支持率の下落ぶりは、新民主党が政権を取った前回選挙の時とよく似ているとも分析している。

 

2020年1月1日 第1号

 自由党政権が10月の選挙後に示した最初の財政見通しで、当初の予測よりも負債が大幅に増えることが分かった。2019年度の負債額は266億ドルとなり、2019年の選挙前に示した予算案の198億ドルよりも大幅増となる。

 自由党政権によると、2020年度は281億ドルで2019年予算案時274億ドルよりも、やはり多くなる。

 ただ今回の数字は現時点での試算で、自由党政権が少数派政権として運営していくために必要な野党との約束や各州政府との調整のための費用などを考慮すると、この負債額はさらに増加する可能性が高いと専門家は予想している。

 ビル・モルノー財務相は、野党との協力に必要なファーマケアや中間所得層への減税措置などの政策は莫大な費用が掛かるため、自由党としては将来的な費用を調整しながら計画を実行していくと語っている。

 カナダのGDP(国内総生産)に対する返済負担率は変わらずG7では最も低く、30・9パーセントで、2024年度には28・5パーセントに、さらに下がる見込みとなっている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。