2020年1月9日 第2号
保守党アンドリュー・シェア党首が昨年12月に辞任を発表して以降、次期党首候補について注目を集めている。その次期党首を決定する党大会の日程が決まったと1月4日に発表した。
党大会は今年6月27日(土)にオンタリオ州トロントで開催される。この週のトロントはLGBTQコミュニティの祭典プライド週間。カナダ最大と言われるプライドパレードは28日に行われる。
シェア党首が党首辞任に追い込まれた理由の一つに、LGBTQコミュニティへの自身の信念があった。シェア党首は同性愛婚に反対の立場で、選挙戦で個人としての見解を聞かれると、個人の見解はともかく党として同性愛婚については賛成として決着していると答えるにとどめていた。党首として一度もプライドパレードに参加したことがない。こうしたシェア党首の個人見解が不祥事続きのジャスティン・トルドー自由党に勝てなかったのではと党内から不満が噴出した。
そして今回新党首を決める党大会がプライド週間だったことで、何かあるのではとみられたが、保守党党首選実行委員会委員長の一人リサ・レイト氏は、テレビインタビューに答え、なるべく早く党首を決定したいと日程を調整した結果、この日に決まったとして、単なる偶然と語っている。
少数派政権の自由党政権では、次期選挙がいつになるか分からない。なるべく早く次期党首を決定する必要があるという。
現在、党首選への出馬には、大物ベテラン保守党議員、もしくは元議員が期待されている。ローナ・アンブローズ元暫定党首、ピーター・マッケイ元国防相、ピエール・ポリバー議員、ミッシェル・ランペル・ガーナー議員などの名前が挙がっている。
レイト氏は3日、党首選に立候補を考えている人は10日間しか猶予はないと語っている。
2020年1月9日 第2号
国際連合(UN)の人種差別撤廃委員会(CERD)が、カナダで進行中の大型プロジェクト3件について、関係する先住民族との合意に至っていないなどの理由で建設を中止するよう要請した。
中止を求めたプロジェクトは、アルバータ州からブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー市までオイルサンドを運ぶトランスマウンテン・パイプライン拡張工事、BC州の電力発電のために建設中のサイトCダム、液化天然ガス(LNG)をBC州北部沿岸まで送るコスタル・ガスリンク・パイプライン。
UNの委員会は昨年12月に、これら3件のプロジェクトは、影響を受ける先住民族の、自由意志で、事前に、明らかな形で同意されるべきだが、そうした同意がないまま事業が承認され、工事が始まったことは懸念されると発表している。さらに司法によって強制的に先住民族の行動が妨害されているとも語っている。
トランスマウンテン・パイプライン拡張工事は、連邦政府が買収し国営企業として現在工事が再開されている。今回の件では、工事は安全にかつ先住民族とのコミュニケーションも大事にしながら工事を進行していると主張している。同事業は、先住民族らの訴えによって一度裁判所が工事停止を言い渡し、再度環境問題対策と先住民族との話し合いを経て承認され、工事が進んでいる。しかし、BC州には納得していない先住民族もいる。
サイトCダム建設工事を進めているBC州の電力会社BCハイドロは、今回の件を受けて2007年から関係する先住民族と話し合いを続け適切に対応していると発表している。
UNの委員会は以前はサイトCダムのみについて問題視していたが、今回トランスマウンテン事業とコスタル・ガスリンク事業を加えた。
UN人種差別撤廃委員会(CERD)は、国連の人種差別撤廃条約(正式名称:あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約)に基づき設立された独立した人権団体。条約には88カ国が署名、カナダも署名国のひとつ。委員会は18人の専門家で構成されている。
今回の委員会の要請に対し、アルバータ州政府が反応した。アルバータ州エネルギー大臣は、カナダ国内の天然資源に関する巨大プロジェクトについてはカナダ国内で選挙によって選ばれたリーダーたちによって決定されることであり、国連のように選挙によって選出もされていなければ責任もない機関が口をはさむべきことではないと反論している。
