2017年8月24日 第34号

 オンタリオ州ロンドン市にあるウェスタン大学が、老人ホームに入居する大学生を募り、家賃と食費を負担するというプログラムを試験的に開始する。

 10月から開始される予定のこのプログラムが適用されるのは、同大学の音楽学部の上級学年の学生3人。部屋と食事を提供するのは、同市にある老人ホーム、オーククロッシング・リタイヤメント・リビング。また、生徒たちには週に12時間、入居している老人たちと交流することが義務付けられる。

 同音学科の卒業生で、現在は老人ホームに勤務しているヒーサー・ジンジャーリッチさんはかつて、アメリカ・オハイオ州でこうしたプログラムが行われているニュースに触れた時、地元でも同じことができればという思いにかられたという。彼女は、世代を越えた交流の機会を生み出すこのプログラムは、入居老人にも学生にもメリットがあると取材に語っている。また、このプログラムの説明を受けた入居者らは、一様に喜んでいたとも付け加えている。

 同大学音楽学部部長のベティー・アン・ヨンカーさんも、このプログラムに期待している一人。今回の試験運用の結果次第ではあるものの、このプログラムは将来的に拡大されていくだろうと話している。

 また学生からも、このプログラムは学部とコミュニティの両方にプラスになると、好意的に受け止められている。生活費が浮くことだけではなく、音楽を目指す学生にとって聴衆の前で演奏する機会を得られることも、大きなメリットだと学生の一人は取材に答えていた。

 

 

2017年8月24日 第34号

 カナダの1ドル硬貨の裏のデザインにもなっており、その鳴き声が特徴的な水鳥、アビ(Loon)。

 今月初旬、アルバータ州の州立公園でキャンプに来ていた家族が、そのアビを救出した。

 場所は同州中西部のフィッシュ・レイク州立公園。家族とともに湖畔でくつろいでいたドン・ギブソンさんは、自分たちのほうに向かって泳いでくるアビを見つけた。躊躇する様子もなく近づいてくるその姿にギブソンさんは最初、実物大のリモコン模型か何かと思ったと、メディアの電話取材に答えていた。

 しかし自分のすぐそばまで来たアビをよく見ると、一般にピッカーレル・リグと呼ばれる、何本かの釣り針とワイヤーがついた釣り糸が水鳥のくちばしから首、そして足に絡まっているのがわかった。

 このままでは餌となる魚やカエルなどを獲ることもできないと思ったギブソンさん。アビもまた岸の浅瀬にとどまり、ギブソンさんたちを見上げていた。アビは自分があと1日程度しか生きられないと思っているようだと感じたギブソンさんは、12歳の息子とともに水鳥を助けることにした。尖ったくちばしにつつかれないように注意しながら近づくと、アビは自分から頭を低くし、ギブソンさんが頭を撫でるのを受け入れた。まったく自分を警戒している様子がないことがわかると、ギブソンさんは水に入り、連絡を受けてハサミを持参してきた公園管理人とともに、絡まった糸を切り始めた。

 この時にはギブソンさんたちのまわりには人だかりができ、この救出劇を見守っていた。首に刺さっていた釣り針も無事取り除くことができ、沖に返されたアビは、待っていた仲間と合流、その場で大きく水面上で伸びをするように翼を広げた。ギブソンさんには、それがまるでお礼を言っているように見えたという。

 次の日、ギブソンさんは5羽のアビがそろってヒナ鳥にエサを与えている様子を確認することができた。

 

 

2017年8月24日 第34号

 人類初の南極点到達を果たしたほか、カナダ北部の北西航路の通過に初めて成功したノルウェーの探検家、ロアール・アムンセン。

 その彼が2度目の北極探検で使用した船が、沈没から90年をへて本国ノルウェーに搬送されることとなった。

 この船モード号は、アムンセンの船による北極点到達に使用できるよう、強度を増して1917年に製造された。しかし計画は成功せず、同船は1925年にハドソン・ベイ・カンパニーに売却された。その3年後、現在のヌナブト準州北部のビクトリア島ケンブリッジ湾沖に停泊中に沈没した。

