2017年8月10日 第32号

 ブリティッシュ・コロンビア州新民主党(NDP)州政府は8日、社会人学習プログラムと英語学習プログラムを無償化すると発表した。

 ジョン・ホーガン州首相は、「英語能力が十分でないために州民が労働市場から置き去りにされるのはBC州経済にとってもいいことではない。新政権としてしっかりとサポートしていきたい」と記者団に語った。

 社会人学習プログラムは大学やカレッジで高校レベルのコースを提供するもので、英語学習プログラムは英語ネイティブ以外の学生に英語コースを提供するもの。

 これらのプログラムは、自由党政権時代の2015年に有償化が許可され、各教育機関で1学期に1600ドルを上限に受講料を設定できるようになった。

 それ以降、受講生の数は35パーセント減少したとNDPは主張している。同プログラムの無償化はNDPの選挙公約のひとつでもあった。

 今回の無償化による政府の負担額については、詳細を9月の予算案で発表するとしている。

 

 

2017年8月10日 第32号

 毎年夏に開催されるバンクーバーの花火大会「ホンダ・セレブレーション・オブ・ライト」。今年の優勝は「チームジャパン」と8日、バンクーバー花火大会委員会が発表した。

 1週間3夜にまたがる3カ国の競演。今年は、7月29日に日本、8月2日イギリス、そして8月5日にカナダが最後を飾った。技術的な精密さと印象的な音楽との共演が素晴らしかった、と日本が優勝した理由が発表された。

 審査員を務めたバンクーバー市レイモンド・ルイ市議は、「見ていた人々を強烈にひきつける表現力とテーマ力を持っていた」と称賛した。そして優勝を祝福するとともに来年以降、また機会があったら参加してほしいと誘った。

 今年はカナダ建国150周年ということで、ファンによって投票されたカナダで人気のある曲を必ず一つは使用することが条件づけられていた。

 会場となったバンクーバー市ダウンタウンのイングリッシュ・ベイや対岸のバニエ・パークには3日間で約100万人が詰めかけ、真夏の夜の競演を楽しんだ。

 

 

2017年8月10日 第32号

 ブリティッシュ・コロンビア州議会を9月8日に再開すると新民主党(NDP)政権が8月8日発表した。

 NDP政権が正式に就任式を終えてから7週間でようやく議会が再開する。議会は、ジュディス・ギチョン副総督の開会の式辞から始まる。ここでNDP政権の政策が明らかになる。今年10月で任期を終えるギチョン副総督にとっては、これが最後の開会の式辞となる。

 BC州議会選挙が今年5月9日に実施され、自由党が43議席を獲得して1952年以来の少数派政権となった。しかし、41議席に躍進したNDPが3議席を獲得したグリーン党と政策協力で合意。6月の議会再開後、自由党政権への不信任を決議し、クリスティ・クラーク州首相(当時)が議会を解散。この時クラーク前州首相は再選挙を提案したが、ギチョン副総督の決断によりNDPがグリーン党の協力を得ながら政権を担当することになった。BC州副総督として歴史的な役割を果たしたことになる。

 NDP政権が先月正式に発足してから10日後、クラーク前州首相が辞職した。そのため自由党はケローナ‐ウエスト選挙区の議席を失い議席数が一つ減り42議席、NDP・グリーンは44議席となる。6月の議会再開直後に自由党前政権から選出された議長が、不信任案に伴う解散で議長を辞任したため、9月の議会再開後に新たに議長を選出する必要がある。通常は与党から選出される。それでもケローナ地区の議員が決まるまでは、しばらくはNDP・グリーン党が1議席上回る。

 開会の式辞の翌週には予算案が発表される予定になっている。いよいよ本格的にNDP少数派政権が動き出す。

 

 

2017年8月10日 第32号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島東岸にある、人口9千人ほどの町クオリカム・ビーチのグルーマーが、石ころを使った広告を思いつき実行したが、町役場から罰金を課せられることになってしまった。