2020年1月9日 第2号
イギリスのヘンリー王子、メーガン王女家族が、クリスマス休暇をブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア近郊で迎えたことで、近隣住民が散歩中に王子夫妻に偶然出くわす幸運が続いていることが話題となった。
なかでも、パブロビックさんとカンタロウィクズさんカップルはメーガン王女から直接写真を撮ってもらうといううれしいアクシデントに見舞われたとテレビインタビューに答えている。
幸運な出会いとなったのは1月1日。二人がピクニックに出かけたホースヒル・リージョナルパークでセルフィを撮ろうとしていた時に起きた。2人はその時近くにいた犬を2匹連れた一行に気付いたという。
セルフィで撮った写真をチェックしていると、一行にいた女性が一人近づいてきて「写真を撮りましょうか」と話しかけてきたという。二人は「それではお願いします」と言って、その女性に写真を撮ってもらった。その時はその女性が誰か気づかなかったと話している。
カンタロウィクズさんは一行のうちの一人がテレビドラマ「スーツ」に出演していた女優に似ていると思ったが、本人とは思わなかったと振り返った。しかし、それがきっかけで写真を撮ってくれた女性がメーガン王女だと気づいたという。
「凍り付きましたよ。信じられなくて。それからよく見るとそこにヘンリー王子が立っているのに気づきました」と語っている。メーガン王女は3枚の写真を撮ってくれたという。それからカメラを返す時に「ハッピーニューイヤー」と言ってくれたと振り返った。「なんだか狐につままれているみたいで『これって本当に起こったことかな?』って。今でも夢みたいです」と語っている。
2020年1月9日 第2号
ハリウッド人気俳優ライアン・レイノルズさんが子どもたちのために醜いセーターを着てビデオに出演した。
といっても、これは病気で苦しむ子どもたちのために寄付を呼び掛けたもの。昨年のクリスマスの5日前にレイノルズさんは、ソーシャルメディアに12月24日までにオンタリオ州トロントのシックキッズ・ファウンデーションへ集まった寄付と同額を10万ドルを上限に自身が寄付すると投稿。多くの寄付をするよう呼び掛けた。
そして、このキャンペーンをより周知させるために、友人のハリウッド俳優ヒュー・ジャックマンさんとジェイク・ギレンホールさんに騙されて醜いクリスマスセーターを着せられるビデオを制作。映像の最後に子どもたちのための画像とメッセージを添えて、この映像をソーシャルメディアに投稿した。
これが功を奏したのか寄付の輪は広がり、ファウンデーションの発表によると30万ドルを超える寄付が集まったという。
レイノルズさんは、1月2日に自身のツイッターを更新し、2020年初の投稿で、寄付してくれた人々に感謝した。
レイノルズさんはブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー出身で、カナダでは絶大な人気を誇っている。
2020年1月9日 第2号
ブリティッシュ・コロンビア州裁判所は、元彼の悪口をソーシャルメディアで流した女に20万ドルの支払いを命じた。
支払いを命じられたのは自称スタイルブロガー&インフルエンサーのノエル・ハルクロウさん。2015年から付き合っていた男性と別れた直後から1年以上にわたってソーシャルメディアに悪口を掲載していたとして名誉棄損で訴えられていた。悪口の中には、「よく知られた浮気者でそれを自慢していた」などの言葉があったという。
裁判所は、ハルクロウさんは約100の相手の男性の名誉を傷つける投稿をソーシャルメディアで流しているが、それらはすべて事実ではなく、悪意のある嘘だとしてハルクロウさんに責任があると理由を語っている。本人は自分の投稿ではないと語っていた。
それでもこうしたソーシャルメディアでの投稿に対する訴えに20万ドルの賠償金は破格で、背景には彼女には約1万7千にものぼるフォロワーがいることなどから影響力が大きいと判断されたとみられている。
専門家は、ソーシャルメディアがメディアの主流となりつつある現代では前例を作る画期的な判決としている。