2020年1月1日 第1号
アルバータ州ジェイソン・ケニー党首率いる統合保守党(UCP)の支持率が最近急低下していることが世論調査の結果で分かった。
世論調査会社シンクHQパブリック・アフェアの調査によるとUCPの支持率は2019年10月の調査と比べると12パーセント低下しているという。UCPを支持すると答えたのは44パーセント、一方で支持しないと答えたのは過半数を超える53パーセントとなった。中でも38パーセントは強く不支持と回答している。強く支持は16パーセントにとどまった。
連邦保守党政権時代に主要閣僚を務めたケニー氏が党首として就任したUCPは、今春の選挙で同州新民主党(NDP)前政権を抑えて圧勝。連邦政府にも影響力のあるケニー党首への期待は大きかった。そのため、州首相就任当初は高い支持率を獲得していた。
しかし、ここにきてその影響力はやや薄れつつある。ケニーUCPに投票したという有権者でさえ不支持を表明していることが、今回の世論調査結果で明らかになった。
要因は雇用、経済への不安と、ケニー政権の予算削減案によるものとみられている。特に雇用への不安は、10月の調査に比べて14パーセント増加。一方でケニー政権の雇用対策を支持するとした人は13パーセント下落している。
これにはケニー政権が10月に打ち出した予算削減対策のための公務員数削減政策が影響しているとみられている。アルバータ州政府は、2023年までに公共サービスを7・7パーセント削減するとし、2022年度までに公務員の給与を2・1パーセント削減、高等教育への費用を5パーセント削減することを発表した。
今回の結果についてシンクHQマーク・ヘンリー代表は、6カ月前に行われた選挙で進歩保守党に投票した有権者の5人に1人が、すでに政府の対策を支持しないと答えているのは、それが経済問題であれ、ヘルスケアや教育問題であれ、問題はかなり深刻と分析。「政府としては無視できない数字だろう」と語っている。
アルバータ州選挙のあと、有権者は経済がすぐにでもよくなるという期待をしたに違いない。しかし実際はそんなにすぐに経済が回復するわけではなく、現実とのギャップも支持しない要因になっているとも語っている。
今回の支持率の下落ぶりは、新民主党が政権を取った前回選挙の時とよく似ているとも分析している。