2017年7月20日 第29号

 カナダ銀行は12日、金利引き上げを発表した。7年ぶりの引き上げとなる。スティーブン・ポロズ総裁が就任してからは初めて。

 中央銀行は金利を0・5パーセントから0・75パーセントへ、0・25ポイント引き上げた。前回の引き上げは2010年8月。その後、原油価格の急落などによるカナダ経済の不安定要素を考慮し2015年に0・25ポイントの引き下げを2回実施。以降、0・5パーセントに据え置かれた。

 カナダ銀行は、前回4月の報告で予測したよりもカナダ経済が好調だったこと、好調の原因が個人消費だったことを引き上げの要因にあげた。

 今回の金利引き上げは、すでに予想されていた。先月からカナダ銀行副総裁などがすでに講演やインタビューなどで引き上げの可能性を示唆。ポロズ総裁も否定しなかった。

 ただカナダ銀行が金利引き上げの指標にしているインフレ率については目標としている2パーセントを達成しておらず、ポロズ総裁は同日の記者会見でこの点に触れ、将来的には目標インフレを達成できるとの見方を示した。

 中央銀行の金利引き上げは、住宅ローンなどの金利引き上げにつながる。ただ今回の引き上げによってすぐに住宅ローン金利引き上げによる混乱を起こすことはないとみられている。

 さらに、高騰するバンクーバーやトロントの住宅価格への影響も今のところは少ないと予測されている。

 

 

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