 犬専門の美容室を経営しているコリーン・クリステンセンさんは、経費を抑えながらも効果的な広告はないものかと思案していた。そんな時、飼い犬が集めてきた石にペイントを施し、町内のあちこちに置けば、いい広告になるのではないかと思いついた。

 そこで、ピンクや水色で塗装したソフトボール大の石の上に店の名前や連絡先を書き込み、それをドッグ・パークや遊歩道などに置いてみることにした。

 すると間もなく彼女のもとに、当局からの罰金の通達が3通届いた。それぞれが町の条例に違反した石への罰金で、金額は1通につき100ドルとなっていた。石が危険であるというのが、その理由だった。特に歩道に置かれた石については、通行人がつまづいて転倒する危険性があると指摘されていた。

 役場の担当は、クリステンセンさんの石について、住民から苦情が寄せられたことと、そもそもクリステンセンさんが町の条例に従っていなかったことを知らせるために罰金を科したと説明している。条例によれば、広告を出すためには許可が必要であり、さらに広告を出せるのは個人の敷地内に限られている。

 さらに町は、他の事業者もこの石ころ広告を始めたら、収拾がつかなることも懸念。町民が望まないようなコミュニティにならないよう、大局から規制することも必要だと話している。

 一方メディアが地元のビジネスオーナーに、この広告について意見を求めたところ、他のビジネスを脅かすようには思えない、度が過ぎなければいいアイデアだなど、概ね好意的な反応が寄せられていた。

 

 

2017年8月10日 第32号

 7月31日、悪天候のためオンタリオ州のオタワ国際空港にダイバート(目的地変更)した航空機の乗客が、着陸後6時間にわたって機内で待たされた。

 この飛行機は、ベルギー・ブリュッセル発エア・トランザット157便で、336人の乗客を乗せて目的地のケベック州モントリオールに向かっていた。しかしモントリオール近辺での雷雨のため、オタワに目的地を変更、同空港に午後5時過ぎに着陸した。同機は駐機場には到着したものの、同じ理由で、この空港に急きょ着陸した航空機が30機近くあり、エア・トランザットの説明によれば、空港側の対応(搭乗ゲートのわり当てやタラップの手配など)が遅れ、乗客が長時間にわたり機内に拘束される事態となった。

 さらに同機は搭載していた燃料を使いきってしまったため、客室内の空調が停止、照明も消えてしまった。乗客によると、パイロットは空港側に給油を依頼したものの、給油トラックの燃料が底をついてしまったと告げられたという。機内は非常に暑く、呼吸に支障を来す人や気分が悪くなる人も。ついには乗客のひとりが救急に電話をかけ、救急隊員や警察官が駆けつける事態に。この時になり、ようやく水ボトルが支給されたという。

 駐機場で待つこと6時間、同機は午後11時にようやくオタワ空港を離陸、午後11時30分過ぎにモントリオールに着陸した。乗客が飛行機から降りることができたのは、離陸から15時間後だった。また、同じエア・トランザットのイタリア・ローマ発507便も、この嵐でオタワ空港に午後6時頃着陸。やはり乗客を乗せたまま駐機場で4時間あまりを過ごしている。

 この事態に対し、エア・トランザットは空港側の対応に問題があり、航空会社としてはなすすべがなかったとコメントしている。しかし空港側は、搭乗ゲートやタラップはもちろん、水以外の食料品も、航空会社からの要請があれば提供できる状態だったと反論している。また乗客を降機させるかどうかの決定は、航空会社に責任があると指摘している。また今回、駐機中の同機に地上係員がコンタクトを試み、支援が必要か確認しようとしたものの、パイロットは応じなかったと話している。

 交通機関に関する苦情や問題処理などを担当するカナダ輸送機関庁は2日、この件について調査を行うと発表した。エア・トランザットの約款によれば、90分以上の遅れが生じた場合は、乗客に機外に出ることもできるように手配しなければならないことになっている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。