2017年8月3日 第31号

 サスカチワン州の州都レジャイナにある、大手ホームセンター・チェーンのカナディアン・タイヤの店舗で7月26日、買い物に来ていた先住民の男性が店員に乱暴を受ける事件が起きた。

 この店にチェーンソーを買いに来ていたカマオ・キャッポさん(53歳)は、チェーンソーと、その燃料に混ぜるオイルを選んだあと、ガソリンとオイルの混合比を取扱説明書で確認するため、チェーンソーが入った箱を開けた。確認が済んだ後、オイル缶も説明書と一緒に箱の中に入れ、カスタマーサービスのカウンターに置いた後、他の機種をチェックするためチェーンソー売り場に向かっていた。

 キャッポさんによると、この時店員の一人が近づいてきて、キャッポさんがチェーンソーを盗もうとしたと責め始めた。また店員は彼にチェーンソーを売ることを拒否したうえ、店から追い出そうとした。この様子はキャッポさんが携帯電話の動画機能で録画、オンライン上の動画サイトに投稿しているが、それによれば、キャッポさんが店員に名を名乗るよう迫っているものの、店員はそれを拒否している。さらに店員は撮影した動画を削除して、店から出ていくようキャッポさんに迫っている。キャッポさんがこれを拒否すると、店員は彼を商品棚に押し付け、最後は店から引きずり出している。

 キャッポさんは、この一件は自分が先住民だから起こったと、メディアに話している。そして、もし自分が店員の言いなりになっていたら、彼の行動が正しかったことになり、同じことが繰り返されるだろうと付け加えている。

 レジャイナ市警察も、今回の件の捜査を開始したが、人種差別が原因かどうかは現時点ではわからないとしている。

 またカナディアン・タイヤは声明を発表し、今回起こったことについて謝罪するとともに、調査を進めていることを明らかにした。その後7月29日には、この店員を解雇したことをメディアに伝えている。

 

 

2017年8月3日 第31号

 日本人大リーガー青木宣親外野手が7月31日、トロントを本拠地とするトロント・ブルージェイズに移籍した。トレード最終日に突然決まったヒューストン・アストロズとの2対1のトレード。ブルージェイズからは先発フランシスコ・リリアノ投手が移籍した。

 青木外野手は6月に日米通算2千本安打を記録したばかり。突然の移籍に本人も驚いた様子だったとトロントのスポーツ放送局スポーツネットは伝えているが、8月1日にはチームに合流した。

 ブルージェイズには2015年まで川崎宗則内野手(現ソフトバンク・ホークス)が在籍し、カナダのファンから絶大な人気を誇っていた。チームに合流した青木外野手に川崎選手から「ウェルカム・トゥ・トロント」というメッセージを受け取った、と青木外野手がコメントしたとスポーツネットが紹介した。

 

 

2017年8月3日 第31号

 アルバータ州の国立公園で先週初め、人の集まるエリアに近づいてきた子グマを追い払うために、連邦警察の赤い伝統的な制服を着た警察官が出動したが、そのあまりにも典型的なカナダ的な光景が居合わせた人々を喜ばせることになった。

 場所は同州南部、アメリカとの国境に近いロッキー山脈のウォータートン・レイクス国立公園の、リゾートホテルなども建つ小さな町ウォータートン。ここにエドモントンから夏の間だけ派遣されていたクレイトン・ウィルバーン巡査部長は、落し物の財布の持ち主を探している時に、子グマが子供の遊び場に向かっているとの連絡を救急隊員から受けた。

 遊び場では多くの子供たちが遊んでいたため、ウィルバーン巡査部長ら警察官は、子グマの進路を変え、町の外に追い出すよう追い立てた。しかし子グマは木に登ったりして彼らをてこずらせ、この追跡劇はしばし続いた。

 ところで連邦警察では、今年がカナダ建国150周年ということで、観光地などで勤務する警察官は極力、伝統的な制服ー赤いブレザーに長靴、茶色でつばの広い帽子ーを着用するようにしており、ウィルバーン巡査部長も、この格好だった。

 そのため付近に居合わせた100人を超える観光客らは、あまりにもカナダ的なクマと警察官のツーショットを撮れる千載一遇のチャンスと、盛んにシャッターを切っていた。

 

 

2017年8月3日 第31号

 MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは7月29日、テキサスでFCダラスと対戦した。

 西カンファレンス首位のダラスには、これまで3年間ダラスのホーム試合ではゴールすら奪えなかった。この日も厳しい戦いが予想されていた。

 しかし、18分に先取点をあげると、その後も得点を重ねた。相手の退場などもあり、終始優勢に試合を進めたホワイトキャップスは、終わってみると4ー0の大勝。アウェー3連戦初戦をダラス相手に歴史的勝利で飾り、上々の滑り出しとなった。

 この日の勝利でも順位は変わらず6位。プレーオフ進出に向け、ギリギリのところにいる。現在トレード期間だが今のところ大型補強もみられない。オールスターも終わり、これから本格的に後半戦に入る。ホワイトキャップスにとってこれからが正念場となる。

 

 

2017年8月3日 第31号

 ケベック州モントリオールで7月25日、高速道路を走行中の車に庭作業の鉄製の道具が突き刺さる事故が起こった。

 場所は同市の南を走る高速20号線で、車を運転していたのは同市に住むサシャ・ブートロさん。仕事が終わり家路についていた午後4時50分ごろ、何の前触れもなく大きな衝撃音とともに、芝生の端を切りそろえる鉄製の半円形をした芝生エッジャーがフロントグラスに突き刺さった。

 ほぼ彼女の目の前の位置のガラスを突き破ったエッジャーは、その80パーセント近くが車内側に出ており、もう少し勢いがあれば、ガラスで留まらずにブートロさんに当たっていたかもしれない。

 一瞬のうちの出来事だったが、前を走っていた車が路肩に寄り止まったため、ブートロさんもそれに従った。車を止めてようやく、彼女は事の重大さを飲み込むことができショックを受けた。前の車から下りてきた男性の話によると、彼の車が路上に落ちていたエッジャーを踏み後ろに飛ばしてしまい、それが後続のブートロさんの車に当たったのだという。

 ブートロさんは、エッジャーが突き刺さった時に飛び散ったガラスの破片で切り傷を負ったものの、これだけで済んだのは奇跡だと取材に話している。警察と消防が現場に駆け付け、車はレッカー車で現場からけん引されていった。

 奇跡は神のご加護によるものだというブートロさん、この事故の後は、人とハグする時少しだけ力がこもるようになったと話している。

 

 

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