2017年12月7日 第49号
カナダ・モーゲージ&ハウジング・コーポレーション(CMHC)は11月28日、10月の家賃に関する報告を発表。2ベッドルームの全国平均家賃は前年比で2・7パーセント上昇したことが分かった。
報告書によると、10月の全国平均は989ドル。上昇率は今年のインフレ率の2倍となり、家賃がインフレ率を大きく上回る状況が明らかになった。
この1年間で家賃が最も上昇したのは、ブリティッシュ・コロンビア州の都市で、ケローナが8・6パーセント、ビクトリアが8・1パーセント、バンクーバーが6・2パーセント。またオンタリオ州でも高い上昇率となった都市が多く、ベレビルが5・9パーセント、オシャワ5・2パーセント、トロントは4・1パーセントだった。
家賃が最も高い都市はバンクーバーで、平均的な2ベッドルームで1カ月平均1552ドル。次いでトロントで1404ドル、ビクトリア1288ドル、アルバータ州カルガリー1247ドルと続いた。最も高い家賃はトロントの1カ月2301ドル、次いでバンクーバーの1874ドルだった。
一方で、国内人口第2位のケベック州では全国平均を下回っている。モントリオールでは782ドル、ケベックシティは820ドル。カナダを代表する大都市でもかなりの開きがあることが分かった。
バンクーバーやトロントで高い理由の一つに、空室率が低いことがあげられている。空室率の全国平均は3・0パーセント。BC州では1・3パーセント、オンタリオ州では1・6パーセント。一方でケベック州は3・4パーセントと比較的余裕がある。
さらに都市別では、家賃が最も高いバンクーバーは0・9パーセント、ビクトリアは0・7パーセント、トロントは1・0パーセント、家賃の上昇率が最も高かったケローナでは0・2パーセントだった。
不動産価格が全国で最も高いバンクーバーでは、住宅を購入できない人々が賃貸住宅を選択することを余儀なくされるため、空室率が下がり悪循環を招いている。バンクーバー市はこうした状況を改善するための対策を講じているが、効果が表れるのはまだ先になるとみられている。バンクーバーの空室率は2016年の0・7パーセントからやや改善している。