2017年12月14日 第50号
アルバータ州が6日、温室効果ガスを大量に排出する企業に対する新たな規則を発表した。対象となる企業には、同州で経済をけん引するオイルサンド事業などの天然資源産業も含まれている。
同州環境相は今回の新規則の実施で2020年までに2千万トンの温室効果ガスを削減するとしている。アルバータ州は2030年までに19パーセントを削減する。
同州政府は、これにより年間5億ドルから8億ドルの歳入増を見込んでいる。
2017年12月14日 第50号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで4日夜、同市とリッチモンドを結ぶカナダライン車内で、17歳の女性が見知らぬ男から暴言・暴力を受けた。この女性は、自分がイスラム教であることから暴力を受けたと、オンライン上のSNSで訴えている。
事件が起きたのは、同日午後10時少し前。この女性はリッチモンドに住むノール・ファーデルさんで、仕事からの帰りカナダライン始発駅のウォーターフロント駅で電車に乗り込んだ。席についた彼女に見知らぬ男が近づき、彼女やすべてのイスラム教徒を殺してやるなどの暴言を吐き始めた。
さらにこの男は彼女がかぶっていたヒジャブを掴み、彼女の顔を彼のまたに押し付けようとしたあと、彼女の顔を殴った。彼女によると、乗り合わせた乗客はこの状況をただ見ているだけで、何かを言うことすらしなかったという。そんな中、乗客の一人ジェーク・テーラーさんが二人の間にはいり、暴漢がバンクーバー・シティ・センター駅で降りるまで、彼女に近づけさせなかった。
テーラーさんとともに次の駅で降りたファーデルさんは、ここで警察と救急隊員の到着を待った。彼女を迎えに来た兄によると、ファーデルさんは体の震えが止められない状況だったという。今後彼女が公共の場に出ることを極端に恐れるようになるのではと心配していた。
彼女は見ず知らずの男から、ただヒジャブをかぶっていたことだけで暴力を受けたことを悲嘆するとともに、まわりのほとんどの人がそれを止めようとしなかったことにも心を痛めている。また彼女の兄も、多くの乗客がいながらも、たった一人しか助けに入らなかったことに落胆しながらも、彼の阻止が入らなければ、妹は暴漢の写真を撮るチャンスはなかっただろうと語り、妹の置かれた状況を変えた重要な人物だったと感謝している。
撮られた写真をもとに事件を捜査していたメトロバンクーバー交通警察は6日、バンクーバー国際空港で46歳の住所不定の男性ピエール・ベルゼン容疑者を逮捕した。同容疑者に前科はないものの、警察に知られた存在だった。また精神的な問題を抱えた人物だと、警察では説明している。
そのため、今後の審理は一般犯罪とは違う形で行われる可能性があるものの、女性に対する重大な犯罪には変わりなく、厳密に法に基づいた裁きを求めると、警察はコメントを発表している。また暴漢とファーデルさんの間に一人で立ちふさがったテーラーさんに対して、危険をおかしても最悪の状況を未然に防いだ勇気ある行動だと称賛し、感謝の意を述べていた。
2017年12月14日 第50号
オンタリオ州南東部で6日夜、高速道路をノロノロ運転していた女性に、違反切符が切られた。
場所は、オタワ市から100キロメートルほど南、アメリカとの国境になっているセントローレンス川沿いの人口4千人弱の町、フロント・オブ・ヤング・タウンシップ。
この町を走る高速401号線を、モントリオール方面に向かって時速40キロメートルで走っている車があると、オンタリオ州警察に通報が相次いだ。さらに、この車はヘッドライトをハイビームにして、片側2車線の高速道路の、追い越し車線を走りつづけていたという。
知らせを受けたパトカーがこの車を停車させようとしたが従わなかったため、車の前後からパトカーが挟むようにして路肩に停車させた。
車を運転していたのはオタワに住む47歳の女性で、調べに対し制限速度は50キロだと思っていたと答えている。彼女には不必要な低速走行のほか、警察の指示に従わなかったことと自動車保険証書不携帯の罪が課せられた。
2017年12月14日 第50号
クリスマスはプレゼントの季節だが、オンタリオ州オタワに住む女性は、市内を走るバスの運転手全員にチョコレートのプレゼントを配っている。
この女性フォレスト・アトキンソンさんは、このためにチョコレート菓子『タートル』を1800個用意した。そんな彼女を人は『タートル・レディ』と呼ぶ。さらにそのひとつひとつに、彼女が書いたお礼のカードが添えられている。
アトキンソンさんが『タートル・レディ』を始めたのは、2年前。その時は何人かのバス運転手にチョコレートを渡しただけだった。障害者を支援する仕事のため、バスを日常的に使っているというアトキンソンさん。『タートル・レディ』のアイデアは、昨年のクリスマスに他界した障害者の一人アンドレさんの発想だったという。
この発想を実行することで、アンドレさんのことを多くの人の心の中に留めておけるとともに、自分も思いやりの気持ちを伝えることができると、アトキンソンさん。1800個のタートル・チョコを用意するため、彼女は製造元のネッスルに原価で購入できないかと問い合わせたところ、同社から無料で1800個が届けられた。
バス運転手の一人は、アトキンソンさんの小さな思いやりが、自分たちを幸せな気分にしてくれると話していた。そしてその幸せな気分は、乗り込んでくる乗客にも伝わっていくと付け加えていた。
2017年12月7日 第49号
カナダ・モーゲージ&ハウジング・コーポレーション(CMHC)は11月28日、10月の家賃に関する報告を発表。2ベッドルームの全国平均家賃は前年比で2・7パーセント上昇したことが分かった。
報告書によると、10月の全国平均は989ドル。上昇率は今年のインフレ率の2倍となり、家賃がインフレ率を大きく上回る状況が明らかになった。
この1年間で家賃が最も上昇したのは、ブリティッシュ・コロンビア州の都市で、ケローナが8・6パーセント、ビクトリアが8・1パーセント、バンクーバーが6・2パーセント。またオンタリオ州でも高い上昇率となった都市が多く、ベレビルが5・9パーセント、オシャワ5・2パーセント、トロントは4・1パーセントだった。
家賃が最も高い都市はバンクーバーで、平均的な2ベッドルームで1カ月平均1552ドル。次いでトロントで1404ドル、ビクトリア1288ドル、アルバータ州カルガリー1247ドルと続いた。最も高い家賃はトロントの1カ月2301ドル、次いでバンクーバーの1874ドルだった。
一方で、国内人口第2位のケベック州では全国平均を下回っている。モントリオールでは782ドル、ケベックシティは820ドル。カナダを代表する大都市でもかなりの開きがあることが分かった。
バンクーバーやトロントで高い理由の一つに、空室率が低いことがあげられている。空室率の全国平均は3・0パーセント。BC州では1・3パーセント、オンタリオ州では1・6パーセント。一方でケベック州は3・4パーセントと比較的余裕がある。
さらに都市別では、家賃が最も高いバンクーバーは0・9パーセント、ビクトリアは0・7パーセント、トロントは1・0パーセント、家賃の上昇率が最も高かったケローナでは0・2パーセントだった。
不動産価格が全国で最も高いバンクーバーでは、住宅を購入できない人々が賃貸住宅を選択することを余儀なくされるため、空室率が下がり悪循環を招いている。バンクーバー市はこうした状況を改善するための対策を講じているが、効果が表れるのはまだ先になるとみられている。バンクーバーの空室率は2016年の0・7パーセントからやや改善している。