2020年1月16日 第3号

 ジャスティン・トルドー首相は12日、アルバータ州エドモントンで行われたイランでの旅客機墜落事故の犠牲者追悼式典に参加した。式典では「この痛みや悲しみ、憤りに対する言葉が見つからないが、すべてのカナダ国民があなたたちとともにあることを知ってもらうことで少しでもその痛みが和らぐことを心から願っています」と述べた。そして「この悲劇は起きるべきものではなかった」と語った。「カナダは答えを得るまでその追及をやめないし、正義と責任を徹底的に追及する」とも約束した。

 悲劇は今月8日に起きた。ウクライナ国際航空752便イラン・テヘラン発ウクライナ・キエフ行きは離陸した直後に撃墜された。搭乗していた乗客乗員176人全員が死亡、うち57人がカナダ国籍を有していた。さらに138人の行き先はカナダだったという。犠牲になった多くは学生や学校関係者が多く、12月の休暇をイランで家族や友人と過ごしたあと、カナダに向かう途中だったとみられている。

 犠牲者の追悼式はカナダ全国で行われた。ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでは、ハルジット・サージャン国防相が出席、オンタリオ州トロントではクリスティア・フリーランド副首相が出席した。

 トルドー首相はイランが11日に撃墜を認めたことを受けてオタワで記者会見し、今回の事故はイランが全責任を負うものであり、「どういう経緯で起きたのか明確にする必要がある」と述べた。首相は11日にイランのロウハニ大統領と電話で会談し、ブラックボックス解析や被害者のDNA鑑定など真相究明にイランの全面的な協力を要求したという。

 フランソワ−フィリペ・シャンパーニュ外相によると、イラン政府はカナダ政府関係者に渡航ビザを発給し、13日にイラン入りするという。カナダはイランとの国交がなく、2012年に外交関係を停止、大使館を閉鎖し外交官を召還している。

 

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