2017年7月27日 第30号

 アルバータ州の男が、自分の過失で負ったけがを、あたかもマウンテンバイク・トレールの不備で負ったかのように嘘をつき、治療のための募金を集めようとしたが警察に摘発された。

 ステリアノス・プサロウダキス容疑者(37歳)は、同州カルガリー市の西にあるブラッグクリーク近くのマウンテンバイク・トレールをサイクリング中、トレールをまたぐように木と木の間に張られた有刺鉄線に突っ込みけがを負ったという話を、インターネット上で公開した。また首のあたりに負った深い切り傷の画像もアップ、オンライン上の募金サイトで8000ドルの募金を募り始めた。

 プサロウダキス容疑者はさらに、有刺鉄線に突っ込み転倒した後、現場に残してきたマウンテンバイクも、あとで友人が回収に行ったときにはなくなっていたと説明、先の募金金額を提示していた。

 しかし21日には一般人やプサロウダキス容疑者を知る人たちなどから、この話に対する不信の声が警察に多く寄せられるようになった。これを受けた警察が捜査を行ったところ、同容疑者がけがを負ったのは、近所の友人が所有する土地で、自分が運転するバギー(ATV)で有刺鉄線に突っ込んだ時だったことが判明。警察は、マウンテンバイク・トレールに有刺鉄線が張られていたなどというのは、全くの作り話だったと結論づけ、プサロウダキス容疑者の逮捕令状を請求した。また同容疑者自身も自首する意向を警察に伝えた。

 一方、この間に募金サイトには851ドルの寄付が集まっていたが、同容疑者はこのサイトを閉鎖するとともに、募金者に返金する手続きを開始した。さらにサイトの運営会社は、プサロウダキス容疑者が今後同サイトを利用することを禁止したと発表。同容疑者は昨年、同州フォートマクマレーで起こった大規模森林火災の時にも、そのための募金活動と称してこのサイトで募金を募っていたという。

 一般的に、募金サイトを悪用するケースはまれで、全体の0・1パーセント以下だと、この運営会社は説明している。しかし予防措置として、不審な募金活動に関する報告をいつでも受けられるようにしていると取材に答えている。

 

 

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