2019年12月5日 第49号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市議会は11月28日、来年以降の空室税について25パーセントの引き上げを承認した。
バンクーバーでは不動産価格が上昇し、市民の一般的な給与では住宅購入が困難な事態にまで悪化している。その要因の一つに投資目的による購入がある。さらに新しく建設されるコンドミニアムは投資目的用の分譲住宅が多く、これが賃貸住宅不足と賃貸料上昇を招き、バンクーバーに最悪の住宅事情を作り出している。
それにもかかわらず、実際には誰も住んでいない空き家状態の住宅が多いことが指摘され市が対策に乗り出した。そこで「空室税」導入となった。
2016年バンクーバー市は、一定の条件を満たしている場合を除き、居住していない住宅に対して課税する「空室税」の導入を決定。2017年1月から1パーセントを課税している。
そして2018年、BC州地方選挙で空室税を3倍に引き上げることを公約として掲げていたケネディ・スチュワート市長が当選。今回の25パーセント引き上げはスチュワート市長が提出した動議を市議が承認した。2021年、2022年にも適用される。
しかし急激な大幅引き上げは混乱を招くとして、2020年は現行の1パーセントから0・25パーセント引き上げて1・25パーセントから始まることが決定した。
空室税は、居住者のいない住宅へ課税することで、所有者に賃貸活用を促す目的がある。また課税による税収を、適正価格の住宅建設に充てるとしている。
市議会は2018年の空室税対象件数は1989軒で、前年の2538軒より減少していると発表している。