2017年7月27日 第30号

 ハンガリーのブダペストで開催されている世界水泳で25日、カナダ人のカイリー・マーセ選手が100メートル女子背泳ぎで58・10秒の世界新記録で金メダルを獲得した。カナダ人女子競泳選手が世界記録を樹立するのは初めて。

 マーセ選手は昨年8月にブラジルのリオデジャネイロで開催されたリオ・オリンピックでも同種目で銅メダルを獲得。今大会でも好成績が期待されていた。

 現在21歳のトロント大学学生。カナダの女子競泳陣は、リオ五輪で金メダルを獲得した当時16歳のペニー・オレクシアック選手など若手が台頭。関係者は2020年東京五輪に向け期待できると語っている。

 

 

2017年7月27日 第30号

 アルバータ州の男が、自分の過失で負ったけがを、あたかもマウンテンバイク・トレールの不備で負ったかのように嘘をつき、治療のための募金を集めようとしたが警察に摘発された。

 ステリアノス・プサロウダキス容疑者(37歳)は、同州カルガリー市の西にあるブラッグクリーク近くのマウンテンバイク・トレールをサイクリング中、トレールをまたぐように木と木の間に張られた有刺鉄線に突っ込みけがを負ったという話を、インターネット上で公開した。また首のあたりに負った深い切り傷の画像もアップ、オンライン上の募金サイトで8000ドルの募金を募り始めた。

 プサロウダキス容疑者はさらに、有刺鉄線に突っ込み転倒した後、現場に残してきたマウンテンバイクも、あとで友人が回収に行ったときにはなくなっていたと説明、先の募金金額を提示していた。

 しかし21日には一般人やプサロウダキス容疑者を知る人たちなどから、この話に対する不信の声が警察に多く寄せられるようになった。これを受けた警察が捜査を行ったところ、同容疑者がけがを負ったのは、近所の友人が所有する土地で、自分が運転するバギー(ATV)で有刺鉄線に突っ込んだ時だったことが判明。警察は、マウンテンバイク・トレールに有刺鉄線が張られていたなどというのは、全くの作り話だったと結論づけ、プサロウダキス容疑者の逮捕令状を請求した。また同容疑者自身も自首する意向を警察に伝えた。

 一方、この間に募金サイトには851ドルの寄付が集まっていたが、同容疑者はこのサイトを閉鎖するとともに、募金者に返金する手続きを開始した。さらにサイトの運営会社は、プサロウダキス容疑者が今後同サイトを利用することを禁止したと発表。同容疑者は昨年、同州フォートマクマレーで起こった大規模森林火災の時にも、そのための募金活動と称してこのサイトで募金を募っていたという。

 一般的に、募金サイトを悪用するケースはまれで、全体の0・1パーセント以下だと、この運営会社は説明している。しかし予防措置として、不審な募金活動に関する報告をいつでも受けられるようにしていると取材に答えている。

 

 

2017年7月27日 第30号

 カナダ食品検査局は19日、ヨーグルトのリコール対象を拡大すると発表した。6月にはアルティマフーズ(Ultima Foods)のアイオゴ(Iogo)ヨーグルトがリコールされていた。アイオゴヨーグルトの場合は、93ミリリットル入りのパッケージ6つがひとつになった、飲むタイプのヨーグルト、アイオゴ・ナノ・パック(Iogo Nano pack、風味はいちご味、ラズベリー味、バニラ味、そしてバナナ味)と、1リットル入りのアイオゴ・スムージー・プロテイン・パック(Iogo smoothie protein pack、風味はマンゴー味、いちご/ラズベリー味、そしていちご味)が対象だった。プラスチック片混入の恐れが、その理由。

 今回、同じ理由からリコール対象となったのは、ゼネラル・ミルズ・カナダ社のヨーグルト、90グラム入りのヨープレイト・ミニゴー(Yoplait Minigo、風味はいちご味とラズベリー味)、および120グラム入りのリベルテ・グリーク・ヨーグルト(Liberte Greek yogourt、風味はラズベリー味とココナツ味)。

 

 

2017年7月27日 第30号

 ブリティッシュ・コロンビア州内陸部の都市、ケローナに住む17歳の少女が15日、イギリスとフランスの間のドーバー海峡を12時間弱で泳ぎきった。

 エミリー・エップさん(17歳)は先月、同州バンクーバーに近いボーエン島の一周30キロメートルを泳ぐなど、32キロメートルのドーバー海峡横断の準備を進めてきた。

 この日、普通の水着と水泳帽、ゴーグルだけという最小限の装備でイギリス・ドーバーの白い崖を後にしたエップさん。低い水温や風による波、またうねりなど条件は良くなかったほか、クラゲにも何回か刺されたというエップさん。その一方で、アザラシが彼女の後について泳いだり、ネズミイルカも現れたりするなどし、彼女が日常の訓練で泳いでいたオカナガン湖では遭遇しえない体験に感動もしていた。

 そして海峡を11時間57分かけて横断、対岸フランスの、ダンケルクの西にあるキャプ・グリ・ネに無事到達した。ドーバー海峡横断のルールや公式タイム測定などを行う英仏海峡水泳協会(Channel Swimming Association)によると、彼女はドーバー海峡横断に成功した43人目のカナダ人となったと同時に、BC州内での最年少記録も更新した。

 エップさんの水泳コーチのブレント・ホッブスさんは2008年に海峡横断に成功している。彼の成功談が、エップさんに海峡横断を決心させた。彼女の挑戦の目的は、妹がケアを受けている小児向けホスピス、カナック・プレース(Canuck Place Children's Hospice)への寄付集め。今回の成功により、4万3000ドルの寄付が集まったという。

 

 

2017年7月20日 第29号

 ブリティッシュ・コロンビア州中部を中心に発生した山火事は事態の収束が見えない状況が続いている。18日時点で避難住民の数は4万5千人に達しているという。

 17日に記者会見に応じたラルフ・グッデイル公安・非常時対応準備相はBC州からの要請に応じ、カナダ軍の飛行機2機、ヘリコプター5機を派遣。避難住民の輸送などを手助けする。

 17日の時点で159件の山火事が州内で確認され、17件は新たに発生したものとBC州担当者が報告した。山火事発生数はわずかだが減少している。しかし状況は決して予断を許さず、件数が減った要因として小さな山火事が広がって大きくなったものもあると説明した。19日にはオーストラリアからも50人が応援に駆け付け、消火活動を手助けする。

 報道などでは避難住民の滞在先の確保が難しくなっている状況も報告されている。

 さらにビジネスへの影響も出始めている。天然資源産業では操業を一時停止。再開の目途は今のところ立っていないと発表。また家畜への影響も懸念されている。

 今回の山火事の最新情報や道路閉鎖などの情報はhttp://www.bcwildfire.ca を参照。

 またメトロバンクーバーでも山火事による大気汚染警報が18日に発令された。呼吸器系の問題がある人はなるべく屋外での活動は避けるよう注意を呼び掛けている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。