 現場は浅瀬であったため、その後何十年かは、船体の一部が海面に姿を出していた。

 この船を引き上げ、母国に曳航しようというプロジェクトが始まったのは、およそ6年前。2015年には引き上げることに成功、その後搬送用のバルジに載せられた。当時から携わっているヤーン・ワンガードさんによると、プロジェクトには様々な困難があったという。地元ケンブリッジ湾の住人は、この船は今ある場所にとどまるべきだと反対。また、法的にノルウェーの所有物であるにもかかわらず、カナダ政府は輸出許可を出し渋った。結局、カナダ側が引き上げに携わらない条件付きで、許可が下りた。

 しかし、モード号を製造したドックの近くの都市アスカー市の市長が今年の6月、ケンブリッジ湾のコミュニティを表敬訪問してからは、風向きが変わった。自然環境に近いことを好むノルウェー人の気質と、イヌイットの自然とともに生きる文化が通じ合い、両者の間にある種の絆が生まれたと、ワンガードさんは話している。

 計画が順調に進めば、モード号は今年の夏、グリーンランドまで曳航される。そして来年の夏には、モード号のためにアスカー市に建てられる博物館に収納される予定だ。

 やがてカナダを去ってしまうモード号だが、この船のDNAはカナダにも引き継がれている。モード号は、カナダで最も有名な北極海用の船、RCMPのスクーナー(2本マスト帆船、セント・ロッホ号のモデル)となっている。セント・ロッホ号は、北米大陸のまわりを、完全に1周した最初の船舶として知られている。

 

 

2017年8月24日 第34号

 オンタリオ州オタワ市の女性が、利用したシェアライドのドライバーから不当な高額請求をされたと、利用者に注意を呼びかけている。

 クリスタル・グリアソンさんは先々週水曜日の夜、外食のあと帰宅のためにシェアライドのユーバーを利用した。翌日彼女のもとに届いた電子メールの請求書には、運賃のほかに失禁のために汚れた後部座席の清掃料150ドルが追加されていた。

 これは全くの事実無根の請求だと、メディアに語るグリアソンさん。しかも、こうした被害に遭っている女性が、ほかにもいると話している。彼女は少なくとも3人、ソーシャルメディアを通じて同じように身に覚えのない高額の清掃料金を請求された女性と知り合ったという。ユーバーをよく利用しているだけに、今回の件は彼女を憤慨させている。

 不当な請求をしてもクレームしそうにない女性を狙い、あとから後部座席に水を少しこぼすだけで追加の150ドルを儲けようとするケースは実際のところ、増加しているとグリアソンさん。彼女はシェアライドサービスを提供しているユーバーに対し、清掃料金は不当だとクレームして返金を求めた。会社側は当初ドライバーを擁護していたが、最終的には返金に応じたという。

 同じようなケースはトロントでも2件起こっているほか、アメリカでは複数の都市で何件も報告されている。

 

 

2017年8月24日 第34号

 アルバータ州カムローズのメアリー・グラムスさん(84歳)が、当時住んでいた同州アーミーナの家族農園で草取り中に、ダイヤモンドのエンゲージリングを失くしたのは2004年のことだった。そのことに気がついてすぐ、農園の隅から隅まで何時間も探したものの、見つけられなかった。その後も何日も探したのだが、結局指輪は出てこなかった。

 結婚前年の1951年からずっと、この指輪をしていたグラムスさん、夫のノーマンさんには紛失したことは伝えられなかった。そのかわり、こっそり似た指輪を購入してはめていたという。ただ息子にだけは事実を打ち明けていた。その後、夫婦はカムローズに引っ越したが、この家族農園は家族が所有、義理の娘が野菜を育てていた。

 たまたま彼女がニンジンを収穫していた時、形の悪いものが一本あった。最初は連れてきた犬に与えようかと思ったものの考え直し、家に持ち帰り洗ったところ、くびれた部分に指輪がはまっているのを見つけ、夫に知らせた。指輪紛失の一件を知っていた夫は、すぐさまグラムスさんに、電話でこの発見を伝えた。13年後に、それもニンジンにはさまる形で指輪が見つかったことを、にわかに信じることができなかったグラムスさん。しかし綺麗に洗った指輪をはめてみると、昔と変わらずぴったりと指に馴染んだという。

 ちなみにグラムスさんの夫は5年前に他界しており、この指輪にまつわる顛末を知る 会はなかった。

 

 

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