2020年1月16日 第3号

 ウエクジット・カナダが、連邦議会へ選挙で候補者を立てることができる公式な政党として登録されたことが分かった。

 カナダ選挙管理委員会は9日に登録されたと発表、ウエクジット・カナダのピーター・ダウニング党首は、11日にアルバータ州議事堂前でのキャンペーン中にこのニュースを支援者に明らかにした。

 これでウエクジット・カナダ党として連邦選挙に候補者を立て、投票用紙に公式政党として党名が記載されることになる。

 ウエクジット・カナダは、昨年10月に実施された連邦選挙の結果、自由党が少数派ながら政権を継続したことを受け、自由党政権の天然資源産業政策に不満がある一部の保守派がアルバータ州さらにはカナダ西部の独立を主張する運動を開始。フェイスブックで呼び掛けると大きな反響があり、独立運動は連邦政党設立へと移っていった。

 ウエクジットは、イギリスで起こった独立運動ブレクジットをもじってアルバータ州を含むカナダ西部「ウエスト」のカナダ連邦からの独立を主張するウエクジットと名付けられている。

 今回公式政党となったことを受けてウエクジット・カナダのフェイスブックは、アルバータ州、サスカチワン州、マニトバ州、そしてブリティッシュ・コロンビア州のすべての選挙区で合わせて104の候補を立てると掲載、これら4州で実施されるすべての補欠選挙と次の連邦総選挙に候補者を立てるとしている。

 

2020年1月16日 第3号

 雪崩発生の危険性が高くなっているアルバータ州、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で雪崩発生注意警報が発令されている中、アルバータ州で雪崩に巻き込まれる事故が起きた。

 スキーリゾートで人気のバンフ国立公園の山で10日、バックカントリースキーを楽しんでいた3人グループが雪崩に巻き込まれた。事故が起きたのは午後2時ごろ。マウントヘクターというレイクルイーズの北にある山で起きた。

 巻き込まれた3人のうち2人は雪崩から逃れられたが、32歳の女性が雪に埋められた。関係者によると女性は45分間埋もれていたという。他の2人が埋もれた女性を救出し、駆け付けた救助ヘリで同州カルガリー市の病院に午後5時ごろに運ばれた。病院に運ばれたときには意識不明と発表された。

 今回起きた雪崩は、3人のスキーヤーが引き金になったとみられている。アバランチ・カナダは今回の雪崩のサイズを2・5と判断、人が死亡する、車が埋まる、小さい建物が壊れる程度の強度と説明している。

 アバランチ・カナダは引き続きアルバータ州、BC州での雪崩発生の危険性が高くなっている山々でのスキーなどに対して、注意を促している。BC州バンクーバー北部も危険性が高いレベル3となっている。

 

2020年1月16日 第3号

 先住民族の12歳の少女が銀行で付き添った祖父と一緒に逮捕されるというショッキングな事件が起きていたことが14日分かった。

 事件が起きたのは昨年12月、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にあるモントリオール銀行だった。ベラベラ在住のマックスウェル・ジョンソンさんが、孫が銀行で口座を開設するために付き添って手助けしているときに起きたという。

 バンクーバー市警によると、ジョンソンさんたちが口座開設のために送金をしようとしているときに、銀行員の一人が2人をあやしいと思い警察に詐欺の可能性があるとして通報。駆け付けた警察がジョンソンさんと孫の12歳少女に手錠をかけたとしている。警察は2人の身元が確認され、行動が違法行為ではないことを確認するまで手錠をかけていたという。

 ジョンソンさんはメディアのインタビューに、「孫が銀行の外に連れ出され手錠を掛けられるのを見るのはつらかった。彼女にとってこの経験はきっと生涯のトラウマになるだろう」と話している。

 この件についてバンクーバー市ストゥワート・ケネディ市長が14日、怒りを爆発させた。市長はなぜこうしたことが起こったのか調査すると言及。CBCラジオのインタビューに答え銀行側の説明責任を求めるとして、今月23日のバンクーバー市警理事会で詳しいことが分かるだろうと語った。警察苦情調査委員会(OPCC)が、この件について調査をすることを発表している。

 

2020年1月16日 第3号

 オンタリオ州トロント近郊にある原子力発電所で、原因不明の事故が発生したという緊急警報が州民に発信された。12日午前7時30分ごろ、日曜日の早朝にオンタリオ州に緊張が走った。しかしこれが誤報であることが分かった。

 誤報は同州ピカリングにあるピカリング原子力発電所で事故が起こったというもので、発電所から10キロメートル以内の住人のみ対象と説明していた。

 州民全員のスマートフォンなどに発信された緊急警報は、「ピカリング原子力発電所で事故が発生した。ただ放射能の異常な放出は確認されておらず、現在緊急にスタッフが対応している」とし、現在のところ住民が早急な対応を取る必要はないとなっていた。

 しかし原子力発電所を管理するオンタリオ州電力公社(OPG)は、同日午前8時6分にツイッターで警報が誤報だったことを知らせ、緊急事態は発生していないと説明した。州民の携帯電話には誤報から約1時間後に誤報だったことを知らせる訂正メッセージが送信された。

 オンタリオ州政府は今回の誤報についてOPGが発信したものではなく、オンタリオ州緊急対応センターが定期的に行っている訓練で、誤って州民に情報を知らせる結果となったと説明。「州政府として州民に謝罪するとともに原因究明に尽力する」と声明を発表した。

 これについて当事者となる近隣の市長は不快感を示している。ピカリング市デーブ・ライアン市長はツイッターで「州政府に抗議し、徹底的な調査を要求した」と語った。また発電所がトロントのダウンタウンから東に50キロメートルのところにあることから、トロント市ジョン・トーリー市長も、不明な点が多すぎるとして原因究明を要求したことを明らかにした。

 同発電所は1971年に電力供給を開始し、最大で約3100メガワットを供給できる。2024年には運転停止になることが決まっている。

 

2020年1月16日 第3号

 アメリカのファーストフードチェーン店マクドナルドが植物性ハンバーガーをカナダ国内約50店舗で展開することを11日に発表した。ビヨンドミート社の植物性パテを使用したP・L・Tサンドイッチは、オンタリオ州の28店舗ですでに展開されているが、今月14日からオンタリオ州南西部でも12週間展開するとしている。

 マクドナルド・カナダは、最初のP・L・T販売の試みはカナダでの需要を知ることができたし、この新メニューのほかのメニューとのキッチンでの兼ね合いも試すことができたと語っていると、ビジネスインサイダーが伝えている。

 マクドナルドではアメリカに先駆けてカナダでの植物性ハンバーガーを販売し、顧客の需要や好みを図る狙いがあるのではと専門家は語っている。

 ビヨンド・ミートにとっては、マクドナルドがアメリカで販売すれば年間2億5千個のハンバーガーの売り上げになるとみられている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。